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    煩い

    wks

    DONE・トマ人ワンドロ第一回「忘れ物」「恋煩い」
    ・どちらも無理矢理いれてしまった結果のこれ
    ・解釈ふわふわ、付き合ってますしやることはやってます
    ・誤字脱字
    恋煩い 主であるところの青年とトーマの間には、いくつかの符丁が存在する。それは幼い頃に大人たちには内緒だと笑った約束であるし、家司となったのちにお互いの業務を円滑に行うための取り決めでもあった。顔を合わせるより、声をかけるより、ずっと早くお互いの意図を通じさせることができるそれらが、同じ屋敷で暮らしている間柄であっても活用されるくらいには、神里家の当主というものは忙しかったのだ。
     トーマ自身から何かを伝えることもあれば、主から命令を受けることもある。その場にいる他者にそうと知られないよう、それでいて確実に伝えられるように編み出されたいくつものやりとりはささやかで、さりげなく、それでいて様々な意味を孕む。例えば、執務机にさりげなく残された匂い紙の色と香りであったり、朝食に添えられる茶器と花の組み合わせで在ったり――外出先で時折生ずる『忘れ物』であったり。勿論それらのすべてがそうであるというわけではなく、時折は主の悪戯めいたものも混じるのだけれど、言葉すら介さないやりとりは、トーマがただの被保護者であった頃から、家司となり、そうして二人が想いを交わしてからも変わらずに繰り返されてきた。
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    hariyama_jigoku

    DONE鍾タル小説。甘い。「煩い口なら塞いでしまえ」.

    「せーんせい」
     殊更に甘ったるい声。ぐいっと身を寄せて、鍾離の首に手を回した。すると、タルタリヤの腰に手が添えられて、僅かに鍾離がこちらに合わせて屈む。 タルタリヤはどこか満足げに笑みを浮かべて、目を閉じた。そのまま唇を押し付ける。
     最初の方は、こう上手くはいかなかった。どうにかタルタリヤからでは届かないからと言い含め、せめて屈んで欲しいと教えたのである。代わりにこちらはキスがしたいと示して欲しいとのことだったので、こうやって誘惑するような仕草を取ったりキスしたいと直接伝えることもあった。
     児戯のようにちゅ、ちゅ、とリップ音が跳ねる。曰くこういうことにはあまり興味をそそられなかったのだが、鍾離とのそれは脳を緩やかに浸す毒のようだとすら思った。熱く濡れた舌が下唇に触れ、乞われるままに薄く口を開く。あわいに挿し入れられた舌が、探るように口腔を撫でた。縺れるように舌先が擦り合わされると、びりびりと脳が痺れるように気持ちがいい。
     腰を抱かれて、寝台へと雪崩れ込んだ。口を離される合間合間に息を整えるが、追われるようなキスに体の力を解かれていく。タルタリヤから仕掛けたはずなのに、捕食 1659