芹
mp111555
PAST霊幻のお兄ちゃん呼びに芹沢が新たな扉を開きかける話お兄ちゃんって呼ばれたい 午後十時、仕事が終わり夜学に通い、シャワーを浴びて一息つくのは大体それくらいの時間だ。最初の数ヶ月は疲れ果てて記憶が飛んでいたこともしばしばだったが、だんだんと慣れてくると夜中まで夜更かししたり、夜学の後に学友と飲みに行けるようにもなっていた。
霊幻と飲みに行ったのも、忘年会に新年会、松の内も明けて新しい年が日常として馴染み始めたタイミングだった。
遅い新年会という名目でチェーンの居酒屋に入った。半個室になったテーブル席で、タッチパネル式の注文システムで適当なつまみと酒を頼む。霊幻さんはビールですか。レモンサワーかな。じゃあ俺はビールで。
「お前手慣れてきたな」
注文の送信ボタンを押すタイミングで水が運ばれてきて、口を付けると霊幻がぽつりと言う。
2955霊幻と飲みに行ったのも、忘年会に新年会、松の内も明けて新しい年が日常として馴染み始めたタイミングだった。
遅い新年会という名目でチェーンの居酒屋に入った。半個室になったテーブル席で、タッチパネル式の注文システムで適当なつまみと酒を頼む。霊幻さんはビールですか。レモンサワーかな。じゃあ俺はビールで。
「お前手慣れてきたな」
注文の送信ボタンを押すタイミングで水が運ばれてきて、口を付けると霊幻がぽつりと言う。
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PAST心霊スポットで現場猫霊幻に怒る芹沢の話俺がやらなきゃ誰がやる 嫌な空気というものがある。
それってどういう感じ?と前に霊幻に聞かれたことがあった。だが、国語の成績がいくら良いほうでも、形容するのは難しかった。霊幻も霊と対峙した経験があるなら知っているだろうにと思ったが、言葉で言い表せないことのほうがより印象に残っていた。
今ならそれを表現することができる。腹の底がざわつく感じ。油断できないから体が臨戦態勢に入って、すべての動きに敏感になる。とにかく一刻も早く立ち去りたいが、逃げればどこまでも追い掛けられそうだから下手に動くこともできない。原始的な恐怖。いくらか言語化出来るようになっても、身体から得られる感覚情報には追いつかない。
現場は郊外にある廃病院だった。依頼主はそこに肝試しをしに行った大学生だった。同行した友人が肝試しの最中にいなくなったのだという。警察にも相談し、友人の親も失踪届を出したが、廃病院の捜索は行われなかったと言うことで、霊とか相談所に泣きついてきた。
1980それってどういう感じ?と前に霊幻に聞かれたことがあった。だが、国語の成績がいくら良いほうでも、形容するのは難しかった。霊幻も霊と対峙した経験があるなら知っているだろうにと思ったが、言葉で言い表せないことのほうがより印象に残っていた。
今ならそれを表現することができる。腹の底がざわつく感じ。油断できないから体が臨戦態勢に入って、すべての動きに敏感になる。とにかく一刻も早く立ち去りたいが、逃げればどこまでも追い掛けられそうだから下手に動くこともできない。原始的な恐怖。いくらか言語化出来るようになっても、身体から得られる感覚情報には追いつかない。
現場は郊外にある廃病院だった。依頼主はそこに肝試しをしに行った大学生だった。同行した友人が肝試しの最中にいなくなったのだという。警察にも相談し、友人の親も失踪届を出したが、廃病院の捜索は行われなかったと言うことで、霊とか相談所に泣きついてきた。
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PAST芹沢のちんちんを見て霊幻がビビる話惚れたほうが負け それを見た瞬間、霊幻はヒュッと息を呑んだ。声に出さなかった自分を褒めてやりたい。
目の前には裸の男が座っている。自分もパンツを脱いで、腰には枕を差し込み少し後ろに身体を傾けた姿勢で、ベッドの上にいた。導き出される解は一つしかない。霊幻もそのつもりだったし、事前の予習もばっちりしていた。なんなら風呂場で自分で試しに尻に指を突っ込んでみたりと、健気に努力していた。
しかし、その心も今の状況に折れかけていた。目の前に座る裸の男、芹沢も次になにをすれば良いのか分からず固まっていたので、互いに動かない状態のまま沈黙が流れていた。
ちんちんでっか。
今の霊幻には、それ以外の言葉が思いつかなかった。それもご丁寧に脳内でちいかわの声が再生される。自分の脳みそが作り出した合成音声だとしても、朝のアニメを清らかな目で見る自信が一気になくなった。
1709目の前には裸の男が座っている。自分もパンツを脱いで、腰には枕を差し込み少し後ろに身体を傾けた姿勢で、ベッドの上にいた。導き出される解は一つしかない。霊幻もそのつもりだったし、事前の予習もばっちりしていた。なんなら風呂場で自分で試しに尻に指を突っ込んでみたりと、健気に努力していた。
しかし、その心も今の状況に折れかけていた。目の前に座る裸の男、芹沢も次になにをすれば良いのか分からず固まっていたので、互いに動かない状態のまま沈黙が流れていた。
ちんちんでっか。
今の霊幻には、それ以外の言葉が思いつかなかった。それもご丁寧に脳内でちいかわの声が再生される。自分の脳みそが作り出した合成音声だとしても、朝のアニメを清らかな目で見る自信が一気になくなった。
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PASTトメ視点の出来てる世界線の芹沢と霊幻の話おっさん's ラブ もしかしてウチの職場、おっさんずラブができるのでは? という発想にトメが至ったのは、客のひとりも来ないまま事務所のテーブルで宿題を終わらせ、暇を持て余していた昼下がりのことだった。
桜が似合う春のうららかさも薄れていくと、徐々に空の色が濃くなり、雲の影のコントラストが強くなった。風は冷たいのでブレザーでちょうどいいが、日当たりがいい場所で授業を受けていると暑くなってくる、そんな季節の変わり目だ。
中学の頃もこうした暇な時間というのはあったものの、共有してくれる誰かがいて、退屈することはなかった。だがここではトメが話し掛けても、トメの望むようなやり取りは出来ない。所長の霊幻新隆も所員の芹沢克也もパソコンに釘付けになっているし、事務所内を浮遊している悪霊のエクボは鼻をほじっている始末だ。世間では持て囃されがちな女子高生というブランドも、ここでは業務用に大量購入されたボールペン以下だった。まあその方がありがたいといえばありがたいのだが。
3654桜が似合う春のうららかさも薄れていくと、徐々に空の色が濃くなり、雲の影のコントラストが強くなった。風は冷たいのでブレザーでちょうどいいが、日当たりがいい場所で授業を受けていると暑くなってくる、そんな季節の変わり目だ。
中学の頃もこうした暇な時間というのはあったものの、共有してくれる誰かがいて、退屈することはなかった。だがここではトメが話し掛けても、トメの望むようなやり取りは出来ない。所長の霊幻新隆も所員の芹沢克也もパソコンに釘付けになっているし、事務所内を浮遊している悪霊のエクボは鼻をほじっている始末だ。世間では持て囃されがちな女子高生というブランドも、ここでは業務用に大量購入されたボールペン以下だった。まあその方がありがたいといえばありがたいのだが。
悠/芹草
DONE芹草顔面騎乗位(エッチではないもの)R18も書いてみたい
悔いはない(芹草) 勝手知ったる草太の部屋。もう自室のように寛ぎ寝転がりながらスマホを見ていた芹澤の頭上から、草太のむすっとした声がかかった。はて、と考えるが怒られる理由が無い。視線で返せば、しょうがないと言わんばかりのため息が聞こえた。
「そこ。お前の頭の上。」
「……ああ」
どうやら芹澤にではなく、本棚に用事があるようだ。くるっと視線を上に、というよりも少し反り気味に動かせば、ぎっしりと収納された本が目に入った。ごろごろしている芹澤と違って調べ物があるらしい草太は、要は芹澤にどいて欲しいらしい。起き上がるのは面倒なので、どうぞ、というように少しだけ背を床にぺったりとつけた。
「……それだとまだ邪魔なんだが。」
「俺のことは気にせずに。」
1792「そこ。お前の頭の上。」
「……ああ」
どうやら芹澤にではなく、本棚に用事があるようだ。くるっと視線を上に、というよりも少し反り気味に動かせば、ぎっしりと収納された本が目に入った。ごろごろしている芹澤と違って調べ物があるらしい草太は、要は芹澤にどいて欲しいらしい。起き上がるのは面倒なので、どうぞ、というように少しだけ背を床にぺったりとつけた。
「……それだとまだ邪魔なんだが。」
「俺のことは気にせずに。」
zhou_ssss
TRAINING初めて書いた草芹です。(とはいえ草+芹に近いかもしれない)草太が宮城から帰ってきた日の話。習作なので色々おかしなところがあるかもですが薄目で見てもらえたら嬉しいです。
おかえり 一人暮らしを始めた時、一番初めに思ったことは「気楽だな」ということだった。
扉をあけても『いってきます』も『ただいま』も言わなくていいことに安堵した。
俺が出ていく場所はいつもがらんどうで(とは言え無数の本には溢れていたけれど)、生気の薄い空洞だった。
一人分の皿に茶碗にマグカップ。生活用品は最低限で、余計なものは置かないように。
そんな風に暮らしていたのに。
「なんだよ。お前んち、なんにもないのな」
初めて俺の部屋に踏み込んできた生き物は、遠慮の欠片もなくそんなことをのたまった。
「何だよ、皿も箸も一つしかないじゃん」
「……皿は一枚だし、箸は一膳だよ」
思わずぽつんと口から零せば「誰が数え方の話をしてるんだよ……」と呆れられた。
3505扉をあけても『いってきます』も『ただいま』も言わなくていいことに安堵した。
俺が出ていく場所はいつもがらんどうで(とは言え無数の本には溢れていたけれど)、生気の薄い空洞だった。
一人分の皿に茶碗にマグカップ。生活用品は最低限で、余計なものは置かないように。
そんな風に暮らしていたのに。
「なんだよ。お前んち、なんにもないのな」
初めて俺の部屋に踏み込んできた生き物は、遠慮の欠片もなくそんなことをのたまった。
「何だよ、皿も箸も一つしかないじゃん」
「……皿は一枚だし、箸は一膳だよ」
思わずぽつんと口から零せば「誰が数え方の話をしてるんだよ……」と呆れられた。
3ka7_sk
DOODLE⚠️かなり人を選ぶ絵です※霊幻がかわいそう
※霊幻に元カレがいる
※イチャラブ芹霊が大前提で元カレ×霊幻の描写がある
※暴力描写あり
※かわいそうはかわいい、という人向けの絵
※催眠術のせいで元カレの姿が芹沢の姿に見えています 3
cicr
DOODLE【芹霊本の特典】晴好雨奇のアフターワーズ(https://ecs.toranoana.jp/joshi/ec/item/040031025837)をお手に取っていただきありがとうございます、こちらは特典のおまけ漫画になります。奥付のQRコード下にある4桁の数字をご入力ください。 5安蘭澄氏
MOURNING草芹(戸締り) 短文でもなんでもなくこういうのが見たいという妄想そ〜せりと見せかけた草←芹しぬまで片思いバームクーヘン爛れた性活エンド(好き勝手言ってるしモブに抱かれる表現もある) 516
33chop
DOODLE🚪🔑の、芹草マンガ詰め合わせです。ネタバレのような、そうじゃないような。(セリザワクンの存在自体がネタバレの気がするんですが)
お頼み申す→お返し申す
サングラス色なし→色あり
芹澤くんの髪の毛→茶色
こんな感じで、脳内補完よろしくお願いします。
※随時新しく描いたものを追加していこうかと思います 19
くまだ
MAIKINGいつの間にか消してた、続きが一向に書けない芹霊を再掲しますなんかもったいなくて(何が?)。同じアパートのお隣さんになっちゃうシチュが死ぬほど好きです。お隣さん傘の外へ踏み出してから、随分と自分の居場所というものが増えたと思う。
職場、学校、一人暮らしを始めたアパート。
それと。
「おう、おつかれ、芹沢」
「お邪魔します、霊幻さん」
俺が住み始めたアパートの隣室。一方的に想いを募らせてしまっている、自分の上司の住む部屋だ。
*******
「へえ、良いんじゃねえか、一人暮らし」
相談所の仕事を始めてから、幾度目かの春を迎えようとしていた頃。
夜間学校のクラスメイトの何人かが一人暮らしを始めると聞いて、自分も一人での生活を始めてみようかと思うようになった。
「俺、生活は母に頼りきりだったから、色々と初めてだらけにはなると思うんですけど。新しい生活で、得られることもたくさんあると思うんですよね」
1195職場、学校、一人暮らしを始めたアパート。
それと。
「おう、おつかれ、芹沢」
「お邪魔します、霊幻さん」
俺が住み始めたアパートの隣室。一方的に想いを募らせてしまっている、自分の上司の住む部屋だ。
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「へえ、良いんじゃねえか、一人暮らし」
相談所の仕事を始めてから、幾度目かの春を迎えようとしていた頃。
夜間学校のクラスメイトの何人かが一人暮らしを始めると聞いて、自分も一人での生活を始めてみようかと思うようになった。
「俺、生活は母に頼りきりだったから、色々と初めてだらけにはなると思うんですけど。新しい生活で、得られることもたくさんあると思うんですよね」