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    6月

    しんした

    PROGRESS6月七灰原稿進捗。
    生存if七灰が南国の海でウェディングフォトを取るお話。
    冒頭に全てが集約されています。

    ※推敲していないので諸々ご了承ください。
    6月七灰原稿進捗①.





    眩しい太陽。真っ白な砂浜。どこまでも続いていそうなエメラルドグリーンの海。
    その中で満面の笑みを浮かべる、この世界で一番、愛おしい人。
    もし天国なんてものがあるのなら、こんな場所なのかもしれない。
    そんな馬鹿なことを考えてしまうくらい、いま目の前にある光景は美しくて、穏やかで、幸せに満ち溢れていた。
    彼の名前を口にして、こちらを向いた彼の額へ唇を寄せてみる。いつも降りている前髪がふんわりとセットされていて、普段明るい陽の光の下ではあまりお目にかかれないまん丸な額が露わになっていて、なんだか無性にキスをしてみたくなったからだ。
    唇を離していくと、くすぐったそうに大きな傷のある頬を緩ませた彼が背伸びをしてきた。きっと同じことをしようと思ってくれたのだろう。彼の厚意へ従うように、ほんの少し身を屈めてみる。ただ、せっかくなら別のところへキスをしてほしいな、と。そんなささやかな願望が心に浮かび、彼の腰に腕を回して、ぐっ、と力を込めてみた。
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    asano5han

    PROGRESS6月に行われるGSMBでお出ししたい兄弟の過去捏造本の進捗です。幼少期〜はば学入学に至るまでを描きたいと思っています。
    とりあえず、ADVのような一人称視点のこんな雰囲気の本、出した〜い!!
    ケツ叩きの意味も込めて公開します。
    多少推敲しましたが、まだベタ打ち状態なので文章色々おかしいです。すみません。
    進捗サンプル 人間は、嫌な記憶の方が鮮明に残りやすいらしい。どこかで、そんな話を聞いたことがある。
     だから、だろうか。
     ルカが家に来た日のことは、今でもよく覚えている。
     
     黒いランドセルを背負い、俺の両親に付き添われ玄関に佇む幼いルカは、俯きがちに申し訳なさそうな顔をしていた。
     シン……と静まり返った玄関は、扉一枚を隔てて外の世界から切り離されてしまったように、冷たくて重い空気が漂っていた。
     ほんの数秒前、扉が開いていた時に見えた外の世界は、春の日差しが地面を暖かく照らしていた。柔らかな風が木の葉を揺らし、遠くから小鳥の鳴き声が聞こえてくるような、そんな麗らかな景色が広がっていた。
     それなのに。扉を閉めただけで、ここだけがその世界から取り残されたみたいに重く、重く、沈んでいる。まるで誰かが泣いたあとみたいな、冷たい空気だった。
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