愛弟子日記○月○日
ミノトさんが　今日からまいにち　にっきをつけなさいといったので　つけます
今日から　ひのえさんと　みのとさんのおうちに　おせわになります
名前はないです　しょうらいは里のハンターに　なりなさいといわれました
おわり


○月○日
ゴコクさまが　字をおしえてくれました
ヒノエさんが本をよんでくれました
れんしゅうのために　ににっきをつづけなさいと　言われました
アイルーのおいしゃさんが　まだお外であそぶのは早いといいました
つまんない
おわり


○月○日
ヒノエさんはたくさんたべるので　たべると早くよくなって大きくなるよと言われたので　まねをしたら　おなかがいたくなった
ヒノエのまねをしたらだめにゃと　アイルーの先生におこられた

Fragile「これが僕のママ。こっちが、猫のルー。この熊さんは、大きいけれど乱暴はしないんだ。こっちの綺麗な塔は、天空のお城につながってるんだよ」
　柔らかな浅葱色の草の上に、きらきら光る宝物が並んでいる。
　ヒュンケルは鬱陶しそうなふりをしながら、横目でガラス細工の行列を見やった。
「そんなもの。なんの役にも立たない。大事に取っておいてどうするんだ」
「役に立たなくないよ。僕の友達だ。君に似てるよ、銀色の妖精さん」
　少年はにっこり笑って、スライムの形のガラス玉を持ち上げた。
　擦り切れたズボンから覗く膝に、新しい擦り傷が見える。
「ママの顔は知らないけど。でも、僕の為に取っておいてくれたお人形なんだ。……旦那様には、秘密だけどね」

「（さてどうするか）」
　私は脳内で戦略を練る。陛下からバトンを受け継いだフームはいささか緊張していた。前回登板で打ち込まれてしまったから致し方ない。しかし、それが本来の実力でもないことは皆が知っている。幸いにもクリーンナップは陛下がきっちりと抑え、下位打線に入っていた。油断は禁物、だがあまりにも慎重になり過ぎては後々フーム自身が苦しくなる。フームに対してバッターが苦手としている球を要求する。彼女は頷いた。
「くそっ！！」
「（まずは一人）」
　空振り三振でアウトカウントが一つ増える。フームは大きく深呼吸した。まだ彼女は本調子でない。前回はツーアウト取ったものの、あともう一つが取れなかった。伏兵に一発を浴び、ストライクが入らなくなり四球で塁に出してしまう。悪循環から自分のリズムが崩れ、逆転を許した。普段フームは球威で押し切る陛下と違いコントロールで相手打者を翻弄している。まだ双方とも点が取れていない局面、そして前回登板で打たれた中継ぎ、フームの周りに野手が集まった。