Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    痴漢

    るいㅤ

    DONE人間としての生活

    依頼小説
    幼少期に、体の一部が突発的に竜のようになってしまうようになった女の子。高校生になってもその症状は相変わらずで、それどこか抑制剤が効かなくなってきてしまっていた。感情が昂ると発症しがちというのを理解している彼女は、いつでも平静を装って生活している。しかしある日、満員電車の中で痴漢に遭遇してしまい、お尻をまさぐられる恐怖心や嫌悪感が募っていく。やがてその感情は大爆発を起こし、大事件へと発展してしまう。

    竜化産卵小説です。例によって先行公開です。
    産卵描写が結構生々しいので人を選ぶかもしれません。
    かなり文章力のある人なので、言い回しや情景描写などにフォーカスして読んでみると倍楽しめると思います。

    スマホよりPCの方が読みやすいと思います。無断転載厳禁です。
    当作品の著作権は作者様に帰属します。
    作者:ゆでたまご73様
    字数:17372文字
    人間としての生活快速電車は今日も、満員の乗客を乗せ全速力で馳せている。小さな駅は石ころを蹴散らすように黙殺し、大きな駅を目指して速度を上げて風を切っていた。
    大して動いてもないのに汗露まみれのサラリーマン。昨日のバラエティ番組に出ていた女優の胸がどうとか、生産性のない話で盛り上がる男子学生たち。
    それらのぶ厚い壁に阻まれるように、燈は自動ドアの前に追いやられていた。空調は回っているが、乗車率120%の車内においてそれは低い唸りを上げる生ぬるい風でしかない。
    重たい通学鞄を抱え、早く駅に着いてくれと思いながら窓の外に目を向けた。背が高いばかりで、個性や装飾性の一切が排除された灰色の建物が、どこまでも続いている。
    この箱の中の人間もそうだ。似たようなスーツに、似たような学生服。男性はみんな整髪料の匂いをまき散らし、女性はみんな今流行りのメイクで着飾っている。無個性の集団。
    17879

    iz_mife

    MAIKING【ギャグにするつもりが、普通にアッシュくんが恐がっちゃってる痴漢系シルヴァンです……
    (ギャグにしたかったんだ本当に…)
    噛ませ犬みたいなシルヴァンを愛を持って書いています…(笑)】
    士官学校入学の手続きの為、ちょうどガスパール領からガルグ=マクへ行く予定の商団の馬車に乗せられてから丸一日馬車に乗った結果……まさにこの世の地獄をアッシュは体験していた。
    (うぅっ……駄目だ、まだ気持ち悪い……)
    もう胃には何も残っていないというのに。道中で馬車が休憩するたびに離れたところに駆けていき、身体を折り曲げる領主の養子の姿はどれだけ情けなかったのだろうかと、石階段の端で小さくしていた身体をさらに縮こませため息を吐く。
    (皆さん、呆れてたな……恥ずかしい…もう絶対に帰りは馬を借りて一人で帰ろう…)
    義父には怒られるかもしれないが、あんな醜体を晒すくらいならば少しばかりの危険を乗り越える自信はあった。何と言っても自分だって来年からは、あのガルグ=マク修道院の士官学校に身を置くのだから、と標高が更に上にある憧れの学校をアッシュは仰ぎ見たが、すぐに吐き気に襲われまた下を向いてしまう。
    今はやわらかな日の光も、商店の食欲をそそる匂いすらも、ただ気分の悪さを助長するものでしかない。あと少しだけ休んだら修道院へ向かおうと自らの身体を抱いて目を瞑った瞬間、聞き慣れない声が上から振ってくる。
    2816