psycho
yuu
MAIKING最近PSYCHO-PASSを支部で漁りまくってる・・・ちょっと感化されて書いたクロスオーバー作品。
注意
・転生
・クロスオーバー
・暴力表現・流血あり
コナンとPSYCHO-PASSのメンツを絡ませたものです。
まあ、メイン的には狡朱を書きたかったゆえにできた作品です。よかったら見てください。 6274
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TRAINING12/17ワンライお題【断れない・飛行機】
花城の命令により捜査で夜飛行場に行った狡宜が、行動課に帰るまでのお話です。
キスを送る 俺たちは花城の命令を断れた試しがない。それは彼女の強引さによるものものも大きかったが、俺たちが、いや俺がどうも彼女に弱いところがあるのが原因のように思える。今夜薄暗い中もこうやって飛行場で飛行機が飛ぶのを見上げながら殺人事件の捜査にあたっているのも、そもそもが俺が彼女の命令を断りもせず(それが公安局に捜査権があったとしても、だ)、しずしずと車を駆ったのが理由の一つだった。
今回、高濃度汚染水で溺死した男の捜査にあたったのは、彼が外務省の職員だからだった。公安局に任せればいいものを、もし彼が担当していた事件の秘密が漏れてはまずいと、上層部が花城に声をかけたのである。そういうことならば、彼女も俺と同じで、上の命令を断れない人種なのだろう。それがいいのかどうかは分からないが、そういう性質を持つということだけは確かだった。
2661今回、高濃度汚染水で溺死した男の捜査にあたったのは、彼が外務省の職員だからだった。公安局に任せればいいものを、もし彼が担当していた事件の秘密が漏れてはまずいと、上層部が花城に声をかけたのである。そういうことならば、彼女も俺と同じで、上の命令を断れない人種なのだろう。それがいいのかどうかは分からないが、そういう性質を持つということだけは確かだった。
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TRAINING2022年宜野座さんお誕生日おめでとうSSです。パーティーを開いてもらって遊ぶお話です。
お誕生日おめでとうございます!
in the room 欲しいものを欲しいと言えたのは、父がまだ俺の元にいた頃のことだ。あの人が去ってから、俺は心から何かを求めることがなくなってしまった。誕生日を祝う会を催すと花城に言われた時、暗に欲しいものを聞かれて、俺はとっさに何も答えられなかった。欲しいものはなかった。ずっと、父がいなくなってしまってから、俺に欲しいものはなかった。あの人が帰ってきて、母と一緒に暮らせるのなら、他には何もいらなかった。だが、それは幼い頃の幻だ。絶対に叶うことのない、ゆめまぼろしだった。
「酒、進んでないじゃないか」
花城が借りたらしい、薄暗いホテルの一室の中で、馬鹿高いウィスキーを片手に狡噛が言う。昨日までの任務の疲れからなのだろうぼんやりとしていた俺は、それにすぐに答えられず、手に持ったやはり樽の香りが芳ばしいウィスキーのグラスを無意味に揺らすだけだった。
2802「酒、進んでないじゃないか」
花城が借りたらしい、薄暗いホテルの一室の中で、馬鹿高いウィスキーを片手に狡噛が言う。昨日までの任務の疲れからなのだろうぼんやりとしていた俺は、それにすぐに答えられず、手に持ったやはり樽の香りが芳ばしいウィスキーのグラスを無意味に揺らすだけだった。
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TRAINING11/19ワンライお題【上司・録音】
縢くんと仕事終わりに喋ってる狡噛さんが、佐々山のことを思い出したり、宜野座さんとのことを考えている執監です。
過去と終わり ギノが俺の上司になったのは、全てこちらの至らなさによるところが大きい。もし俺が執行官堕ちなどしなければ、彼はいつまでも同僚であり、親友であり、恋人であっただろうから。それでも、そんなに大切な人と思っていたくせに、譲れないものがあると彼を苦しめたのは他でもない俺だった。情けないことだ、あれだけ愛していると言ったくせに、俺はかつての部下だった、憧れてやまなかった、刑事らしい刑事であった猟犬が残した事件に今も夢中になっているのだから。犯人という亡霊に夢中になっているのだから。
しかし、それでも、ギノの鋭い視線を受ける度に、こちらを傷つけているように見えるくせに自分が傷ついているあの視線を受ける度に、俺はどうしてもあの本当の自分を見せずに生きている彼を愛おしく思うのだった。狡噛、狡噛と俺の名を呼んでくれたあの青年のことを、自分が取りこぼしてしまったものの大きさにおののくのと同時に、彼の秘めた優しさを愛おしく思うのだった。
3758しかし、それでも、ギノの鋭い視線を受ける度に、こちらを傷つけているように見えるくせに自分が傷ついているあの視線を受ける度に、俺はどうしてもあの本当の自分を見せずに生きている彼を愛おしく思うのだった。狡噛、狡噛と俺の名を呼んでくれたあの青年のことを、自分が取りこぼしてしまったものの大きさにおののくのと同時に、彼の秘めた優しさを愛おしく思うのだった。
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TRAINING11/05ワンライお題【文化祭・縁】
何十年かぶりに復活した文化祭で映画を見る狡宜のお話です。
the plup クラブ活動すらない現代の高等課程で、その目玉のような学園祭を復活させようという動きは、どういうわけか数年に一度起こるのだという。それは考査に向けて忙しい生徒を除いての話らしいのだが、まだ人生の全てを決めるそれには関係のない俺も、やはりというかなんというか、皆で一つの何かを成し遂げるという行事には興味が持てなかった。
けれど、狡噛はそうではなかった。そして学年の中心にいる狡噛が心動かされるものには、みんなが心動かされたのだ。
結果的に狡噛を含めた数人が動き、教師の黙認のもと、文化を尊んだらしい秋のこの時期に、シビュラシステムに違反しない限りで前世紀のそれを模倣することになった。とはいえ、それらはフードプリンターで作った菓子を喫茶店方式で売るとか、不用品を持ち寄ってバザーをするとか、芸術家志望の学生が記念にコンサートをするとかの、ごくごく気楽なものだった。もちろん公式の行事ではないため参加しないでも許されたから、俺はその日を勉強に充てることにした。図書室にはそんな生徒も多くいて、だから俺はあの特別教室の中で浮かなかった。外のざわつきは気になったけれど、集中すればすぐに忘れてしまった。忘れたかったのもある。皆に囲まれている狡噛を見るのが、少しつらかったのもある。でも、そんな俺を連れ出した人間がいた。もちろん、狡噛である。俺のたった一人の友人で、親友で、縁があってつい最近恋人になった男が、また俺を外に連れ出してしまったのだ。
3562けれど、狡噛はそうではなかった。そして学年の中心にいる狡噛が心動かされるものには、みんなが心動かされたのだ。
結果的に狡噛を含めた数人が動き、教師の黙認のもと、文化を尊んだらしい秋のこの時期に、シビュラシステムに違反しない限りで前世紀のそれを模倣することになった。とはいえ、それらはフードプリンターで作った菓子を喫茶店方式で売るとか、不用品を持ち寄ってバザーをするとか、芸術家志望の学生が記念にコンサートをするとかの、ごくごく気楽なものだった。もちろん公式の行事ではないため参加しないでも許されたから、俺はその日を勉強に充てることにした。図書室にはそんな生徒も多くいて、だから俺はあの特別教室の中で浮かなかった。外のざわつきは気になったけれど、集中すればすぐに忘れてしまった。忘れたかったのもある。皆に囲まれている狡噛を見るのが、少しつらかったのもある。でも、そんな俺を連れ出した人間がいた。もちろん、狡噛である。俺のたった一人の友人で、親友で、縁があってつい最近恋人になった男が、また俺を外に連れ出してしまったのだ。
haishima_ryo
PAST蘭カミュレンでPSYCHO-PASSパロ。レン編だけ公開しています。
全文読みたい方は
ピクスペ
https://pictspace.net/items/detail/327156
【蘭カミュレン】トリニティースター 朝露に濡れた葉がささやかな風に揺れ、葉先から雫を垂らす。
土に根付いた幹の表面は、微かな木漏れ日を反射させスパンコールを纏ったように煌めいている。
時折、木々達の葉が囁く。
苔むした匂い、腐葉土の香り、澄んだ空気を肺に送る。
神宮寺レンは、鼻歌を奏でているときだけ森の中に居た。
手には鋼鉄の中に潜む《神託の巫女》が握られていようとも、レンの精神は夜が明けたばかりの森の奥へと誘われるのだ。
歌はいい、こんなにも心安らぐ。自分だけの居場所を作ってくれる。
たとえ法に否定されようとも。
《シェパード1からハウンド5へ。もうすぐ積み荷の確認がとれる。……聞いておるのか》
無線から流れる荘厳な声によって、レンの意識は精神の森から腐敗臭のするスラムの路地裏へと引き戻された。
12679土に根付いた幹の表面は、微かな木漏れ日を反射させスパンコールを纏ったように煌めいている。
時折、木々達の葉が囁く。
苔むした匂い、腐葉土の香り、澄んだ空気を肺に送る。
神宮寺レンは、鼻歌を奏でているときだけ森の中に居た。
手には鋼鉄の中に潜む《神託の巫女》が握られていようとも、レンの精神は夜が明けたばかりの森の奥へと誘われるのだ。
歌はいい、こんなにも心安らぐ。自分だけの居場所を作ってくれる。
たとえ法に否定されようとも。
《シェパード1からハウンド5へ。もうすぐ積み荷の確認がとれる。……聞いておるのか》
無線から流れる荘厳な声によって、レンの意識は精神の森から腐敗臭のするスラムの路地裏へと引き戻された。