燠果　木の物腐し






「わりぃなセンパイ」


　ぐっと汗を拭って眉を顰める灰園に

　とんでもない、と首を振る



「いいんだ、それに君の料理が
　それだけ美味しいってことだから」



　これは本心だ


　キッチンカーの中から見下ろされていると

　まるで赦されない
　大きな障壁がはだかっているようだと


　何時も切ないような、
　それでいて
　ほっとするような心持ちになる。

　それじゃあ、と踵を返そうとすると


「ちょっと待てよ」


　灰園はキッチンカーの中に
　身を翻すと

　ばたん、がらっと

　少し慌ただしい音がする


　そうしてカウンターでは無く

　出入口のドアが開いて

　ちょいちょい、と手招きをされる


　何だろうと

　呼ばれるままに
　来てみれば



「ほらよ、サービス」

「おおっ花道ィ！遅かったじゃねぇか！」

　案内された個室のふすまを開けた途端、桜木、桜木くん、センパイと、あちこちでわわっと場が盛り上がると同時に聞こえた、宮城のはつらつとした声に花道もつい笑顔になる。歓迎されて嬉しくないわけがない上に、宮城と会うのはほとんど一年ぶりだった。

「リョーちん！久しぶりだな！」
「おめーもしかしてまたデカくなったか？」
「この間計ったら195センチになってたぞ！リョーちんは？」
「うるせーこの野郎！」

　そう笑い合って宮城と固く抱き合いながらも、横長の座卓の一番端にわれかんけす、座っている男を見つけてしまい、花道は笑顔が凍り付かないように精一杯はしゃいだ。

「インカレ、優勝おめでと」

明日，不會到來站在玄關的Sonny側身，右耳專注的聆聽外頭的動靜。
學校規定的上課時間是9，一直以來Alban都會習慣在8點踏出家門。
距離Alban打開他家大門的時間還有3、2、1
「0——」

「我出門了——」秒針跨過12的那刻，Alban準時的推開門，聽著從走廊傳來的聲響，Sonny也跟著若無其事的開門。

「、呀真巧，早安哪」
「Sonny早安～那我們去學校吧？」

Alban跟Sonny家碰巧就在同層大樓，儘管沒有刻意越好，但兩人時常“巧合的”在出門時相遇後，一起走路上學。
看向Sonny與Alban的身影逐漸消失在走廊盡頭，Fulgur淡淡的笑了，隨手關上沒被Alban闔上的大門。
「真巧，是嗎？」


白天與Alban面對面聊天，到了放學回家後又會接著一起打遊戲，曾幾何時Sonny總認為這樣的日子會延續到他們高中畢業才會結束。

【Shuca】《Lips》 +


學園祭當天，Luca早早就起床準備。

當天早晨，父母都去出差的金城家只剩Luca和他唯一的姐姐在家。

Luca下樓時剛好撞見大他幾歲的Lucy站在客廳的全身鏡前塗口紅。Lucy匆匆地跟他說了一聲早安後，把手裡的化妝包放在客廳桌上，讓Luca幫她放回房裡。

他沒來得及應好，就已經不見趕著出門的Lucy人影。

Luca盯著桌上的化妝包，忽然想起自己剛交往不久的男朋友幼時的初戀是Lucy時，心裡冒出「如果我是女生的話，當時的Shu會喜歡自己嗎？」的念頭。

他明白就算塗上口紅，也無法變得跟Lucy一樣漂亮，只是好奇心不斷地叫囂著讓他試試看。

他猶豫了一下，決定拿出同學們幫他準備好的女僕裝。Luca原本想先偷偷穿給Shu看，所以才把女僕裝帶回來，但他的戀人因為學園祭的到來忙得不可開交，於是拖到了學園祭當天都沒來得及穿給Shu看。

黒猫のララバイ自分の睡眠が浅いという自覚はあった。どれだけハードな練習をこなしても、必ず一夜に一度は目が覚める。そのまますっとまた寝入ることもあれば、まんじりともせず部屋のなかが少しずつ明るくなってくるのを待つこともあった。思えばグレていたあのころは夜活動することが多く、昼夜逆転している生活を送っていたから、急にそれがまた逆転したわけだ、体がまだ追いつかないんだろう。
そうはいっても、熟睡できるようになるならそれに越したことはない。寝具を変えてみたり、睡眠導入に良いと聞いたCDをかけてみたりなど思い当たるものは何かしら試してみたものの、改善する兆しは見えず。まあ全く眠れていないわけでもなし、様子を見るか、と楽観的に捉えて気付けばもう数ヶ月が経っていた。