土井
さかえ
DOODLEぽいぴくでは「いずれ土井利になる話」として上げていた文章の続きです。今回は利くん視点で、くっつくところまで。まだまだ途中で、利くんも無自覚です。ラストの一文は閑吟集から「あまり言葉のかけたさに」です。
春やむかしの 続き夏のこと
目を閉じるのは聴覚を研ぎ澄ませるためだ。風の中、水音の中、鳥たちの鳴き交わす中に、利吉は注意深くその音を探す。枝を払い、草を踏み分けゆく足の、こちらへと向かうその音が何人分なのかを、ほとんど祈るような気持ちで探る。
――目を開けたのは、だから、祈ることをやめたということである。利吉はあぐらを解いて座り直すと、姿勢を正した。
「ただいま帰ったぞ」
戸が開く。思った通りに父が立っている。その向こうに人の姿を無意識のうちに探してしまう自分に気がついて、利吉は思わず苦笑した。先ほど祈るのはやめたばかりのはずなのに、それでも捨てきれないこの慕情は、なんと青臭く、悲しく、惨めったらしいことだろう。年ばかり重ねたところで、自分は結局十二のあの頃からまるで変わってやいないのだと、こんなところで自覚することになるとは。
3740目を閉じるのは聴覚を研ぎ澄ませるためだ。風の中、水音の中、鳥たちの鳴き交わす中に、利吉は注意深くその音を探す。枝を払い、草を踏み分けゆく足の、こちらへと向かうその音が何人分なのかを、ほとんど祈るような気持ちで探る。
――目を開けたのは、だから、祈ることをやめたということである。利吉はあぐらを解いて座り直すと、姿勢を正した。
「ただいま帰ったぞ」
戸が開く。思った通りに父が立っている。その向こうに人の姿を無意識のうちに探してしまう自分に気がついて、利吉は思わず苦笑した。先ほど祈るのはやめたばかりのはずなのに、それでも捨てきれないこの慕情は、なんと青臭く、悲しく、惨めったらしいことだろう。年ばかり重ねたところで、自分は結局十二のあの頃からまるで変わってやいないのだと、こんなところで自覚することになるとは。
yazironoko
DOODLE※肌色注意※真っ最中のコジドイ。どっちもガタイがいいので、「重いだろ?絶対重い筈だ、無理すんな!!」って乗っかるのが恥ずかしくて小次郎さんの癖っ毛にかじりつく土井垣さん。小次郎さんは「体重とか気にしてる余裕がまだあんのかよ?」前後不覚にして見境なくしてやる、って思ってる♥hgc214
PROGRESS10月新刊(のはず)の室町えちち土井尊進捗ぅ!室町青姦の袴問題考えないようにしてネーム進めてるんだけど……だってちんちんだけ上手に出せなくない?脚絆あるから即座に全部脱がせられんよね?足元にたるませとくしかないんかなあ…どう思う?(?さかえ
DOODLEいずれ土井利になる話3まだまだ若土と子利の話
もう1エピソード書いたら一話目は終わり
いずれ土井利になる話3 その夜は雨だった。夕刻から降り出した雨が次第に激しくなり、しまいには雷雨となった。ひどい湿気が寝苦しく、土井は早々に寝ることを諦めて、水でも一口もらおうと廊下に出た。締め切った雨戸を少しばかり開けて覗くと、雨と一緒に新鮮な空気が入ってきて、少しホッとする。
「――利吉くん?」
ふと視線をやった先、曲がり角の柱の陰に、小さな身体が縮こまっているのが見えた。さだめしこの邸の一人息子だろうと思って声をかけると、びくりと小さな肩が震える。どうしたの、と続けようとする土井の頬を、鋭い光が舐めた。遅れて雷鳴がとどろいて、遅まきながら土井は「これか」と判断がついたのだった。
恐らく利吉はいつものように、悪夢からの守り人として土井のもとを訪れたのだろう。しかし、ひどくなる一方の雷鳴にすっかり怯えて、途中で足が萎えてしまったのだろう。土井は素早く雨戸を立てきって利吉に歩み寄るとその横へ膝を突き、己のところへ来るよう誘った。しかし利吉の反応は芳しくない。どうやら、普段寝入っている(と利吉は思い込んでいる)土井のもとへ来る分にはよいが、こうして起きている内に、しかも自分のことが理由で招き入れられるのは矜持が許さないらしい。ならば、と土井は一芝居打つことにした。
3919「――利吉くん?」
ふと視線をやった先、曲がり角の柱の陰に、小さな身体が縮こまっているのが見えた。さだめしこの邸の一人息子だろうと思って声をかけると、びくりと小さな肩が震える。どうしたの、と続けようとする土井の頬を、鋭い光が舐めた。遅れて雷鳴がとどろいて、遅まきながら土井は「これか」と判断がついたのだった。
恐らく利吉はいつものように、悪夢からの守り人として土井のもとを訪れたのだろう。しかし、ひどくなる一方の雷鳴にすっかり怯えて、途中で足が萎えてしまったのだろう。土井は素早く雨戸を立てきって利吉に歩み寄るとその横へ膝を突き、己のところへ来るよう誘った。しかし利吉の反応は芳しくない。どうやら、普段寝入っている(と利吉は思い込んでいる)土井のもとへ来る分にはよいが、こうして起きている内に、しかも自分のことが理由で招き入れられるのは矜持が許さないらしい。ならば、と土井は一芝居打つことにした。
さかえ
MAIKINGいずれ土井利になる話1の続き。若土と子利が交流を深めるの段。この時点ではまだ土利ではありません。土Tの過去に触れる箇所があります。苦手な方はご注意ください。
いずれ土井利になる話2 いっこうに心を開く様子を見せぬ少年は、それでもたびたび土井のもとを訪れては(非常に不本意であるという表情をしながら、だが)何くれとなく世話を焼いた。そうして夜になると人が寝静まった頃を見計らって、そっと土井の懐にすべりこむのだった。そのたびに土井は利吉にその理由を尋ねたい気持ちに駆られたが、訊いたところで素直に答えてくれる相手では無し。気になりつつも問うことはできないまま、蓮の浮葉が水の上でついたり離れたりするような距離感で、二人の日々はゆっくりと過ぎていった。
転機はほんの小さなものだった。
ある時、利吉少年がいつものごとく病床を訪れて一通りのことを片付けた後、土井が横たわるふとんの傍で兵法書を読み出したことがあった。土井には聞こえないようにしているつもりなのだろうが、時折漏れる呟きの中に、耳に馴染んだ語句がいくつもあった。懐かしい、と笑みながら、土井はふとんに横たわったままひそかにそれに聴き入る。土井も幼いころは素読といって、訳も分からず読めと言われるままにとにかく口ずさんでいたものだった。それがいつか家のためになるのだと言われて――訳が分かるようになったのは、全てが手遅れになった後だったけれど。
3517転機はほんの小さなものだった。
ある時、利吉少年がいつものごとく病床を訪れて一通りのことを片付けた後、土井が横たわるふとんの傍で兵法書を読み出したことがあった。土井には聞こえないようにしているつもりなのだろうが、時折漏れる呟きの中に、耳に馴染んだ語句がいくつもあった。懐かしい、と笑みながら、土井はふとんに横たわったままひそかにそれに聴き入る。土井も幼いころは素読といって、訳も分からず読めと言われるままにとにかく口ずさんでいたものだった。それがいつか家のためになるのだと言われて――訳が分かるようになったのは、全てが手遅れになった後だったけれど。
創庫の倉庫
MOURNINGタカ丸さん絵集め。以前メッセージでタカ丸さんの事を言って下さった方がいらしたので集めてみました😊
(私単純です)
ほぼにんどろからですが、色差分、火薬、土井Tと!もあります。 9
さかえ
MAIKING脳内CP観を整理するための土井利なれそめ 途中までいずれ土井利になる話1 その夢の中で、土井はいつも暗闇の中を走っていた。
闇はいくつもその手を伸ばし、土井が必死で抱えているものを容易く奪い去っていく。見る間に家が、土地が、人が奪われ、そうして母が奪われ、父が奪われていった。手の内がものすごい早さで軽くなっていく。闇はそれだけで飽き足らず、土井の心の中へまで手を伸ばした。優しい日々の思い出を、誰かにすがりたがる甘さを、正しさを信じる心を丁寧にこそげ取っては、代わりに鉛玉を詰め込んでいく。とうとう土井の胸は墨にでも落としたように黒々と重く染まりきってしまった。
そうしてふと気づく。
向かっているのは破滅だ。
このまま走り続けて行けば、辿り着くのは不毛の世界だ。自分も人も闇雲に傷つけてはぐちゃぐちゃになって堕ちていく。そんな未来しかない。
2837闇はいくつもその手を伸ばし、土井が必死で抱えているものを容易く奪い去っていく。見る間に家が、土地が、人が奪われ、そうして母が奪われ、父が奪われていった。手の内がものすごい早さで軽くなっていく。闇はそれだけで飽き足らず、土井の心の中へまで手を伸ばした。優しい日々の思い出を、誰かにすがりたがる甘さを、正しさを信じる心を丁寧にこそげ取っては、代わりに鉛玉を詰め込んでいく。とうとう土井の胸は墨にでも落としたように黒々と重く染まりきってしまった。
そうしてふと気づく。
向かっているのは破滅だ。
このまま走り続けて行けば、辿り着くのは不毛の世界だ。自分も人も闇雲に傷つけてはぐちゃぐちゃになって堕ちていく。そんな未来しかない。
サバ缶
DOODLE他ジャンル絵まとめ(主にリク募集で描いたやつ)(2020年1月〜2021年10月)
①楽俊②沖清(風光る)③蔵馬④⑤ソロモン(BLOOD+)⑥ヤン・ウェンリー⑦キノ⑧虎王(魔神英雄伝説ワタル)⑨⑩ホークス 11マジック(パプワくん)12ドラハー(ハリポタ)13童磨14煉獄さん15吉野君(なんて素敵にジャパネスク)16雑渡昆奈門 17・18土井半助 18
創庫の倉庫
MOURNING2022.2~4 のにんどろです2月でもくん 四い(時間切れ分) くくち 自由ででもくん 藤内
3月自由でお兄さん 利吉(らくがきタグなし) 伊作(らくがきタグなし) 自由ででもくん
火薬委員(タグなし)
4月 自由で利吉さん 土井T とらわれ回 自由で利吉さん(迷走) タカ丸 15
azu_rkrn
DOODLEあげてないやつまとめ⚠️混沌としており制作時期めちゃくちゃ
耳舐め潮江
土井夢/夢主いる
伊作のロック画面に挑戦したけどスランプでやめた
三木ヱ門初描きのやつ
描き始めた頃の伊作3連発
トーンの練習してた時の食満(ぷいきゅあ)
潮江にょた⚠️
潮江バニー⚠️
初描き潮江くんだと思う 12