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    めるしー

    DONE「ゲゲ郎」という名に縛られてしまった、父と水木の話。
    ※設定捏造多め
    ※前編は目玉おやじ、後編は水木視点
    ※前編(1/7投稿のものに加筆修正)+今回書いた後編。完結済み

    <あらすじ>
    哭倉村の件から数年後。水木、目玉おやじ、鬼太郎で同居。
    だんだん様子がおかしくなっていく水木を見ていられず、目玉おやじは鬼太郎と家を出ようとする。一方、水木は……?

    無断転載禁止 / Do not repost.
    魚と水前編 妖怪の寄り合いがお開きになったあと、わしは砂かけばばあに呼び止められた。彼女の肩に乗せてもらい、世間話をしながら帰途につく。
     森でかたまって暮らす他のものたちと違い、わしは息子とともに「水木」という人間に世話になっている。
    「お主、力を取り戻しておるのじゃろう?」
     いよいよ人間の街との境に近付いてきた頃、彼女に言われたのだった。

        ◇ ◇ ◇

    「遅くなったな。ただいま帰ったぞ」
     家に入り声をかけるが、返事はない。
     水木は縁側に座り、ぼうっと遠くを見ていた。その腕には鬼太郎を抱いている。時折頭を撫でたり、ぎゅっと抱き締めたりしている。
     なにか深く考え込んでいるのか、わしが近付いても反応がない。最近、彼はこうしていることが増えた。
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    kino_akira_fu

    PROGRESSさめししです。
    恋を知らない獅子神さんに、愛を教える村雨さんのお話。
    時間軸は明確に定まって無いのですが、オバキルからLiA間くらいのイメージで書いてます。今の所……!!

    獅子神さんがモブ(男)と付き合っていた描写があります。
    言葉を尽くす また上手くいかなった。去り行く背中をただ見つめる。何が悪かったか、いつだってわからないまま終わる。強請られたものをプレゼントした。気持ちを告げた。共に時を過ごした。夜だって、幾度も。紡いだ言葉も、紡がれた言葉も甘やかだったはずなのに。あれが、――ではなかったのだろうか。少なくとも、俺は与えていたつもりだった。けれど、きっと、違かったのだ。息苦しくて、鳩尾が痛くて、この場に蹲りたい。別れを告げられこんなにも苦しいというのに。俺が与えていたものは、別の何かだったのだ。
     子供の頃にやった砂場での遊びを思い出す。形はあるはずなのに、決して手には収まらない無数の砂。小さな粒は汗ばんだ手のひらにこびりつくのに、定まった形がなくて決して手に入らない。それでも頑張って、固めて、固めて。綺麗な丸ができて、見て、と渡したら叩き潰された。一瞬で壊れる脆い団子。あの時の俺は何を求めていたのか。ただ、受け取ってもらえるだけでよかったのかもしれない。
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