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    生存

    白い桃

    PASTTwitterにあげていた生存Sc博になります
    貴方がどうしたって隣に居てよ「勝っ…………た……?」

     ロドスアイランド製薬、その本艦で定期的に開催されるスツール滑走大会にて。
     優勝常連者であり、私物のスツールを持ち出して参加したlogosを僅差で抜いて、今大会で優勝をおさめたのは──未だに信じられないと大会で吹き飛んでいったサングラスはそのままに、珍しくも目元を露わにしてスカーフの中で息を切らしているScoutであった。
     わああ! と観戦者、それから感染者が一気に湧き立って、男も女も関係なくとんでもない盛り上がりを見せている。カジミエーシュの騎士競技でも見ていたかのような盛況さだった。
     今回もlogosが優勝するに違いないと賭けて大損をした者は龍門幣を床へと叩きつけ、勝利した者は「Scout! 愛してるぞ!!」とその叩きつけられた紙幣を天井へぶち上げてひらひらと空気中に舞わせている。こんな有様をケルシーが目撃したのなら、全員が説教と粛清を喰らうだろうが、生憎と我らが優秀なる医師殿はCEOの手によって強制的に仮眠を取らされている最中だ。そして可愛らしいCEOは優勝したScoutに向かって満面の笑みで惜しみない拍手を贈っている。最後の頼みの綱であるクロージャは、残念ながら賭けの胴元なので、誰もこのトンチキ祭りを止める者は居ない。そう、ロドスの作戦部門、その長であるドクターもこの騒ぎを止めるなんて野暮な真似をしなかった。だって、この大会の勝利はScoutの悲願でもあった──らしいので。去年の彼は大層悔しそうな様子でした、と記憶を失ったドクターに教えてくれたのは、目覚めた時に女の子らしい小さな手を差し伸べてくれたアーミヤだった。
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    しんした

    DOODLE生存if七灰。
    どの季節も好きな灰原くんのとある冬の朝の一コマ。
    寒さに弱い七海の七灰https://poipiku.com/1088919/11161850.htmlの続きです。
    手癖で書いたのでずっと甘ったるい感じですが、こういう生存if七灰が好きです。
    冬も好きだなぁって思ってる灰原くんの七灰.





    四季の中でどれが一番好きかと問われたら、回答には少し迷ってしまう。
    春は暖かくて外で遊びやすい。桜や菜の花や有名どころを筆頭に名前も知らない野花も道端で咲き誇るから、目に入る景色がカラフルになるから気分が明るくなる。
    夏はイベントが盛りだくさん。プールに夏祭り、海水浴にキャンプ。学生の頃は夏休みの宿題が少し憂鬱だけど、どこまでも青い空と眩しい太陽はそれを吹き飛ばすくらい、パワーを持っていると思う。
    秋は言うまでもなく美食だろう。美味しい物に溢れていて、食べても食べても、食べたいものは無くならない。食いしん坊からすると一番魅力的な季節かもしれない。
    そして、冬。
    景色は少し寂しくなるけれど、その分空気は澄んで、陽も短くなるから他の季節より夜空の星がよく目に入る。クリスマスにお正月とイベントごとにも欠かないし、食べ物だってあったかい鍋物や濃厚なシチューにチーズたっぷりのグラタンなんて、他の季節よりなんだか豪華になるような気もする。
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    tatuki_seed

    CAN’T MAKE話はしっかり出来上がってるものの、バッドエンドにしかならなくて辛くて小説に出来ないやつ。ハピエン好きなので。
    金塊争奪戦後の尾形生存IF。死なない尾形と月島の月尾話。
    死ネタにつき要注意。

    ラストは3種類考えてみました。好みのエンドはどれですか。私はどれも辛くて切なくて嫌です()
    死なない尾形の話金塊争奪戦後。月が死者を順に検分していく。見知った部下達、顔すらも分からない戦友達。その中で一つ、違うものがあった。
    「おがた…」
    かつての部下、かつての戦友でありながら、死の時には裏切り者、反逆者であった人物。
    思うところは多分にあるが死んでしまえばそれまでだ。そんなことを思いながら通り過ぎたところでげほっと咳き込む音が聞こえた。
    今、この場に生者は自分一人。驚いて振り返ると上体を起こした尾がむせこんでいた。
    「お前…どうして…」
    「ああ…またか」
    唖然としていると、多分生き返ったんだと思いますと尾が事もなく言う。以前にも何度かあったらしい。樺太で。右目を毒矢で射られ、病院に運び込まれた頃。あの時確かに死んだと。手足が冷たくなり意識も暗くなり、間違いなく死を覚悟したと。しかし次に気付いたときには傷の痛みはあれど、毒の影響は一切消え去っていたらしい。周囲の様子からして死んでいた時間は恐らく数分。毒の影響なのか、今回は随分掛かったらしいと二日前には死んでいた尾が言う。
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    しんした

    DOODLE呪専七灰。
    寒さに弱い七海のとある冬の朝の一コマ。
    付き合ってちょっと経ってるふたりです。
    甘えんぼの七海(でももうちょっとちゃんとしたいと思っている)と包容力がめちゃ広い灰原くんが好きです。

    気が向いたら生存if七灰の続きも書きたいです。
    寒さに弱い七海の七灰.





    冬はあまり好きではない。
    低温の中ではどうしても身体は動きににくくなるくせに、体温調整の為に消費カロリーは増えてしまう。それに、冬季うつと呼ばれる季節性感情障害から生じる人間の陰気は、呪術師にとっても大いに関係してくる部分である。生理的な面からも精神的な面からも、効率を考えると恒温動物である人間も進化の過程で冬眠というシステムを取り入れるべきだったのだ。
    なんて馬鹿げた理論を展開したくなるくらい、冬は憂鬱な時期だった。
    けれど。今年の冬は、今までと少し違っていた。





    ふと、意識が浅いところまで浮上した。
    頭はまだ目覚めきっていないが、キンと冷たい空気が鼻を抜けて反射的に身体がこわばった。どうやら、しっかり被っていたはずの掛け布団がずれているらしい。高専の寮は築年数が古く、木造ということもあって隙間だらけ。本格的な冬が訪れてからというもの、隙間風と底冷えの影響で朝方に吐く息が白くなることも日常茶飯事だった。
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    hisakoju

    DONEバルクラフォールデイズ7日目最終日
    お題Freeとのことで生存ifの描いた二人の未来を綴らせて頂きました。

    7日間駆け抜けて、たくさん素敵な作品をお目にかかりながら自分も完走出来てほっとしております。
    素敵な企画を開催して下さった主催者様には頭が上がりません。ありがとうございます。心より感謝を。
    そしてバルクラ作品を読ませて下さった創作者の皆さまにもたくさんのお礼を申し上げます。
    幸せすぎる日々
    そして貴方といつまでも どこまでも晴れ渡る天に蒼穹の緞帳が広がり、暖かな光を満遍なく大地に降り注ぐ。草木の緑が輝く夏の突き刺すような日差しから徐々に色を灯した葉を包み込むような柔らかさを含んだ陽はもうしばらくすると遠ざかり、世界は白い恵みに包まれていくだろう。
     綺麗に続くこの空もくすんだ色に染まれば厳しい冬の足音はもうすぐだった。
     賢者の塔の最上階にほど近い上層で腰かけ、ゆるりと色を変えていく木々の代わり様を眼下に望む。広がるのはかつては豊かな森と山々だったが年月を経た今は大方が削られて散り散りとなっていた。代わりに広がるのは人の街と繋ぐ舗装された道、そして家畜の為に開けた大地。水が豊かなロザリアの大地は豊富な資源で豊かに実りを結び人を養う。かつて父エルウィンが望んだように、水車を起点として始まった大規模な水路についても発達した技術が今は隅々まで行きわたり生活に困らない供給と氾濫対策がなされている。
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