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    小説

    zeppei27

    DONE何となく続いている主福の現パロです。本に書下ろしで書いていた現パロ時空ですが、アシスタント×大学教授という前提だけわかっていれば無問題!単品で読める、ホワイトデーに贈る『覚悟』のお話です。
    前作VD話の続きでもあります。
    >熱くて甘い(前作)
    https://poipiku.com/271957/11413399.html
    心尽くし 日々は変わりなく過ぎていた。大学と自宅を行き来し、時に仕事で遠方に足を伸ばし、また時に行楽に赴く。時代と場所が異なるだけで、隠し刀と福沢諭吉が交わす言葉も心もあの頃のままである。暮らし向きに関して強いて変化を言うならば、共に暮らすようになってからは、言葉なくして相通じる折々の楽しみが随分増えた。例えば、大学の研究室で黙って差し出されるコーヒーであるとか、少し肌寒いと感じられる日に棚の手前に置かれた冬用の肌着だとか、生活のちょっとした心配りである。雨の長い暗い日に、黙って隣に並んでくれることから得られる安心感はかけがえのないものだ。
     隠し刀にとって、元来言葉を操ることは難しい。教え込まれた技は無骨なものであったし、道具に口は不要だ。舌が短いため、ややもすると舌足らずな印象を与えてしまう。考え考え紡いだところで、心を表す気の利いた物言いはろくろく思いつきやしない。言葉を発することが不得手であっても別段、生きていくには困らなかった。だから良いんだ、と放っておいたというのに、人生は怠惰を良しとしないらしい。運命に放り出されて浪人となった、成り行き任せの行路では舌がくたくたに疲れるほどに使い、頭が茹だる程に回転させる必要があった。
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    hanaya_koso

    DONE3月16日春コミ⏮️プチオンリーにて配布したペーパー用の小説です。
    🤕→🐳←🔨のわちゃわちゃギャグ。
    肉まんよりも大好きな人の写真が欲しかった後輩ズと、何も知らない🐳さんの話。
    食い気より色気カメラを向けられていることに気付いた時には大きく口を開けてしまっていて、まあいいかとクロノはそのまま熱々の肉まんにかぶりついた。元々細かいことは気にしないタイプだし、何より今は冷めないうちに肉まんを食べたい食欲が勝っていたのである。寒い冬と言えばやっぱり買い食いの肉まんじゃと最初に教えてくれたのはアカバである。疲労と空腹でくたくたになっている中食べる肉まんとはこうも美味いものかと感動して以来、任務の帰りに本部近くのコンビニに寄り道をして肉まんを買うのがちょっとしたマイブームになっている。ふわふわもちもちでほんのり甘い皮、そして中から現れる、ジューシーで食べ応えのある餡。筍と玉ねぎが混ぜ込まれているのか、シャキシャキした食感が楽しい。そして何より、手が悴みそうなほど寒い日に食べる肉まんのなんと美味しいことか。まるでホッカイロのように、掌を温めてくれる。その上腹と心まで満たされるのだからすごい食べ物だ。
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    ひまつぶしエンジェル

    DONE2025/3月 大聖堂イベ オリジナル小説依頼枠
    まちちゃん(500pt)
    「悲しい大人っぽいラブストーリー」

    大人ってことは将来を見据えてるってことだと思うので、そうゆう感じで書きました!ラブかなぁ??
    まちちゃん「夢見」 「ねえそれまだあるってー。買わなくていいってば。」
     「お前ストックって考え方はない訳??あった方が安心だろー。」
     
     スーパーの調味料売り場で、ぶーっと不満気な顔をする私を無視して、彼は笑いながらマヨネーズをカゴの中に入れた。
     
      「私の家のストック増やしてどうすんのよ、もー。」

     カゴの中のマヨネーズを持って、棚に戻す。

     ――――
     
     パチリと目を開いた。
    自分の部屋の天井が見えて、あぁさっきのは夢だったんだ、と理解する。
     夢の中でまで、軽くとは言え喧嘩するなんて。でももう彼に合わせてマヨネーズをストックすることもないし、彼のいたずらっぽい笑顔を見られることもない。
     別れて半年、酒を飲む度に泣くから、最初は慰めてくれていた友人たちも、またはじまった、と呆れるようになっていた。元に戻れるよ、が、諦めも大事かもね、と言われ始めたのはいつからだろう。季節の移ろいと共に変わった慰めの言葉に、二度と恋人へ戻ることはないのだと思い知らされる。
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