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    大分

    しうち野

    DOODLEDK薫が、学校の宿題で虎次郎を主人公とした話を書きながら、すったもんだありつつ自分の気持ちを見つめる話。
    を書こうとしたのですが、仕事がアホほど忙しかったため、
    予定エピソードをいくつか削ったらジョーチェリ感が大分薄くなってしまいました……。

    この投稿の一つ下は、サマコレで展示したジョーチェリ小説です。
    良かったらこちらも読んでやってください。
     教室の窓から見える、運動場の堅い土すら抉るような雨が降っていて、止みそうにない。スケートに行くのは無理そうだった。今朝テレビで見かけた天気予報は今週ずっと雨で、この調子で降り続くなら今日はではなく、しばらくかもしれない。最近は、スケートが楽しいから気持ちが萎れる。
    「宿題は小説を書くこと」
     小説、と先生は口にした言葉を黒板に書いた。腹の出たおっさんでユーモアに欠けるこの先生は生徒に人気はないが、文字は丁寧で品があるし、授業の合間に披露される雑談は教養と古典愛に溢れるものなので俺は嫌いではなかった。
    「提出は一ヶ月後。原稿用紙五枚以上、文字数で言うと2000字以上で上限はありません。一つだけテーマを決めて書いてください。テーマは内容に関するものでも、文章に関するものでも構いません。例えば、主人公の心理描写やストーリーの意外性に力を入れたとか、文章のリズムに気を配ったとか」ここで先生はさりげなく教室全体を見回す。おそらくは興味を持っている生徒を見定めているのだが、雨で湿気った空気がそのまま蔓延していてクラスの空気はねっとりと重い。「文章の長短が読者に与える印象を考えて書く等、思いつきをただ連ねるのではなく、小説を自身でコントロールして欲しいのです」
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    流浪 @阿七おいしい

    DONE遙か7
    出陣イベントドラマ『悠遠の彼方へ』の終幕から続く阿国さんのSSです。

    ふと、あの√が阿国さんの復讐だと解釈すると面白いかなぁ、と思いついたので書いてみました。
    大分ダークサイド阿国さんですが、阿七風味もちょっと入れられて書いててとっっても楽しかったですw
    結構面白くできたと自分では思ってる。
    2022.10.6
    水底の石 岐阜城の夜、七緒が去った縁側は静寂が落ちてしん、と落ち着いている。さわさわと庭木を揺らしながらそよ吹く夜風に髪を遊ばせながら、阿国は遙か遠い星を眺めていた。
     ふと、小さく溜息が溢れた。それは阿国の心に落ち、その水面を微かに揺らす。
    「──その溜息は何に対してだ」
     頭上の影から声がしたのは、その時だった。


     宗矩はむっつりと口をつぐんでいた。虫の居処が悪い訳でも、体調が芳しくない訳でもない。ただ、何か石がつっかえたように腑に落ちないものがずっと胸に溜まって、どうにも座り心地が悪かった。
     心を乱すなど甚だ未熟だと、落ち着こうと星を見に屋根に登っていた時、軒下から話し声が聞こえてきた。確認せずともそれが誰のものかはすぐに分かり、立ち去ろうとも思ったが、宗矩はすぐにそれが決断できなかった。
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