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    penDakoZ

    DONE龍游を出て数十年、放浪の旅を続ける離島組の話。風息と虚淮しか出ません。
    モブが沢山虚淮さんと絡むので注意してください。
    「青の園」シリーズとしては、「夏の夜」と本作の間に挟まれる天虎メインのお話が絶賛停滞中ですが(すいません)、それぞれ単品で読めるお話です。これはモブ村人私と天虎ちゃんの夢小説なので気長に書いています!
    実際の中国の歴史や街などは考慮せず、ファンタジーとして読んでください。
    青の園Ⅲ「迷い子の鈴/夜に蠢くもの(虚淮視点、虚淮と风息)」 故郷を去ってから、数十年の月日が流れた。あてなき旅路の中で、美しいと思えるものにも、醜悪なものにも多く出会った。放浪に果ては無く、私達は失ったもの、残されたものにも未だ名前をつけられずにいる。

     旅の途中で出会った妖精の話を頼りに辿り着いた地だったが、全く期待外れだった。かつて龍が住うとされた豊かな水源は工場からの排水で濁り、美しい森は、故郷を離れ寄り辺ない者たちが集う、歪に積み重なった街と化していた。曇天の下を、物売りの自転車が土煙をあげながら駆け抜けていく。
     人間が暮らす街では、若い男が昼間からふらふらと出歩けば悪目立ちするものだが、この街では誰もよそ者ばかりなので他人への関心が希薄だ。その点に限れば、私達にとって都合が良かった。露天で汚れた古着を選んで買い揃えて、長い髪も尖った耳も大きな帽子ですっぽりと覆ってしまえば、やや不健康そうではあったが、人間にみえない事もない。街で妖精として振舞う事が禁忌とされていた。
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