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    おにショタ

    JjtGhs

    MAIKINGぱろ五伏をちまちま書いている
    伝統芸能の当主五とねぐれくとされためぐ
    ブルーホールのような瞳をした子供が、どんな過程で絶望や諦観を宿すに至ったのか。
    はじめは、純粋な興味と好奇心だった。
    けれどいまは、深淵からすくいあげたいと、半ば本気で願ってやまない。

    日本の伝統芸能を継承する家に生まれた五条は、物心がつく頃にはすでに初舞台を踏んでいた。
    日夜厳しい稽古に耐え、表では天才ともてはやされる日々のなかで歪んだ性格を知る者はそう多くない。
    誰にだって表裏はあるものだろう、と静かに微笑み、五条の歪みを肯定してくれた親友がいなければ、今ごろもっと歪んだ大人になっていた。
    家を継ぎ、襲名披露も終えてようやく訪れたわずかな休みを利用し、五条は海まで車を走らせる。
    家が所有している別荘とは別に、由比ヶ浜近くの古民家を購入して以来、休みが取れるとそこへ向かう。
    家に縛られず、ただの五条悟という人間に戻れる気がするからだ。
    海沿いをドライブする時用に編集した洋楽のプレイリストを流しながら、時おり曲にあわせて口ずさんだりする時間は五条の心を慰めてくれる。
    梅雨の中休みだろうか、数日続いた雨も昨日止み、今日は快晴がひろがっていて海が太陽光を反射させ、きらきらと眩しく光ってい 2622

    seasnow_huu

    MEMO丑戌おにショタちあみどの初っ端。アクション無理なのにどうして書いてしまうのか……秋深く、色づいた葉たちの彩りが舞う日のことだった。赤く染まる紅葉や黄金の銀杏の中で目を引く鮮やかな紅色は、本来冬に咲く椿の花弁の色だと千秋は知っていた。現世と常世の境界であるこの道には、季節を問わずこの花が咲き乱れるのだ。
     そして千秋は、紅葉の道の真ん中に見慣れないものがあることに気付いた。亜麻色の毛玉に見えるそれは、犬か何かの動物のようだった。慌てて駆け寄り、丸まっているそれをよく観察しようとして──一瞬、手が止まる。毛玉の正体は、亜麻色の柔らかな髪を持つ六、七歳ほどの少年だったからだ。目を閉じているその少年の顔立ちは非常に整っていて、愛らしい人形のようだった。更には少年の頭には犬のような耳が生えており、体温と心臓の拍動がなければ人形と間違えてもおかしくない。
    「……もしもし、聞こえるか?」
     目を覚まさない少年の、犬耳に触れて軽く引っ張る。作り物ではない、生物としての温もりが通う耳だ。感覚があったのか、少年は眉間に皺を寄せ、ううん、とむずがった。長い睫毛に縁取られた瞼が薄く開かれ、千秋は現れた綺麗な空色の瞳に目を奪われた。ぱちぱちと目を瞬かせる少年に、千秋は笑いかけてみた。
    「安 4919

    氷華(ヒョウカ)

    DONE轟爆ワンドロのお題「触れる」でハロパロ轟爆おにしょた。【熱に触れる】



    ふっ、と右腕に何かが触れた。

    途端、男の集中力が途切れる。文字を追っていた意識を膝上の紙面から引き剥がして、焦凍は軽く瞬いた。
    秀麗な面差しを彩る長い睫毛が、読書に没頭していた余韻を払拭するように、一度、二度、空気を奮わせる。次いで、読書を中断させた要因を探すべく、紅白に分かれた髪の合間から、オッドアイの視線を動かした。
    目線を流した先、ぱたん、ぱたん、と金糸雀色の尻尾を揺らしながら、画集に夢中になっている幼子の姿が目に入る。
    豪奢なソファの上。男の右側から拳ひとつ分の距離を開けた座面に深く腰かけながら、半年程前に拾い上げた人狼の子供が、一心不乱に色鮮やかな挿絵を眺めていた。
    紅玉の瞳が、画集の中で展開される見知らぬ光景を前に、キラキラと鉱石のように輝いている。滴る血潮よりも尚、吸血の渇きを誘発するその瞳に、すうっとオッドアイを眇めながら、だが焦凍は手を伸ばすことなく、静かに幼子の姿を見守るに留めた。
    ツンツンと跳ねる尾と同様の髪色の合間からは、黒褐色の獣耳が覗き、書物への好奇心を示すように、元気よくピンと前向きに立っている。尻尾は、恐らく内心の興奮が無意識に発 2521