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    雨野(あまの)

    MOURNING付き合ってないひふ幻。酔っ払い幻太郎が見たくて書いた。んー力不足。供養。シチュエーション被りとかもあるかもしれない。受が心を通じ合わせるのに戸惑う様子や一回拒否するシチュエーションが好きなのかも。この小説から他の小説にも引用するかも。
    ビジネスの話「おやおや、おばんです〜いらしてたんですね〜」
     この家の家主は引き戸を開けて中に入るといつもより間延びした声を出した。赤ら顔。とろんとした目。おまけに体から発せられるアルコール臭。てか、俺の家じゃないのに何故、俺が出迎えているんだ。深くため息を吐き出しながら「『いらしてたんですね〜』じゃなくてさ〜話聞かせてくれって呼んだの夢野センセじゃん」と彼を咎めた。
     俺と夢野幻太郎のこの妙な交流は三ヶ月前から始まった。新作の参考にしたいからホスト業のことを聞かせてくれ、と一二三と独歩の住むマンションに訪れたときは本当に驚いた。何しろ一二三は以前、幻太郎の服装のことに口を出し、逆鱗に触れてしまっていたからだ。激昂した相手に縋るほど困っているのか幻太郎は「以前のことは水に流すので協力してもらえませんか」と頭を下げてきたのだ。一二三はその依頼を快く引き受け、それから度々、夢野邸に呼び出されては仕事内容だったり、客とのやり取りだったりを彼に教えている。そして今日も例に漏れずに呼び出された……は良いが家に入って早々、「ちょっと野暮用がありまして……少しの間待ってていただけませんか?」と言って彼は出かけてしまったのだ。まあ今日は仕事も休みだし、何の予定もないし、少しの間なら……と思ったのが間違いだった。彼は一時間待っても二時間待っても帰って来なかった。その間も着信を入れたりメッセージを送ったりするものの一二三のスマートフォンは律儀に沈黙していた。
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    ktuongrms

    DONE8月某日数年ぶりに本丸へ帰還しました
    江戸城宝物庫を開け進めるには絶妙に時間が足りずうちに京極正宗はおりません
    石田の兄上鍛刀祭はうちの資材を派手に散らしたので一足先に終了(勝手に)
    56億7千年後にでも来るつもりかな 兄上
    そんな憤りから思わずカッとなって書き殴りました
    全ての不敬と解釈違いに全力で土下座しながら奉納します
    我が身こそその唯一で在れと本丸から眺める風景はすでに秋桜に揺れているというのに身体に纏わりつく空気はいつまでも独特のこもった湿り気を帯びてあつい。

    「主、惜しかった。」

    暑さと過ぎた集中でもう何度目なのか記録に記すのも怪しくなってきた頃、近侍の声が鍛冶場へ静かに広がった。


    額に流れる汗を拭ってゆく手のひらには労りが込められ、片膝をついて覗き込んでくる眼がこれ以上の鍛刀は否と告げている。

    肺に満ちていた緊張を解き放つように、深い息をひとつ吐いた。

    握りしめていた札がゆっくりと己の手を離れていくのを見送る。

    札が近侍の胸に納められるのを見届け、その両の手を借りた。

    重なった手のひらがどちらからともなく強く握られる。

    必ず顕現させると意気込んだ手前、情けなさと申し訳なさが相まり遣る瀬なさに鼻の奥がつんとした。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE夏だしそういえば一度も書いてない花火の話でもと思う→学年誌版とかにあるんだよな→五半にするか→……花火っていつから?→手持ち花火原型はもう少し遡れるけど打ち上げ花火は江戸時代からだよ!
    よし、細かいことは置いとこう!! この人のせいにしとけば大体許されるっしょ!!
    そうしてダラダラ書いてできたのがこちらなので細かいことは気にしない精神で。
    ■ 瞼の裏に残るもの「はや――じゃなかった、半蔵よぅ、おるかぁ!?」
    「なんじゃ……お主の声はよう通るから張り上げぬでも聞こえるわ」

    ひと足先に「兄」となった人物があまりに惜しむので、大きな戦も起きてはおらぬし良かろうと前髪を落とさぬまま元服したのはつい先日。
    いまだ慣れぬ新しい名を呼び間違いながらひょっこりと庭先に顔を出したその五右衛門に、縁側の障子を開け放ったまま書き物をしていた半蔵は顔を上げた。
    夏も盛りの日差しは強く、屋根に遮られて落ちる影を尚更濃く見せる。じいじいじわじわと蝉の声が庭に響き、時折吹き込む風が麻の着物の隙間から半蔵の肌に触れ、黒く長い髪を揺らした。
    度々服部家に顔を出す石川家の子息の姿には、服部家の者たちも慣れた様子で挨拶を交わしている。近頃は見る度に大きくなっているような気がする体躯の両腕に抱えた今日の土産はよく育った瓜がふたつみっつ。
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