Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ぎるど

    佳芙司(kafukafuji)

    TRAINING本作品の製造をしている弊社工場では月渡りギルドを含む製品を主に生産していますため意図せずグラエマが含まれている可能性があります。
    元ネタ【https://twitter.com/kafukafuji/status/1514082199523704833?s=21&t=tBlwin5QJSrJnprcQp6q9g】
    得難き香辛料(オスカー+エマ) 曰く、定期的に味の品質を確認する為に抜き打ち検査をしている。と、オスカーは球状のクロケットを器用に四等分にした。きつね色の揚げ衣の中から鮮やかな緑が現れ、エマは思わず小さく声を弾ませた。
    「すごく綺麗な色……! 見た目からは想像出来ないですね」
    「このキッチンカーの主人はディレッタントの生まれではなくてな。生まれ故郷の料理をアレンジして振る舞っている。これは、ひよこ豆とそら豆をすり潰しペーストにしたものを丸めて揚げた『ファラフェル』という揚げ物料理だ」
     店を訪ね席を取りテーブルマナーを守って食するような料理ではなく、青空の下の路上で手軽に買えるような庶民的料理も躊躇なく口にするオスカーをエマはまじまじと見た。不意に視線が合ったが黙したまま使い捨てのフォークを差し出される。切り分けたそれを食え、という事らしくエマは慌ててそれを受け取り一口齧った。顔を近付けただけで香辛料の香りを感じるが、それに反して舌には辛さの刺激はあまり感じない。
    2737