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    花火

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE夏だしそういえば一度も書いてない花火の話でもと思う→学年誌版とかにあるんだよな→五半にするか→……花火っていつから?→手持ち花火原型はもう少し遡れるけど打ち上げ花火は江戸時代からだよ!
    よし、細かいことは置いとこう!! この人のせいにしとけば大体許されるっしょ!!
    そうしてダラダラ書いてできたのがこちらなので細かいことは気にしない精神で。
    ■ 瞼の裏に残るもの「はや――じゃなかった、半蔵よぅ、おるかぁ!?」
    「なんじゃ……お主の声はよう通るから張り上げぬでも聞こえるわ」

    ひと足先に「兄」となった人物があまりに惜しむので、大きな戦も起きてはおらぬし良かろうと前髪を落とさぬまま元服したのはつい先日。
    いまだ慣れぬ新しい名を呼び間違いながらひょっこりと庭先に顔を出したその五右衛門に、縁側の障子を開け放ったまま書き物をしていた半蔵は顔を上げた。
    夏も盛りの日差しは強く、屋根に遮られて落ちる影を尚更濃く見せる。じいじいじわじわと蝉の声が庭に響き、時折吹き込む風が麻の着物の隙間から半蔵の肌に触れ、黒く長い髪を揺らした。
    度々服部家に顔を出す石川家の子息の姿には、服部家の者たちも慣れた様子で挨拶を交わしている。近頃は見る度に大きくなっているような気がする体躯の両腕に抱えた今日の土産はよく育った瓜がふたつみっつ。
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