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    なすの

    last_of_QED

    DONE「好きなもの」のことぐらい、わかるから。
    【ボーナスゲージ!】ヴァルバトーゼ閣下とフェンリッヒ、それからボーナスの話。全年齢。
    ※文字書き遊びのためにプロットをユスノキさん(Twitter ID:@arufurato)よりいただき書いたものです。記録用にupしておきます。
    【ボーナスゲージ!】 小気味良くノックをすれば聞き馴染んだ声で「入れ」との返答。扉を開けると、そこには複数匹のプリニーが行儀良く列をなして自分の番を今か今かと待っている。一体何がどうなって、我が主のそう広くない部屋にプリニーどもがみっちりと詰まっているのか。

    「閣下、これは一体……」
    「こやつらを表彰してやろうと思い立ってな。優秀な者は評価されて然るべきだ」
    「なるほど、それで『イワシを準備しろ』と仰せでしたか」

     フェンリッヒはようやく状況を理解する。それならそうと「プリニーへの褒美としてイワシを準備しろ」ともう一言、付け足してくだされば良いものを。主人の言葉足らずにそんな気持ちを抱いたのも束の間、罪人であるプリニーにさえ褒美を与えんとする精神性に「さすがは我が主」と胸の内で独りごちる。過去に犯した罪が消えることはない。けれど今なされる行いは善きものとして認めてやる。これが出来る者が果たしてこの世にどれだけいるだろうか。
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