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    23時

    みゃこおじ

    MOURNING【ココイヌ】午後23時、閉店間際自動ドアを潜ると、来客を知らせるベルが鳴り、いつもこの時間帯にいる深夜アルバイトの店員が奥から姿を表す。2名様ですかという問いに頷くと、空いている席へどうぞと店内に通された。少し価格帯も高く、ラストオーダーの時間が差し迫っているせいもあるのか、まだまだ宵も序の口というのにあまり人はいない。
    乾と九井が座る席は決まって窓側の角の席だ。正方形型のソファーテーブル席に腰掛けていると、店員が水を持ってきてご注文がお決まりの際はインターホンでお呼びくださいとお決まりの台詞を言って去っていく。何食おうかなぁと口では言っているが、九井が頼むものは大体いつも同じようなものだ。
    黒龍の集会や九井の仕事につきあった後はほとんど毎回このファミレスに立ち寄った。乾としては24時間営業のもう少しリーズナブルのファミレスの方が性にあっているというのに、九井は美味い飯が食いたいといってオニオングラタンスープで有名なこのファミレスを好んだ。
    基本的に食事代は九井持ちだ。黒龍の活動資金を生み出すのと同時に、九井は自分自身の資産運用に精力的だった。乾のような10代の少年には目眩のしそうな価格帯のグランドメニューにはいつも 2614