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    荒野

    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第9話「荒野を越えて」TEXT版
    ローズは慕っていたマレフィセントが自分に呪いをかけた張本人だったと知って、心乱れるまま走り去った。三人の妖精たちは、彼女を探そうとするが……。

    ※クロウリー学園長の過去話(捏造200%)連載中。このパートのインスパイア元は映画「マレフィセント」。今回は映画ネタバレ少なめで捏造多め。何でも許せる人向けです。
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第9話「荒野を越えて」 三人の妖精たちは、途方に暮れていた。
     ローズに話を聞かれてしまった上に、ショックを受けた彼女は走り去ってしまったのだ。慌ててローズの後を追ったが、彼女を見つけることは出来なかった。
     フローラが心配のあまり両手を揉み合わせながら嘆いた。
    「あの子を連れて帰らなかったら、王様がお怒りになるわ!」
     フォーナは更に恐ろしい予想を口にする。
    「ステファン王は容赦がないわ。覚えてる? あの子を私達に預けたときのこと! 『わかっているだろうな、これは妖精族の犯した罪だ。お前たちの失敗も妖精の罪となる。このことをよ~く覚えておけ!』ってね」
     ステファン王の声真似をするフォーナ、迫真の演技だ。
    「そうよね!」とフローラが同意する。
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    kemuri

    MEMO冷たい荒野に薔薇が咲きました/フロリドつまらないツマラナイつまらない。
    授業も退屈だし、寮に戻ると怒られる。木の下で寝ていようかと思ったら雑魚共の喧嘩がうるさい。睨んだら勝手に散っていったけれど、興冷めしてすっかり寝る気も失せた。
    じっとしているのも耐えられなくてウロウロと構内を歩き回ろうとしたけれど、こちらに気付いては怯えて避ける他人が煩わしいし目障り。この不機嫌があからさまに出ているせいなことはわかっているが隠す気はちっともなかった。本当に全部が全部気に食わなくて苛立っていた。
    狭っ苦しい構内を一周してしまってまた外に出る。あちこちの馬鹿騒ぎのような声が癇に障る。それでも暗く狭い屋内にいるよりはマシ。そうして歩き続けて結局体育館の方まで来てしまった。ちょうど使用時間の合間なのか運良く誰もいなかった。
    「あーーーーツマンネ」
    このぐちゃぐちゃを声を出して発散したい。したけど全く何も発散できなかったが。次の授業まで人が来ないのだし、ここで寝てしまおうと壁にもたれかかって目を閉じた。
    ガサと音がする。潜っていた意識を浮上させると目の前に人がいて一瞬身構える。
    「起きたね」
    「あ……金魚ちゃんじゃん」
    身体をこわばらせたものの 1454