土井
bintatyan
DOODLE事後の土井利(なまめかしくはないです、初夜後)美しいものすべて――利吉くん。きみがはじめて私をお兄ちゃん、と呼んだ日のことを、夢に見る夜があるよ
半助が言うと、利吉は『いきなり何の話です』と言いたげな表情で見返してきた。
静寂が耳に痛いほど、虫の音すらもなくただ窓から射し込む月の光だけがけざやかだ。濡れたようなつやつやとした双眸を覗き込むと、あの日の花畑が見える。半助の運命が変わった日。
「後悔していますか」
「ん?」
「私とこうなったこと」
もう今や寂れた、ほとんど客のないような木賃宿で半助は初めて利吉を抱いた。一応の管理をしている老婆は体のあちこちを悪くしていて、また別の粗末な、他にほとんど人もいないような長屋で寝起きしているという。元は今よりよほど賑やかな村だったものが、ここから少し足を伸ばした先により商売に都合のいい立地である宿場町ができたことで急速に廃れた。ほとんど人は残っていないのを、それでも残った何人かが守って暮らしているのだった。そういう、人目につかないところであることが肝要だったからあえて選んだ場所だ。人込みに紛れることも考えたが、利吉の容姿は秀でていて、注目されやすい。今日この日、彼をそういう目で見る不埒者は己だけでいいと思った。ばかみたいな話だ。
1562半助が言うと、利吉は『いきなり何の話です』と言いたげな表情で見返してきた。
静寂が耳に痛いほど、虫の音すらもなくただ窓から射し込む月の光だけがけざやかだ。濡れたようなつやつやとした双眸を覗き込むと、あの日の花畑が見える。半助の運命が変わった日。
「後悔していますか」
「ん?」
「私とこうなったこと」
もう今や寂れた、ほとんど客のないような木賃宿で半助は初めて利吉を抱いた。一応の管理をしている老婆は体のあちこちを悪くしていて、また別の粗末な、他にほとんど人もいないような長屋で寝起きしているという。元は今よりよほど賑やかな村だったものが、ここから少し足を伸ばした先により商売に都合のいい立地である宿場町ができたことで急速に廃れた。ほとんど人は残っていないのを、それでも残った何人かが守って暮らしているのだった。そういう、人目につかないところであることが肝要だったからあえて選んだ場所だ。人込みに紛れることも考えたが、利吉の容姿は秀でていて、注目されやすい。今日この日、彼をそういう目で見る不埒者は己だけでいいと思った。ばかみたいな話だ。
ringofeb9
DOODLE小学校の先生な土井半助と音大でピアノ専攻の利吉くんの現パロらくがき。雰囲気で読んでください。私のお父さん、歌詞を和訳するとまあまあ重いけど利吉クンはクソデカ感情を土井センに抱えてそうだし…。
2人がなんで知り合ったかはまだ深く考えてないです。細かいことは気にするな。
私のお兄ちゃん「利吉くん、お疲れさま」
コンサートホールのホワイエにいる観客がまばらになった頃合いを見計らって半助は利吉に声をかけた。
「お疲れさまです、半助さん。ご来場ありがとうございます」
「コンサート、誘ってくれてありがとう。相変わらずすごい数の差し入れだね……」
「ええ。まあ……」
沢山の紙袋や花束を手にしながら利吉は苦笑した。整った顔立ちもあってか利吉は同じ音楽大学の学生は勿論、学外にもファンがいるから演奏会に出るとなると毎回沢山の差し入れをもらう。
「ごめんね。仕事終わりに急いで駆けつけたから差し入れ用意できなくて」
「いえ。来てくださっただけでもありがたいですからお気遣いなく。……半助さん。今日の演奏、どうでしたか?」
1310コンサートホールのホワイエにいる観客がまばらになった頃合いを見計らって半助は利吉に声をかけた。
「お疲れさまです、半助さん。ご来場ありがとうございます」
「コンサート、誘ってくれてありがとう。相変わらずすごい数の差し入れだね……」
「ええ。まあ……」
沢山の紙袋や花束を手にしながら利吉は苦笑した。整った顔立ちもあってか利吉は同じ音楽大学の学生は勿論、学外にもファンがいるから演奏会に出るとなると毎回沢山の差し入れをもらう。
「ごめんね。仕事終わりに急いで駆けつけたから差し入れ用意できなくて」
「いえ。来てくださっただけでもありがたいですからお気遣いなく。……半助さん。今日の演奏、どうでしたか?」
くるしま
MOURNING映画後の時間軸で、利→土が溢れて困ってる土井先生が、雑渡さんに恋人のフリを頼む所から雑土になる話が見たいなぁ…というネタの羅列。供養。利→土と雑土の話にならなかったネタ(供養) 利吉の気持ちは昔から薄々気付いていたけど、本格的に無視できない感じになってきている土井先生。
何よりも、絆される可能性がなくもない(年下に甘くて割と流されやすい)自分が怖い土井先生。
よし利吉くんに諦めさせるために恋人っぽい相手でも作ろう、と思い立つ。諸々考えて男を相手にしようと思って、その手の場所に行ってみる変に行動力のある土井先生。
そこで雑渡さん(お仕事中)に会ってしまい、なんやかんやで事情を話すハメになった土井先生。
雑渡は利吉の必死さを見ているので、そういうことねと納得。
「そういう事ならば、本当に探さずとも、誰か適当な人にフリを頼めば良いのでは」
「あまり近しい人には頼めないのですよ。後々の事もありますからね」
961何よりも、絆される可能性がなくもない(年下に甘くて割と流されやすい)自分が怖い土井先生。
よし利吉くんに諦めさせるために恋人っぽい相手でも作ろう、と思い立つ。諸々考えて男を相手にしようと思って、その手の場所に行ってみる変に行動力のある土井先生。
そこで雑渡さん(お仕事中)に会ってしまい、なんやかんやで事情を話すハメになった土井先生。
雑渡は利吉の必死さを見ているので、そういうことねと納得。
「そういう事ならば、本当に探さずとも、誰か適当な人にフリを頼めば良いのでは」
「あまり近しい人には頼めないのですよ。後々の事もありますからね」
krn_gravity_12k
MEMO土井利+きり土井利ときりちゃん「利吉さんは土井先生のどこがいいんすか?」
「え?どうしたんだ、突然」
「いや、ずっと疑問だったっていうか…優しいしかっこいいですけど、日常生活、壊滅的ですよ?」
「か、壊滅的は言い過ぎじゃ……うーん、改めて聞かれると困るな…土井先生のことを好きな理由とか考えたことないし…」
「利吉さんならお姉さんたちから引く手あまたでしょ?あ、もしくは僕とかどうすか?」
「確かにきり丸がいてくれたら助かるかもね」
「任せて下さいよ!特に銭関係!」
「2人が仲良いのは嬉しいけど、私の前でやる?」
きりちゃんのバイトの手伝いの内職中にこういう会話してたら良いな
きりちゃんと利吉さんは仲良くしててほしい派です
きりちゃんは土井利の仲を認めてる上で、なんの悪気も他意もなく聞きそう
398「え?どうしたんだ、突然」
「いや、ずっと疑問だったっていうか…優しいしかっこいいですけど、日常生活、壊滅的ですよ?」
「か、壊滅的は言い過ぎじゃ……うーん、改めて聞かれると困るな…土井先生のことを好きな理由とか考えたことないし…」
「利吉さんならお姉さんたちから引く手あまたでしょ?あ、もしくは僕とかどうすか?」
「確かにきり丸がいてくれたら助かるかもね」
「任せて下さいよ!特に銭関係!」
「2人が仲良いのは嬉しいけど、私の前でやる?」
きりちゃんのバイトの手伝いの内職中にこういう会話してたら良いな
きりちゃんと利吉さんは仲良くしててほしい派です
きりちゃんは土井利の仲を認めてる上で、なんの悪気も他意もなく聞きそう
くるしま
MOURNING雑土。いつも雑渡さんに振り回されてるのが、ちょっと悔しい土井先生。
書いたはいいけど、どうにも話が上手くまとまらなかったので、ここに供養。
雑土の小話 その日は、一年は組でテストがあった。
だから教科担当の土井は、机に向かい、ひとりテストを採点をしていた。そして、視力検査のような点数を書いているうちに、胃が痛んできた。
何度やっても、この点数には慣れられないし、教科担当の土井が慣れたら終わりだ。わかってはいるのだが。
「あいつら……」
と思わず呟いた時。背後から声が降ってきた。
「こんにちは」
土井は振り返って、音もなくいきなり現れた男を見る。リアクションを取る気にならなかったのは、タイミングが最悪だったからだ。
空気を読む力はあるくせに、こうやって時々外してくる。わざとだとわかっているから、土井はこの雑渡という男が嫌になる時がある。
「……何か御用ですか」
2543だから教科担当の土井は、机に向かい、ひとりテストを採点をしていた。そして、視力検査のような点数を書いているうちに、胃が痛んできた。
何度やっても、この点数には慣れられないし、教科担当の土井が慣れたら終わりだ。わかってはいるのだが。
「あいつら……」
と思わず呟いた時。背後から声が降ってきた。
「こんにちは」
土井は振り返って、音もなくいきなり現れた男を見る。リアクションを取る気にならなかったのは、タイミングが最悪だったからだ。
空気を読む力はあるくせに、こうやって時々外してくる。わざとだとわかっているから、土井はこの雑渡という男が嫌になる時がある。
「……何か御用ですか」
もちづき
DOODLE⚠️賭ケグルイパロ。短く書きたかったから割と無理矢理展開。賭ケグルイに関しては中途半端にしかまだ見られてません。
年齢的には土井→3年生、尊奈門→1年生みたいなイメージ。
尊奈門秒速でポチになりそうでかわいい〜〜!と思って書きました。
尊奈門の貞操観念緩くないであろうけど箱入り故に別にどうとも思ってない尊奈門が書きたかった。 2466
nomoco
DOODLEまだ支部に上げてないやつの再掲(※元のツイは画像うんぬんの時に一回削除しました)です💡25〜26期だかの時の一緒に帰ろうの段見たあとに描いたやつ…??かなと(※うろ覚えですみません)
馬刺し🌈🦄
REHABILI土井きり未満。原作と映画のネタが混じった時間軸がよく分からない、雰囲気だけで進んでいる話
最果てにいたあなたへ雪が積もった、と誰かが叫んだ。
その日は朝からずっと雨だった。
昨日まで暖かった気温が突然芯から凍るような寒さへと変わり、空も地面もすっかり薄暗い灰色に覆われていた。
「……予習してくるようにと言ったが、……」
昼食をとった後の火器の授業ほどつらいものはない。漏れでるあくびを噛み殺し、きり丸は黒板の向こうを見つめた。濡れたまぶたをぱちぱちと瞬かせ、鼻をすする。
朗々と響く土井の声も、今のきり丸にとっては子守唄に等しい。落ち着いた耳に心地いい声を聞きながら、うつらうつらとしているうちに影が射す。乱太郎に小声で「きりちゃん」と呼ばれ、反射的にきり丸が顔を上げた。
「おはよう。きり丸」
「……えへへ」
休みの間、土井家で交わされるものとはトーンの違う挨拶に背筋が伸びる。向けられたチョークに愛想笑いで誤魔化すと、土井はちらりときり丸の懐に視線をやった。きり丸が咄嗟に利き手で隠そうとするも、土井はふむと唸っただけで踵をかえす。そのまま何事も無かったかのように授業を続けた。
2469その日は朝からずっと雨だった。
昨日まで暖かった気温が突然芯から凍るような寒さへと変わり、空も地面もすっかり薄暗い灰色に覆われていた。
「……予習してくるようにと言ったが、……」
昼食をとった後の火器の授業ほどつらいものはない。漏れでるあくびを噛み殺し、きり丸は黒板の向こうを見つめた。濡れたまぶたをぱちぱちと瞬かせ、鼻をすする。
朗々と響く土井の声も、今のきり丸にとっては子守唄に等しい。落ち着いた耳に心地いい声を聞きながら、うつらうつらとしているうちに影が射す。乱太郎に小声で「きりちゃん」と呼ばれ、反射的にきり丸が顔を上げた。
「おはよう。きり丸」
「……えへへ」
休みの間、土井家で交わされるものとはトーンの違う挨拶に背筋が伸びる。向けられたチョークに愛想笑いで誤魔化すと、土井はちらりときり丸の懐に視線をやった。きり丸が咄嗟に利き手で隠そうとするも、土井はふむと唸っただけで踵をかえす。そのまま何事も無かったかのように授業を続けた。