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    tang_brmy

    PAST初めて書いたぶれまい。節見さんと衣都ちゃんの、カプ未満なジュンブラ会話に纏わる短いおはなし。夜の事務所でふたりきりで事務処理でもしているシチュでお読み頂けると幸いです。節見さんの最後の台詞は、聞いた衣都ちゃんの反応を見たくてわざと冗談で言っています。「それってどういう意味で」と慌てたり、「新開さんに私が試されるやつじゃないですか……」とドン引きされたりとか、真顔以外の衣都ちゃんを引き出したい
    competitive ブライダルフェアに感化されたのか、弥代が「もし結婚するなら……」と小さく呟いたのが耳に届いた。
    「何?」
    「もし節見さんが結婚するなら、お相手はどんな方だろうって」
    「自分の結婚じゃなくて、俺の話? 俺は一人が楽で好きなんだ。誰かと一緒にいたいって思う未来は……今の所見えない。どう考えても弥代の方が先でしょ」
    「……そうなんでしょうか。今回の依頼でこれだけ色々調べたり準備したのに、自分が結婚するってイメージ、全然できませんでしたし。あ、でも、新開さんに『お前にそう言うやつができたら、俺より強いか試してやるから連れてこい』って言われたのはちょっと面白かったです」
     面白いと思っているとは見えない顔で告げられた内容は、確かに少し面白い。
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    michiru_wr110

    DONEbrmy
    戦衣都
    8月8日、蝶々の日に寄せて。
    加えて、翻訳業務をこなす新開さんが見たくて捏造したり、ヘキを詰め込んだりした結果誕生した代物

    《like butterflies in my stomach.》――
    (落ち着かないの。身体の中で、蝶が飛び回っているみたい)
    蝶は目覚めている(そよいと) デスクトップPCの煌々としたブルーライトに照らされながら手元の資料と睨み合う。

     誓さんのアシスタントとして請け負っている翻訳業務。今回は珍しく小説――それも、恋愛ものの内容だった。
     通常は論文や学術書などの硬い内容が多く、知識もボキャブラリも不十分な箇所が散見された。全体の進捗は想定よりも遅い。ジャンルを問わず同じように仕事をしているつもりだが、ままならないものだ。
    (……休憩すっか)
     ある種の諦めと共に区切りをつけて、ブルーライトカットの眼鏡を外す。今時らしいデザインのラウンドレンズ。細い銀縁のそれは、数ヵ月前に弥代が誕生日プレゼントとして選んでくれたものだ。
     指先でテンプルを弄びながらちらりとモニターに目をやると、目元から頭頂部に刺さるような痛みを覚えた。必然的に眉間に皺を寄せる。先ほどまでは(何だったらこいつを導入するまでは)気にならなかった刺激は、どうやら目に毒だったらしい。
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