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    ほのか

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    DOODLEセオドア・モルスとソフィア・アンブロージア・モルスのはじめましての話。
    ちまちま書き足すと思われる。


    よあけほのかのこ
    夜明仄かの子XXth September 1995
    我らが親愛なる明けの君、セオドア・アンブロージア・モルス様

    夏も過ぎ、空に牡牛座の輝く季節となりました。
    叔父上はいかがお過ごしでしょうか。

    我らが新たに先祖の祝福を受けた子を授かり2年となります。
    来年の春、湖水地方を望むカントリーハウスにて、3歳の誕生日の祝賀会を行うこととなりました。
    ご出席いただける場合は、絵葉書で構いませんので返信をいただけると幸いです。

    それではお待ちしております。

    敬具
    エリック・モルス



    「……ハァ」
    「どうしたのテオ、そんなに封筒を開いたり閉じたりして」

     大法典の教育機関である、アーデンの森に囲まれた魔法学校「学院」。
     その教員用の研究室の一つで、物理天文学を主に担当している魔法使い、セオドア・アンブロージア・モルスは二人掛けソファにもたれかかっていた。指先では今朝方届けられた手紙を弄んでいる。それを尻目に、対面のソファでチェスの駒をいじっているのもまた、学院で教鞭を執る魔法使い、人の世の名前で遊馬柊であった。手慰みにラジオから聞こえるチェスの試合を盤面上で再現していたものの、ゲームクロックを叩く合いの手かのようなため息に質問を投げてみることにした。
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    かのう

    DONE无限を(物理的に)食べたい小黑の話です。
    注意:ほのかに香る程度のカニバリズム表現があります。そういう話がダメな人はご注意ください。(食べてません)
    无限を食べたい小黑の話 つきり、と指先に走った痛みに、无限は密やかに眉根を寄せた。ここ数日で、慣れてしまった痛みだった。
     適当に入った店で空腹を満たし、満足げに息を吐く久方ぶりの弟子の頬についた包子の欠片をとってやった後だ。視線の先では小黑が无限の手を取り、その指先を小さな口に含んでいる。まるで菓子でも食べているかのようにもぐもぐと一心に口を動かしている様はとても愛らしいのだが、如何せん口に含んでいるのが无限の指だ。甘噛みのようなもので傷はついていないのだが、歯が食い込む度にじわじわと鈍い痛みがある。
     小黑のこの行動は、最近の无限の悩みの種だった。一番最初は確か、滞在先のホテルでだったように記憶している。シャワーを浴びて埃を落とし、さぁ寝ようかとベッドで横になっている无限の耳を小黑が齧ったのだ。その時の小黑が子猫の形をしていたものだから、まぁそんなこともあるだろうと流してそのまま寝てしまったのは、今思い返すと我ながら大雑把が過ぎたと反省している。何せ翌日、人の形をした小黑に腕を齧られてしまったのだから。
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