陣営B（地球政府）FRAME
握野英雄
フレーム小艦隊リーズナー部隊隊長。大尉。リーズナーによる持久戦を可能にする特異な指揮官。
搭乗機はスリーブレス。現存機の中で最長の単独行動可能時間を誇る、専用カスタム機。

木村龍
信玄の副官。少尉。司令部の弟的存在として可愛がられている。身体能力は高く、元々はリーズナーパイロット候補生だったが彼の乗る機体には何故か不具合が多発したため、異動となった。

信玄誠司
地球軍第8艦隊旗下、フレーム小艦隊司令官。大佐。高い守備力に定評がある。元リーズナーパイロット。


神速一魂
紅井朱雀
フレーム小艦隊所属リーズナー部隊01小隊長。准尉。士官学校の課程を実技科目の成績の良さで乗りきった。
搭乗機は爆炎。近接戦闘向きのパワータイプ。

陣営A(辺境惑星域)Jupiter
天ヶ瀬冬馬
近接戦闘が得意なエースパイロット。Jupiter小隊隊長。本人からの入隊時申告では父子家庭だが、出生に不明な点がある。
搭乗機は特別開発機ラクシャーサ・オルタ。開発者不明、パイロット適合者が冬馬のみという謎の機体。数値上、冬馬よりもパイロットとしての技能が高いはずの雨彦、秀、百々人も動かすことができなかった。

御手洗翔太
14歳でパイロットとなった天才少年。高速移動、一撃離脱戦法を得意とする。年齢にそぐわない冷静さがあり、Jupiterの二人を大切に思っている。
搭乗機はエバーグリーン。ムーサ型に可変式カスタムを施した高速機。

伊集院北斗
長距離砲撃が得意な人当たりの良い青年パイロット。戦争の犠牲になった家族の復讐のために戦っている。右手は義手。

　フェルディナントはクロードと同い年だ。あの年の生まれの特徴なのか好奇心が旺盛で素直で渇いた海綿が水を吸うように物を覚えていく。先程フレンやクロードに見せた仕草も兵士たちから教わったのだという。

　彼は共にいると気持ちが良い人物でローレンツは今も昔もフェルディナントのことが大好きだ。忌まわしかったミルディン大橋を乗り越えようやくアンヴァルまで辿り着いた。フェルディナントが出撃するというなら共に戦い以前は目の前で死なせてしまった彼をこの手で守りたい。そう考えてローレンツはベレトに彼と同じ部隊にして欲しいと志願した。ローレンツにとってクロードの死は実感がない。きっと見ていないからだろう。やり直しの機会が与えられたローレンツは理論よりも感情や身体感覚の方を優先させてきた。理詰めの行動ゆえに死に追いやられた経験が無意識にそうさせるのだろう。

楽園ではすべてがうまくいく　夏が好きだった。昔からずっと。
　小学生にとって、夏ってのは楽園の象徴みたいなものだろう。蝉時雨に後押しされた大きい笑い声。焼けるような日差しから逃れるように飛び込んだプールに満ちた塩素の匂い。学校の授業なんかなくて、一日中遊んでいられたあの日々は姿が見えないほどごちゃごちゃにこんがらがって、幸せの形に固まっている。中身なんかはわからない、漠然とした光だ。
　高校生になると、夏に対しての意識は変わる。夏の好きなところ、問われたとして俺は言葉が出てくるんだろうか。
　楽園はおしまい。蝉時雨はただうるさいだけだし、日差しはランニングのじゃまになる。手に届かない積乱雲と、一滴一滴に嵐を内包した激しい雨。そして、幼い頃はただ美しかったはずの、切なさを引き連れてくる花火。