Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    2r8Co

    DONEウィスマナの学パロ小説です。

    5/26インテにて頒布予定の、うぶたさん(@ 3CinuO)との学パロウィスマナ合同本の小説パートの全文になります(実際の本では一部削っての収録になります)(なのでこちらも叩き台の全文といった感じです)

    ※全員が学生または教師という設定。
    ※リンウイ本編に沿うような話です
    ※恋愛要素薄めですがウィスマナです
    学パロウィスマナ【邂逅の庭】 ◆プロローグ

    「今日は転校生がいる。――入れ」
     担任のヴェイルの声に、教卓側の扉が開く。生徒たちが少しだけざわめくのを、ウィストは窓の外を眺めながら聞いてた。どんよりとした雪雲に覆われた空はいつ見ても同じだ。雪がちらつくのも。
    「寮に住むことになるから、寮生は良くしてやってくれ。席は空いてるところに好きなように……教材がまだ揃ってないから、なるべく見せてもらえよ。じゃ、昨日の続きから」
     教科書を開くように、と合図がかかってウィストはようやく前を向いた。そうだ、転校生。頭の片隅で聞いていた話題を今さら思い出したが、すでにどこかの席へ紛れてしまったようで見当たらない。
     ……まあいいか、そのうち何処かで見かけるだろうし。教科書とノートを開いてペンを手に取りながら、ウィストは再び窓の外へと目を向けた。
    33235

    kumaneko013

    DONE弊アルハン♂の成立する少し前のお話。またジェイくんがア教の相談相手になってて、前に書いたこれ(https://twitter.com/kumaneko013/status/1671127548959555585)とちょっと繋がってる感じです。
     行きつけの店で仕事終わりの一杯を注文し、グイッと呷る。
     カウンター上に出された酒は普段と何も変わらない筈だが、何だかあまり味が感じられない。
     いや、今の自分にはそれを楽しむだけの余裕があまり無いという事を、アルロー自身も分かっていた。ここ数日でめっきり増えた溜息が、今夜も口から漏れてしまう。
     ──アルローは悩んでいた。
     メル・ゼナやガイアデルムといった脅威を退け、漸くエルガドにも見慣れた青空が戻ってきた矢先の事である。
     キュリアの残党やモンスターの傀異化など、当面の問題はまだ残っているが──アルローの悩みは、それとは全く別の件だった。
     カムラの里の英雄、猛き炎。
     フィオレーネに伴われてエルガドにやって来たアラタという少年は、一連の元凶でもあったガイアデルムの討伐に至るまでとても尽力してくれたし、今もなおバハリの調査に手を貸している。性格の方も少々生真面目ではあるが、基本的に人懐っこく、その若さや善良性から庇護欲を掻き立てられるせいか、エルガドの皆から可愛がられるようになるまで、そう時間は掛からなかった。
    7958