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    天馬

    フォ……

    TRAINING類から見た天馬司とは

    お題「今日のゲストは悲劇」
    15分トレーニング 8

    989文字(所要時間約2分)
    「悲劇って、あまり思いつかないんだよね」
    「たしかにな」

     学校も終わり、バイト場所であるフェニックスワンダーランドへと向かう道すがら。
     類はふと、そんな言葉を落とした。

    「まぁ、僕達のショーには、悲劇は似合わない気もするけれどね」
    「……うむ。だが、たまにはいいのかもしれないな」

     フェニックスワンダーランドのショー、ひいてはワンダーランズ×ショウタイムの目的は来ている人々を笑顔にする事だった。特に、あのにぎやかな会場の成り立ちと作りから言うと、来ている観客は家族連れが多いため、俄然喜劇を多く作るような形になっているのだった。

     そもそも、悲劇の成り立ちは憤る現在に向けてのアンチテーゼの意味合いもある。
     今を生きて楽しんでいる人々に、それをどうやって伝えていくのかと考えてもみると、難しい。けれど、それを考えてこその演出家でもあるのかもしれない、と思うと俄然盛り上がってくる気持ちもあった。

    「ふふ、」
    「どうした、類。楽しそうだな」
    「そうだねぇ……悲劇、ねぇ。調べてみなければいけない事が増えてしまったね」
    「うむ。お前の好きにするといい」

     相変わらず、全てを肯定して 1026