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    肥前

    いなばリチウム

    PROGRESS・本丸が襲撃されている
    ・襲撃されたら本丸を消滅させることになってるみたいな感じ
    ・審神者は死ぬ
    ・肥前は間に合わない
    ・最期は一緒
    バッドエンドルート主肥 俺の片腕を切り落し、腹の深くまで刃を通した異形は、それで満足したのか、べっとりと赤にまみれた刃を一振りすると、低い咆哮を一つ、あとは振り向きもせず立ち去った。ばかだな、と思う。俺の刀達なら、確実に息の根を止めて、息絶えたのを確認してからその場を後にするだろう。生き残った敵が、例え致命傷を負っていたとしても息がある限りは何をしでかすか分かったもんじゃないのに。そういう小さなミスが命取りなんだよな。

     実際のところ、出血量は半端なくて足元は血の海だったし、意識も朦朧とはしていたけど、でも、俺はまだ生きていた。生きていて、利き腕は動いたので、緊急用に至急されている鎮痛兼止血兼気付薬兼、まあその他色々の、とりあえず為すべきことを為すまで動けるようになる薬を自分に投与する。緊急用で審神者一人につきひとつしか支給されないとあって、効果は絶大だった。痛みは引いて、遠のきかけていた意識もはっきりしてきた。出血もとりあえずは止まったようだ。とはいえ、ただそれだけで、なくなった腕は生えてこないし、流した血が戻ってくるわけではないからふらつくし、裂かれた腹から赤黒い何かが見えてるのはちょっとまずいと思うけど。幸い、執務室だったのでそのへんを探せば使えそうなものは出てきた。救急セットの中に包帯が入っていたけど、片手じゃうまいこと固定できないし、とりあえず中身が出なければいいかと判断して、腹にガムテープをぐるぐると巻き付けた。包帯で巻くよりはやりやすかったけど、片手でするには時間のかかる作業だった。四苦八苦しながらどうにか穴を塞いで、廊下に出る。腕って実は結構重かったんだな。うまくバランスがとれなくて、腕がある方に傾いてしまう。
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    kle8tri

    DONEランチ食べにいくひぜさにの話。
    肥前くんに何かうまいごはん食べさせたい気持ちで書きました。
    前に書いたジュンブラひぜさにの過去話です✨
    eat me食べっぷりが良い男が好きだ。
    だって、見ていて気分が良い。好き嫌いを表に出さず、味の良し悪しをうるさく語りもせず、黙々と、でも美味しそうに食べる男で嫌なやつに出会ったことが無い(もちろん女でも)。
    恋愛的な意味で『ちょっと良いな』と思った相手とは、一緒にごはんを食べて人間性を見極めることにしている。実際、食べ物の好き嫌いが多いひとは人間関係でも好き嫌いが多い気がするし、食べ物の好みが似てるひととはなんとなく気が合う。そんな感じで、食への態度≒人間関係の法則はけっこうアテにしているのだ。
    だから、肥前忠広の印象は最初からけっこう良かった。
    好きな献立はあるけど、食卓に並んだものは何でもよく食べる。食事中はひたすら目の前の食べ物を味わうことに集中していて、何も言わないのに『美味しい』と感じていることが判るハッピーな雰囲気をそこはかとなく漂わせている。かといって味オンチというわけでもなく、鶯丸が馬に食べさせようとしていたニンジン(生)のおにぎりは「悪いがこれは食えねえ」と一刀両断していたし、日本号の見つけてくるゲテモノスレスレの珍味も口に合わないものは合わないとはっきり答えていた。
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