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    2月7日

    百合菜

    DONE有梓の「そうだ、カレーを作ろう!」

    2021年2月7日に開催された遙か7の天野七緒中心WEBオンリーで「エアスケブ」を書きました。
    そのとき、幸村×七緒で「炊事をするふたり」というリクエストをいただいたのですが、有梓バージョンも浮かんだので勝手に書いてしまいました^^;

    下宿に滞在中の梓。今日は管理人さんが不在ということで夕飯は自分たちで用意することに。
    そこで有馬とカレーを作るが……
    「高塚、何か食べたいものがないか」
    探索の途中に有馬が訪ねてきたのは秋の風が吹き始めた頃。
    そういえば、梓は朝、管理人に言われたことを思い出す。
    今日は用事があるため、夕食を用意できないことを。
    「うーん」
    梓は少し考え込む。そして思い出す。久しぶりにカレーが食べたいと。
    夏の間は汗をかくため避けてきたが、そろそろあの辛さが懐かしくなってきた。
    ただし、おそらく作るのは自分になるであろうが。
    「カレーを食べたいです。有馬さん」
    そう答えると、有馬も何やら思案しているようだった。
    「カレーか……」
    すると、次の瞬間、意外ともいうべき答えが返ってきた。
    「カレーなら作ったことがある。一緒に作ろう」
    「ええ!?」
    「なんだ、その声は」
    梓の態度が不満だったらしい。
    有馬は不服そうに梓を見つめてくる。睨みつけてくるといった方が正しいのかもしれない。
    「有馬さん、カレー、作ったことがあるのですか?」
    「悪いか」
    ちょっと不貞腐れたかのようにそう答える。
    「いえ、意外過ぎて」
    「軍人たるもの、いつ戦場に出るかわからない。そのため、料理のたしなみくらいはある」
    そう言われて梓は納得する。
    梓のいた世 2212

    百合菜

    DONE幸七の「そうだ、カレーを作ろう!」
    2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」でいたものです。

    リクエストは「炊事をする幸七」。リベンジバージョンです。

    天野家にやってきた八葉に提供するためカレーを作ることになった七緒。
    幸村もそこに手伝いに来るが、七緒はあるひとりの存在を思い出してしまい……
    「この人数でご飯となればやっぱりカレーかな」
    何度目かになる八葉一同による天野家の訪問。
    時間も遅いため、今日はここで過ごし、明日戦国の世へ戻ることにした。
    そんな中、五月と七緒の兄妹は台所で頭を悩ませている。
    七緒を含めて9人の大所帯。
    多少の買い置きはあるが、9人分の食事をいっぺんに用意するとなればメニューは限られてくる。
    「そうだね、それが一番手っ取り早いよね」
    五月の提案に七緒は頷く。
    煮込むのに多少は時間が掛かるが、天野家にある食材でできるものとなれば、カレーが一番早い。
    食べ盛りのものや体格のいいものばかりのため、ルーひと箱で済むかという不安もあるが、仕方がない。足りない場合は買い置きの冷凍コロッケでも出そう。
    七緒がそう考えていると、五月が米を取りにいくため台所から出ていく。

    すると、入れ替わり台所に入ってくるものの気配が。
    「姫、何か手伝いましょうか?」
    爽やかな笑みを浮かべながらそう話しかけてくる。
    なぜだか最近その笑みを見ていると胸が苦しくなるのを感じるが、七緒はあえて気がつかないフリをしている。
    たぶん、これは気がついてはいけない種類の感情だから。
    「あ、幸村さ 2299

    百合菜

    DONE2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」で書いたものです。
    遅刻となってしまい、申し訳ございません。
    リクエスト内容は、「空を見る二人」。

    5章をイメージして書きました。では、どうぞ。

    ※ゲームを見返すエネルギーがないため、取り急ぎ「荘園」という言葉を使いました。
    後日見返して訂正します。
    「若様、姫様、そろそろ休んだらどうだい?」

    その日、七緒は幸村とともに真田家の荘園の見回ることとなった。
    富士で呪詛返しを受けたため、現在、七緒は信濃でゆっくりと療養している。幸い身体の調子は戻ってきており、再度の富士登山に向けて体制を整えているところであった。

    見回りと言っても幸村はただ視察するだけではなく、農作業に加わる。
    故郷を離れていた時期が長いため、民とともに田畑の手入れを行うことが何よりの喜びだと話す様子が七緒には印象的だった。
    幸村には「姫は木陰で休んでいてください」と言われるが、周りのものがあくせく働いているのを見ると申し訳ない気持ちになる。それに幸村が生まれた土地のために汗水を流しているのだから、少しでもいいから力になりたい。
    そう思って七緒もともに身体を動かしていたのだが、思っていた以上に時間が経ったらしい。
    太陽はいつの間にか空の一番高いところまで上り、強い日差しが七緒と幸村を照らしていた。
    「せめてものお礼に」と言われて差し出されたおむすびを七緒は口に頬張る。
    塩でシンプルに味付けされたものだが、空腹の身にはそれが却っておいしく感じる。

    ふと何気なく七緒は 1602

    百合菜

    DONE2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」で書いたものです。
    リクエスト内容は、「突然の雨に人気の少ない場所で雨宿り」。

    幸村8章から終章の間をイメージして書きました。
    広い大地の間を割くように閃光が走る。
    そのことに気がついた次の瞬間、激しい音とともに地面を叩きつけるような大粒の雨が降り出す。

    「姫、こちらへ!」

    突然の大雨に驚き、身動きがとれなくなった七緒を幸村は強く手を引いていく。
    バランスを崩しかかった七緒であるが、幸村に後れを取るまいと体勢を整え、走り出した。

    「ここなら大丈夫ですね」

    そう言って幸村が連れてきたのは廃屋と思われしき建物の軒下であった。
    周りを見渡すとかつては田畑だったのかもしれないが、すっかり荒れ果てた土地となっており、草木が無造作に生えるだけであった。

    「兄さんや大和は大丈夫かな……」

    今、幸村たちは上田から九度山への長い旅路の最中。
    五月や大和は先発隊の一員として先を行っているが、この雷雨には当たっていないだろうか。
    そう不安に思う七緒であったが、幸村は七緒に笑みを向けて話す。

    「五月たちであれば、そろそろ宿場町に到着するので、大丈夫かと思います」

    五月たちが雨に当たる可能性が低いとなれば、考えるのは自分たちのことだけでいい。
    そう思うと少しだけ安堵する。
    だけど、逆に考えれば、五月たちにしてみれば、自分 1289

    百合菜

    DONE2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」で書いたものです。
    リクエスト内容は、「はっさくを食べる二人」。

    本当は、「探索の間に、幸村と七緒が茶屋でかわいくはっさくを食べる」話を書きたかったのですが、実際に仕上がったのは夏の真田の庄で熱中症になりかかる七緒ちゃんの話でした^^;

    ※スケブなので、無理やり終わらせた感があります
    「暑い……」

    七緒の口から思わずそんな言葉が出てきた。
    富士に登ったものの、呪詛返しに遭い、療養することを強いられた夏。
    無理ができない歯がゆさと戦いつつも、少しずつ体調を整えるため、その日、七緒は幸村の案内で真田の庄をまわっていた。

    秋の収穫を待ちながら田畑の手入れを怠らないものたちを見ていると、七緒は心が落ち着くのを感じる。
    幸村を育んだ土地というだけに穏やかな空気が流れているのだろうか。ここにはいつまでも滞在してしまいたくなる安心感がある。

    しかし、そのとき七緒はひとつの違和感を覚えた。
    呪詛とか怨霊の類ではない。もっと自分の根本に関わるようなもの。
    おそらくこれは熱中症の前触れ。
    他の土地よりは高地にあるため幾分和らいでいるとはいえ、やはり暑いことには変わりない。
    七緒の変化に幸村も気づいたのだろう。
    手を引かれたかと思うと、あっという間に日陰に連れていかれる。
    そして、横たえられたかと思ったその瞬間、七緒は意識を失っていた。


    水が冷たい。
    そう思いながら七緒が目を開けると、そこには幸村のアップの顔があった。
    「姫、大丈夫ですか?」
    そう言いながら自分を見つめる紫の瞳 1386

    百合菜

    DONE2021年2月7日に開催された天野七緒中心WEBオンリーで実施した「エアスケブ」で書いたものです。

    リクエストは「炊事をする幸七」です。
    ……が、実はこれは没案の方です。
    (それを先に書く私も私ですが^^;)

    そもそも「炊事」とは何なのかとか、買い物で終わっているじゃない!という突っ込みはあるかと思いますが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
    「姫様、こちらは何ですか?」

    何度目になるかわからない八葉たちによる令和の世の天野家の訪問。
    さすがに慣れてきたのか、八葉の者たちは早速手洗いを利用したり、リビングでソファに座りながらテレビを見たりするなど、思い思いのくつろぎ方を見出すようになった。
    その中で、七緒と五月、そして武蔵の三人は八葉に茶と軽い食事を出すために台所へいた。

    「これは、電子レンジって言うんだ」
    「でんし…れん……じ、ですか?」

    水道水の出し方や冷蔵庫の扱いには慣れてきた武蔵であったが、台所の片隅にある電子レンジの存在は使ったことがないこともあり認識していなかったらしい。
    七緒もそのことに気がつき、武蔵に説明する。

    「うん。説明するより、実際に見てもらった方がいいと思うから、使ってみようか」

    そう言って七緒は冷凍室から冷凍ピザを取り出す。
    そして、慣れた手つきで袋を開け、さらにピザを乗せていく。
    数分後、軽快な電子音が鳴り響き、そしてレンジの扉を開くとトマトソース匂いが台所に広がっていく。

    「ほお、相変わらず神子殿の世界にあるものは興味深いね」
    「そうですね、兼続殿」

    そこに現れたのは兼続と幸村のふ 2359