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    ルキノ

    paferatte_

    PAST一番最初に書いたルキノトをテスト用に再投稿です 愛していると伝えれば

    出会って暫くは無反応だった。何も映さない瞳でただ一言、そうですか、と言う日もあったが、それだけだった。信じていなかったのか。興味がなかったのか。あるいは両方か。その時点では脈があるとは微塵も思っていなかったが、それでも心は惹かれ続けた。
    それから彼は目を逸らすようになった。表情筋は相変わらず死んでいたけれど。言葉も相変わらずつれなかったけれど。伝えた感情に何かの反応が返ってくる。それだけで飛び上がりそうなほど嬉しかったのを覚えている。
    ある日、揶揄わないでと言われた。揶揄ってなどいない。本気だと伝えた。君を愛しているのだと。彼は何度か瞬きをしてから俯くと、踵を返して逃げてしまった。去り際に見えた耳の赤さに、私も顔が熱くなってしまったのは仕方がないだろう。
    それからも少しずつ反応が増えていった。彼の心はおかしくなってしまったとか。彼の表情は偽物だらけだとか。そういった話を多々聞いていた事が信じられないくらい。ある時は頬を朱に染め。またある時は唇をきゅっと噛み。私の言葉に心を動かしてくれた。
    そうして今、目の前にいるノートン・キャンベルは。首まで真っ赤に染め 809