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    藍(lhk_wyb)

    DONEお題『婚礼』
    〜 これまでのあらすじ 〜
     閉関を解き、療養目的で三月ほど蓮花塢に滞在した曦臣が江澄と紆余曲折を経て、無事に付き合うこととなり、浮かれて先走った曦臣が、姑蘇へ帰る際、世話になったお礼の品として、婚礼衣装用の赤い布を江澄に贈ったのがことの発端。さて、初心な二人はどうなったのか。
    紅を隠す雲 曦臣と江澄が付き合い始めて早数年。付き合い初めの頃は互いに忙しくなかなか会える時間もとれず逢瀬にも苦労があったが、それも今となってはいい思い出だ。そしてあの時江澄がもらった婚礼衣装用の赤い布も当時のまま引き出しにしまってある。もちろんそのままでは虫に食われてしまう可能性もあるので、保存のための術がかけてある。江澄はその布がしまってある引き出しをたまに開けてはひと撫でして閉める。この布を見るたびに江澄は曦臣との婚礼を想像しては、その光景の中心に自分がいる幸せを噛み締めていた。
     金凌も宗主としてだいぶ動けるようになったし、もういい加減暗殺の心配もなくなり、金家内部も安定してきた。江家は他の仙門に比べると新規門弟も多く、いつも賑わっている。藍家は曦臣が閉関を解いてすぐは、規模こそ小さいが野望だけは大きい仙門が、この機会に取り入ろうと復帰したばかりの曦臣をこぞって訪ねた。おかげで曦臣と江澄は逢瀬の時間をほとんど取れず互いにやきもきもしたが、その時に曦臣を訪ねてきた便乗仙門は、この数年で統合なども含めほとんどが消え去った。そして知らぬ存ぜぬの三不知・聶懐桑の聶家は、江家ほどではないが入門者が以前より増えていた。懐桑がただの三不知ではなかったことを聞きつけた者たちがこぞって聶家の門を叩いたからだった。
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    未月玲音

    PROGRESS不夜天での温氏討伐後、の含らIF
    一人で何でも抱え込んでしまった魏無羨が、人を頼っていたらなもしも物。
    陰虎符をすぐに破壊しないと駄目だと思った先、頼ったのは「姑蘇に帰ろう」と呼び掛けてくれた藍忘機だった。江澄にも許可(というより宿題出されて追い出された)もらって、本格的に陰虎符破壊を共同作業する話。
    金丹に出来たらいいなぁなやつ
    姑蘇在住の夷陵老祖(途中)射日の戦後暫くして各仙門立て直しへと向かう中、雲深不知処に突如として夷陵老祖として名を上げた魏無羨が訪ねてきた。結界を守る姑蘇の門弟の前に立ち腕を組んで背を伸ばし小さく笑ってみせるとこう告げる。
    「含光君へ伝えてくれ。言われた通りに姑蘇に来てやったぞ、と」
    戦の中藍忘機が彼に投げかけた「姑蘇に帰ろう」を魏無羨は果たしにきたのだと。
    すぐさま伝令が走り藍忘機は規則である雲深不知処では走らない、と守りつつも早歩きで入口である門へと急いだ。魏無羨は指先で髪を弄って暇を潰していたが、藍忘機の姿を見ると目を弧にして真っすぐ見つめた。
    喜びと疑問の半々の気持ちの中出迎えた藍忘機は自らの私室である静室まで招いて「どうして」と問う。味方同士でありながらも邪術を使う魏無羨の凶屍を削り、歩みを止めたこともあった。怒鳴られ、怒りをぶつけられた、嫌われたと思っていた。隣に立つことは出来ないと、歯がゆく唇を噛んだこともあった。そんな藍忘機の姿に魏無羨は小さく笑うと
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