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    風景

    akanekokinoko

    DOODLEいただいたコメントに刺激されて浮かんだ風景を文章にしてみたもの。
    何気ない日常の一コマ。




    最後の一行、決戦前の時間軸だと思って読むと、少し違った見方ができるかもしれません。
     ちり、と小さな音がした。
    その音に促されるように目を開けば、ちらちらと踊るように揺れる梢が見える。
     休憩がてら心地良い木陰で寝転んでいたら、そのまま眠ってしまったらしい。暖かい陽気、心地よい風。絶好の昼寝日和なのだから仕方ない。
    ざあっと音がして、木の葉が数枚飛んでいく。
    少し風が出てきたようだ。先程の小さな音は、幹に立てかけておいた儀礼剣の紐の色石が立てた音だったのだろう。
    「スレイ?」
    風のようにそっと呼ばれ、スレイは声の主を見上げて微笑んだ。
    「あ、おはよ、ミクリオ」
    「おはようって、昼寝してたのに」
     呆れたように言って、ミクリオは立ち上がる。
    華奢な手が差し出され、その手を握って立ち上がれば、ミクリオがくすりと笑って手を伸べた。
    「髪。葉っぱがついてる」
    「え、うそ、どこ?」
    「じっとして」
    細い指が耳を掠め、髪に絡まった葉を掬う。ミクリオはそれをくるりと一度指で回して、柔らかく吹いた風に手を離した。
     ふわり、と舞った葉と揺れた浅葱色の服、木漏れ日を受けてきらきらと輝く銀青色の髪。
    現実離れした美しさ。それはまるで――青い青い空に、溶けて行こうとしているように思えて。
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    りった

    MEMO天気と窓と自宅と楽器と作曲風景。
    轟!ブラックライトタイガーで描きたい、見てみたいメモ。
    描きたいメモ【雷雨と普通の虹】

    ★悪天候でバンド練習を延期にした日の、轟!ブラックライトタイガー。

     その日は朝から豪雨に見舞われている。空を重い黒色の雲が覆い、雨の音が、閉めきった窓越しに聞こえてくる。
     やがて雨粒が窓を強く叩き、雷鳴が響きだす。雲と雨の境目が判らなくなり、それが遠くの高層ビル群を飲み込んでいく。

    ・白虎くんは病室の窓からそれを見る。彼は病院からの脱走を諦める。
    ・雷が少し苦手なドンさん。ギターに触れられない苛立ちと雷のせいで、なかなか寝付けない白虎くん。却って楽しむ黒秋くん。気にせず快眠の光さん。

    ・真っ暗な夕方、外は大雨。室内でベースを触りながら編曲作業をする黒秋くん。机にあるのは新曲の楽譜、おやつが少しと、飲みかけのマグカップ入りのコーヒー。すでにミルクで真っ白。
    ・雷鳴と競いドラムを叩くドンさん。真夜中の自宅スタジオにて。アドリブで二時間ほど、がむしゃらに演奏し続ける。雷鳴を掻き消そうとするうちに、やがて恐怖も消え去る。
    ・病室の窓のカーテンをそっと開け、白みゆく空を眺める白虎くん。窓を開けると看護師さんにばれそうなので開けない。
    ・雨上がりの薄明の 2516

    pluto__iv

    DOODLE夢腐 琥鴞くんと無惨様が散歩して言い争いする話。

    鬼って悪天候の昼間なら出歩けるっぽいねって趣旨で、風景と無惨様に見惚れる琥鴞くんを書く…はずだった!

    色々と至らない書き散らしだけど、お蔵入りさせるよりは後々修正することにして投稿してしまえの精神。

    補足
    山茶花は花弁が一枚ずつ散る。椿は花の付け根から丸々落ちる→処女喪失や頸切りの比喩だった気が…(うろ覚え)。今回は後者。
    落椿無惨様と琥鴞君のお話は
    「冷たい風が頬を刺す」で始まり「あんまり綺麗で、目頭が熱くなった」で終わります。
    #こんなお話いかがですか #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/804548

    ※指定された台詞で終わりません
    ※結構真面目です







     冷たい風が頬を刺す。庵を離れて半刻、琥鴞こきょうは早くも提案を後悔した。「こうも吹雪いているならば、陽の光なぞ地上に届きはしない。少し外を歩かないか?」そんな発言を取り消したい。屋内暮らしの長かった琥鴞こきょうは、自然の猛威を知らなかった。笠も靴も持たない二人は、真っ白な雪道を薄着で進んでいた。雪は幾分穏やかになったものの、耳元で唸る風が邪魔で、とても静かな散歩とは行かない。数歩先を行く無惨は何の表情も浮かべず淡々と歩いている。
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