byakugun26
PASTハロウィン留文はっぴーハロウィン🎃「なんて恰好をしとるんだ、お前は!」
学園長の突然の思い付きで催されることになったハロウィンパーティーで、各組で仮装をすることになった訳だが、文次郎は目の前の男の装いを視界に捉えるなり、声を張り上げてしまった。
犬猿の仲である留三郎の仮装を見やれば、包帯を身に纏っただけの姿で恥ずかし気もなく歩いている。見慣れた男が包帯に包まれ、これまたよく見慣れた格好になっていた。今は怪我は無いようだが、いつもならこの包帯に見合うほどの重傷を負い、伊作に看病されている姿を何度も目にしている。
だが、文次郎が指摘したいのはそこではない。文次郎からすれば、包帯の下の柔い肌でさえ、よく見慣れたものなのだ。それが今では包帯一枚のみで隠され、やけにその体の線を強調させている。鍛えられた体と引き締まった腰つきが包帯によって更に顕著に現れ、文次郎に嫌な汗をかかせてきた。
1207学園長の突然の思い付きで催されることになったハロウィンパーティーで、各組で仮装をすることになった訳だが、文次郎は目の前の男の装いを視界に捉えるなり、声を張り上げてしまった。
犬猿の仲である留三郎の仮装を見やれば、包帯を身に纏っただけの姿で恥ずかし気もなく歩いている。見慣れた男が包帯に包まれ、これまたよく見慣れた格好になっていた。今は怪我は無いようだが、いつもならこの包帯に見合うほどの重傷を負い、伊作に看病されている姿を何度も目にしている。
だが、文次郎が指摘したいのはそこではない。文次郎からすれば、包帯の下の柔い肌でさえ、よく見慣れたものなのだ。それが今では包帯一枚のみで隠され、やけにその体の線を強調させている。鍛えられた体と引き締まった腰つきが包帯によって更に顕著に現れ、文次郎に嫌な汗をかかせてきた。
byakugun26
PAST留文の日ー!!おめでとうございますー!!新作は何もないので過去に書いたお話をのせて留文をうみだした気になるやつです劣情を宿した男 ――何をされるかわかっていた筈なのに、体はピクリとも動かなかった。
いつもの喧嘩。いつもの取っ組み合い。胸倉を掴まれたのを感じた途端、咄嗟に文次郎も留三郎のそれを掴んだ事は覚えている。空いていた片手に力を込め、整った顔立ちの男の頬へと、それを喰らわせてやろうと拳を作ったことも鮮明だった。だが、留三郎の闘志に燃えているであろう瞳を見つめた瞬間、文次郎の本能は警鐘を鳴らす。
闘志と共に見えるのは、別の色が紛れ込んだそれ。普段はこの男の奥深くに眠っているというのに、今では文次郎の目にもはっきりと映りこんでしまい、嫌でも自覚してしまう。
――色欲に似た、熱を孕んだ瞳。
この男の眼から時々チラつくその色に、文次郎は気付いていた。日々の喧嘩や勝負の時、己を真っすぐ見据えている際に現れる淡い劣情。じりじりと文次郎の身を焦がし、その上、心にさえ軽く火傷を負わせようとしてくる熱烈な視線に気付かない訳がない。だが、いくらその色を垣間見たとしても、文次郎は一度も指摘することはなかった。嫌な眼だと思いながらも、ましてやこの男の感情を知りながらも、文次郎は気付かないふりをした。いずれは忍びとなる身。道を違える身。更には男同士であり、犬猿の間柄だ。この男から向けられた感情を知ったところで、文次郎にはどうすることもできない。
2828いつもの喧嘩。いつもの取っ組み合い。胸倉を掴まれたのを感じた途端、咄嗟に文次郎も留三郎のそれを掴んだ事は覚えている。空いていた片手に力を込め、整った顔立ちの男の頬へと、それを喰らわせてやろうと拳を作ったことも鮮明だった。だが、留三郎の闘志に燃えているであろう瞳を見つめた瞬間、文次郎の本能は警鐘を鳴らす。
闘志と共に見えるのは、別の色が紛れ込んだそれ。普段はこの男の奥深くに眠っているというのに、今では文次郎の目にもはっきりと映りこんでしまい、嫌でも自覚してしまう。
――色欲に似た、熱を孕んだ瞳。
この男の眼から時々チラつくその色に、文次郎は気付いていた。日々の喧嘩や勝負の時、己を真っすぐ見据えている際に現れる淡い劣情。じりじりと文次郎の身を焦がし、その上、心にさえ軽く火傷を負わせようとしてくる熱烈な視線に気付かない訳がない。だが、いくらその色を垣間見たとしても、文次郎は一度も指摘することはなかった。嫌な眼だと思いながらも、ましてやこの男の感情を知りながらも、文次郎は気付かないふりをした。いずれは忍びとなる身。道を違える身。更には男同士であり、犬猿の間柄だ。この男から向けられた感情を知ったところで、文次郎にはどうすることもできない。
SHIZUKa_moji
MEMO留文メモに残ってたのでどこかに載せた再掲かもふと、思い立っただけだ。
たまたま行列が出来る程の団子屋があって、気まぐれに並んでみて、並んだからと団子を買い、 持ち帰る途中で偶然お前を見付けたから、団子をやろうと思った。
「それだけだ」
「………………なるほど」
「なんだその間は!?」
「いや、お前も大概だと思ってな」
鍛練帰りの鍛練馬鹿は秋風吹く中で汗を垂らしている。
「素直に俺への土産だと言えよ。甘い物なんかそんな食わない癖に」
「食わない事はない!一本くらい食う」
「ならなんで包み三つもあんるんだ」
「これは伊作達用。これは後輩達用」
「もう一つは?」
「あーもううるさい!食うのか!?食わねえのか!?」
「食う」
くつくつと笑い出されて気まずいが、まぁいい。包みを一つ押し付けて去ろうとすれば、何故か腕を捕まれた。
「な……なんだよ」
「実は、鍛練前にちょっといい茶葉を手に入れたんだ。団子の礼に飲みに来い」
あまりしない子供っぽい笑みを浮かべながら、言葉に挑発を含んでいる。これは嬉しい誤算かもしれない。
「ならちょっと遅い月見でもするか」
「いいぜ。月見が出来ればの話しだが」
「っ、なんだよ。珍しくやる気だな」
「お前が誘った 801