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    MAIKINGテーマ:ノヤさんの恋愛遍歴を知ってびっくりする旭さん
    【HQ】書きかけ「俺に遠慮しねえでいいんですからね」
     サンティアゴに着いてすぐ予約していたホテルにチェックインし、スーパーで買い漁った食事を小さなテーブルに広げたささやかな晩ご飯。互いのビールの瓶をぶつけて笑いながら乾杯を唱えた直後の西谷の言葉に俺は戸惑った。
    「なんの話?」
    「せっかくの旅行なんだし。旅先でいい出会いがあったら俺のことは気にせず楽しんでくださいねって言ったんです。……でも連絡はくださいよ。何かあったら困るから」
     だから何の話だよ、と再度口にしかけて思い出す。
     レジで西谷が会計を済ませるのを待っていた時、溌剌とした女性二人に声を掛けられた。世界ツアーに繰り出してから日本語と英語以外の言語で話しかけられるのにもだいぶ慣れたとはいえ、何を言っているのかまではさすがにまだわからない。笑顔でやんわり首を振れば彼女たちは笑って手を振りながら去っていったけど、今思うとあれは何らかのお誘いだったのだろう。何の用だったんだろう、と去っていく二人を見送る俺のところに会計を終えて駆け寄ってきた西谷には、彼女たちの意図がわかっていたのかも知れない。
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    くじら

    Happy New Yearガキ扱いされて勝手に煽られた旭がムカムカして変な方向に暴走しSMまがいに走り焦る界川…ていうなゆみゆ(トンチキ)
    なゆみゆ(トンチキ)なゆみゆ


    「やるからには本気でいく。まずはそこに横になれ」
    お前にSMはまだ早い、という言葉が癪に触ったのだろうか。那由多は一体どこで調達したのかもわからない不気味な仮面を装着するとポケットから鞭を取り出した。試すようにピシャリと床に叩きつける姿が妙に様になっていて息を呑む。那由多の手はこんな悪趣味な玩具ではなく、世界を奪う歌声を浴びせるに曲を作り、マイクを握るためのものだ。これは深幸のある種の願いでもある。しかし那由多はお構いなしに、その神聖な手でふざけたアダルトグッズを握りしめる。今日に限ったことではない。数日前は禍々しいディルドを掴んで「こんなジャンクに俺が負けるわけがない」と突きつけてきた。烈火の如く怒り狂っていて非常にわかりづらいが、那由多なりのやきもちなのだと思う。ちなみに深幸はその玩具を使ったことはない。酔っ払った友人に罰ゲームと称して押し付けられただけだ。激怒していた那由多は中々話を聞いてくれなかったが、宥めながら事の流れを説明すると途端に興味を失ったように凶悪なそれを投げ捨てていた。今回もどうにか説得して、早くその凶器を奪い取らなくてはならない。那由多はマニアックな性癖を知らなくていい。否、知らないでいてほしい。夢を見すぎだと言われても構わない。そのくらい深幸は本気だった。
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