Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    邪馬台国

    mayura_BL

    PAST猛者と無敵の日記念おめでとうございます&ありがとうございます!記念に初めて書いた斎藤さんと沖田さんの話を再録します。過去から現在のカルデアへ、みたいな話で、邪馬台国の時に居ても立ってもいられず書きました。長いのでお時間のある時ご覧いただければ幸いです。
    猫の話猫の話

    「安心してよ」

     僕は自分で言っておきながら自分のこの言葉のあまりの軽薄さを思った。

    「斎藤さんが安心なんて言うとおちおち寝てられませんね」

     だから当たり前のように沖田ちゃんは笑ってそう言い返してきた。そりゃあそうだ。だけれど、彼女にはもう、昔のように適当言わないでください!なんて言って飛び掛かってくる身体的余裕も、精神的余裕もなかった。代わりにこほんと小さな咳をして、笑った。

    「でも、お任せするしかないですね、これじゃあ」

     枕元の愛刀をゆっくり振り返って沖田ちゃんは言った。

    「猫がね、斬れないんです」
    「は?」
    「黒猫。来るんですよ、庭に。でも斬れない」
    「危ないよ、そんなことしてちゃあ」

     そっと彼女が刀に掛けた手の上から、自分の武骨な手を重ねて止めようとする。止めようとしたのか、ただ彼女の手に触れたかったのか、分からない。
    2552

    5210tiya

    DONE博物館で見た幻
    (カルデアに山南さんが来ていない世界線です。邪馬台国までにかなり出来上がっている南土です。とても雰囲気小説です)
    これはとあるカルデア。

    今回聖杯が博物館にかざられているということでマスター含めサーヴァント達は博物館を探っていた。その中には土方もいた。
    隣ではしゃいでいる沖田を尻目に土方はゆっくりと歩みを進めていた。
    と、土方はある展示物が目に入りそこから目が離せなくなった。見覚えのあるふさげた埴輪。それはついこの前に戦いがあった邪馬台国の出土品だった。
    「山南…」
    いつもすれ違ってばかりだったが邪馬台国で最後にお互いの思いを打ち明けられたことを思い出し土方はふっ…と気を緩めた。
    そんなことを思いながらガラス越しに赤い手袋が触れたその瞬間、突然しん…と音が無くなった。
    気づけば周りは夜のように暗くなり、騒がしかった人々も消えマスターも沖田もいなくなっていた。先程まではなんでもなかった展示品が不気味に感じられた。
    土方は異変を感じ、原因を探ろうとした。
    「…ッ…」
    その時首元に冷たさを感じた。まるで気配がしなかったがその存在は突然幽霊のように現れた。
    「動いたら斬る」
    それは厳しくはあったがどこか優しくて懐かしい声だった。
    「山南…?」
    「やはり土方くんなんだね。まさかこんなところで会うなんて…」 2072

    うみうり

    CAN’T MAKE注意:どんな内容でも許せる人だけ読んで下さい。
    邪馬台国での芹山♀
    芹沢鴨はサーヴァントとして邪馬台国に現界した。
    まさかそこで山南敬助と斎藤一に再会するとは思ってなかった。
    二人は抵抗してくるかと思ったら、芹沢の計画にあっさり従った。
    山南は『敬助』と名乗っているが、女だ。そして芹沢に嬲られた女の一人でもある。
    現界し計画をある程度進めた夜。
    山南は斎藤に見廻りを命じた。敵対サーヴァントがいつ来るか解らない以上大事な任務だ。
    斎藤の気配が遠のいていくと山南は芹沢に抱きついてきた。
    酒で退屈を紛らわすのにいい加減飽きてきていた芹沢は久々に山南を味わった。
    山南は激しかった。
    まるで死別して現界する迄の永い時を埋めようかとする様に。

    芹沢は思い出す。己が組織に粛清された夜を。
    痛みで意識が薄れていく時、立ち去る者達の中で山南だけが泣きながら近づいて来た。そして口付けした。
    山南の唇が芹沢の血で紅を引いた様になっていた。そこで芹沢の意識は途切れている。

    芹沢は問うた。俺にとどめを刺したのはお前だな?と。
    山南の動きが止まる。青ざめるてるかと思いきや、山南は芹沢に顔を埋めながら言った。
    愛しい人を身狭苦しい者達に盗られたくなかったので。と言いながら芹沢の 998