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    近代

    bach_otamama

    DONEロキマネ+プロメテウスとカイム。
    タイトルのいろは歌は近代で仮名を覚える際にも使われたらしいので。時系列がおかしかったら申し訳ございません。罪人イベをクリアした後だと、マネージャーとロキはまだやり直せる可能性があるんだろうな、と思うのと最近プロメテウスの「感情が音色として聞こえる」特性が刺さります。
    いろは歌 字を教えてほしい。真顔で頼むロキへカイムは首をゆるやかに振った。
    「私からもお願いします!」
    プロメテウスも手を合わせる。しかしカイムは肩をそびやかした。
    「他に適任者がいるでしょう。フォラスかマルファス、フォカロルにでも頼みなさい」
    「すぐ覚えられた」
    「つまり、渡された教材が合わなかったと」
    「そうなの。さすがカイムさん!」
    感情を聞き取るプロメテウスがいては、何を言っても見抜かれるだろう。カイムは資料の資料を整理していた手を止めた。
    「ヴィータの字も読めずに来るとは。今までは……おっと、失敬。私としたことが」
    杖をくるりと回す。ロキがソロモンと契約に至った経緯はカイムも簡単に聞いている。商習慣どころかヴィータの字も読めず、契約などおぼつかなかったロキへ彼のマネージャーだったという男性が代わりに契約関連は引き受け、歌の歌詞は試奏代わりに歌って覚えさせたという。金のために嘘をついていたと聞いてはいるが、ロキのあまり相手を疑わない性格や人目を惹く美貌を考えるとむしろマネージャーのような相手にすぐ会えたのは僥倖としか言いようがない。
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