しぐれ
DONEぶぜこて・くわまつ・さみくものこてまつくもがふりふりパンツを買いに行く話。徹頭徹尾ずっと完全にギャグです。
*CPはぶぜこて・くわまつ・さみくも
*女装……?要素あり
*リバ前提で書いてる節があるので注意 9958
ohmi_ri
DONEお題「読書」(理学部のくわまつ)secret sign 昼休み、一般教養棟の学生食堂で落ち合って昼食を食べていると、桑名が思い出したように言った。
「松井、こないだうちに文庫本忘れて帰ったでしょ。谷崎潤一郎の」
「ああ、あれもう読み終わったから、今度行くときまで置いといてよ。良かったらそれまでに桑名も読んで」
僕がそう答えると、桑名はちょっと困った顔をした。
「えぇー、僕そういうのあんまり読まんのやけど…」
本当は、彼があまり小説の類を読まないことは知っていた。桑名は読書家だけれど、読んでいる本は専門書か、学術系の新書が多い。翻訳ものの幻想文学やクラシックな推理小説が好きな僕の読書傾向とは正反対と言ってもいいくらいだ。でも、それを承知で僕は強引に続ける。
2045「松井、こないだうちに文庫本忘れて帰ったでしょ。谷崎潤一郎の」
「ああ、あれもう読み終わったから、今度行くときまで置いといてよ。良かったらそれまでに桑名も読んで」
僕がそう答えると、桑名はちょっと困った顔をした。
「えぇー、僕そういうのあんまり読まんのやけど…」
本当は、彼があまり小説の類を読まないことは知っていた。桑名は読書家だけれど、読んでいる本は専門書か、学術系の新書が多い。翻訳ものの幻想文学やクラシックな推理小説が好きな僕の読書傾向とは正反対と言ってもいいくらいだ。でも、それを承知で僕は強引に続ける。
ohmi_ri
DONEお題「僕の番だね」(本丸)ゼロ 沼の底から引き上げられるように意識が急浮上して目を覚ますと、脇腹のあたりに寄り添うように、戦闘装束のままの松井が身を縮めて眠っていた。
何時間意識を失っていたのだろう。肩口からざっくりと袈裟懸けに斬られた傷口は、もうほとんど塞がって血も止まっていた。
松井の居る側と逆の手をそっと動かして、手のひらをぐっ、ぱっ、と握ったり開いたりしてみる。冷たく感覚を失っていた指も思い通りに動く。手入れは終わりかけているようだ。
先の出陣では、松井も軽傷だったはず。松井の傷を確認しようと思い至ったとき、丸まっていた緑のコートがもぞもぞと動いて、松井が上体を起こした。
こちらをそっと伺う気配。次に、僕の呼吸を確かめるように、顔の前に手がかざされる。その手を取って、手のひらに口付けた。驚いてびくりと身体を弾ませたあと、松井はほう、と息を吐いて、「…起きていたのか」と小さな声で言った。
1955何時間意識を失っていたのだろう。肩口からざっくりと袈裟懸けに斬られた傷口は、もうほとんど塞がって血も止まっていた。
松井の居る側と逆の手をそっと動かして、手のひらをぐっ、ぱっ、と握ったり開いたりしてみる。冷たく感覚を失っていた指も思い通りに動く。手入れは終わりかけているようだ。
先の出陣では、松井も軽傷だったはず。松井の傷を確認しようと思い至ったとき、丸まっていた緑のコートがもぞもぞと動いて、松井が上体を起こした。
こちらをそっと伺う気配。次に、僕の呼吸を確かめるように、顔の前に手がかざされる。その手を取って、手のひらに口付けた。驚いてびくりと身体を弾ませたあと、松井はほう、と息を吐いて、「…起きていたのか」と小さな声で言った。
ohmi_ri
DONEお題「映画パロ」(バトロワパロ・どこかの本丸)静かな日々の階段を「これから皆さんには、ちょっと殺し合いをして貰います」
目を覚ましたそこは、見知らぬ広い板張りの部屋だった。最初の印象は、あれ、ここは演練場かな、僕は演練中に重傷を受けて意識を失いでもしたのだろうか、というものだった。
しかし、そうではないということにも直ぐに気付いた。演練ならば自分達の本丸からは六振りの刃選で事足りるのに、此処にはどうやら、僕達の本丸の刀、全員が居る。ぼんやりと座り込んでいる者、状況を把握しようと立ち上がりかけてふらつく者、まだ意識がなくて俯せになったまま動かない者。これは異常な事態だと、その光景は告げていた。そして、演練相手となるべき他本丸の刀らしき姿は、どこにも見えない。
3575目を覚ましたそこは、見知らぬ広い板張りの部屋だった。最初の印象は、あれ、ここは演練場かな、僕は演練中に重傷を受けて意識を失いでもしたのだろうか、というものだった。
しかし、そうではないということにも直ぐに気付いた。演練ならば自分達の本丸からは六振りの刃選で事足りるのに、此処にはどうやら、僕達の本丸の刀、全員が居る。ぼんやりと座り込んでいる者、状況を把握しようと立ち上がりかけてふらつく者、まだ意識がなくて俯せになったまま動かない者。これは異常な事態だと、その光景は告げていた。そして、演練相手となるべき他本丸の刀らしき姿は、どこにも見えない。
ohmi_ri
DONEお題「◯◯しないと出られない部屋」で書いたどこかの本丸のくわまつ孕ませないと出られない部屋遠征の帰り、いつも通りに本丸に戻ったはずが、桑名は気付けば松井と二人、見知らぬ部屋にいた。
やけに広い寝室のような部屋の奥にキングサイズのベッドが鎮座していて、あとはソファとローテーブル、冷蔵庫、ウォーターサーバ、バーカウンター。
玄関のドアノブをガチャガチャやってみたけれど、もちろん開きはしない。玄関脇のあと二つあるドアを開けてみると、トイレと、これまた無駄に広いバスルームだった。
「らぶほてるみたいな部屋だね…」
まだ事態を飲み込めていない声で松井が呟く。
確かに、2000年代の遠征中に思わぬ空き時間ができた際、松井と二人で共犯者めいてくすくす笑いながら部隊の目を盗んで忍び込んだその施設に、この部屋は酷似していた。
1719やけに広い寝室のような部屋の奥にキングサイズのベッドが鎮座していて、あとはソファとローテーブル、冷蔵庫、ウォーターサーバ、バーカウンター。
玄関のドアノブをガチャガチャやってみたけれど、もちろん開きはしない。玄関脇のあと二つあるドアを開けてみると、トイレと、これまた無駄に広いバスルームだった。
「らぶほてるみたいな部屋だね…」
まだ事態を飲み込めていない声で松井が呟く。
確かに、2000年代の遠征中に思わぬ空き時間ができた際、松井と二人で共犯者めいてくすくす笑いながら部隊の目を盗んで忍び込んだその施設に、この部屋は酷似していた。
ohmi_ri
DONEお題「熱帯夜」で書いた、コインランドリーで出逢うくわまつコインランドリーファンタジー……暑い。
珍しくぐっしょりと寝汗をかいて目を覚ました。枕元のスマホで時刻を確認する。深夜2時。
昨夜は23時頃にベッドに入って、エアコンのタイマーを二時間にセットした。タイマーが切れて、きっかり一時間で目が覚めてしまった訳だ。
とりあえずエアコンのスイッチを入れ直して起き上がる。こんな熱帯夜になるってわかっていれば、一晩中クーラーを付けておくんだった、と後悔しながらキッチンで水を一杯飲んで戻ると、すっかり目が冴えてしまっていた。
さっきまで寝ていた場所に手のひらを当てると、じっとりと湿っている。とてもこのまま眠れたものではない。替えのシーツくらいはあるけれど、天気予報では明日から台風直撃の予定だった。
2162珍しくぐっしょりと寝汗をかいて目を覚ました。枕元のスマホで時刻を確認する。深夜2時。
昨夜は23時頃にベッドに入って、エアコンのタイマーを二時間にセットした。タイマーが切れて、きっかり一時間で目が覚めてしまった訳だ。
とりあえずエアコンのスイッチを入れ直して起き上がる。こんな熱帯夜になるってわかっていれば、一晩中クーラーを付けておくんだった、と後悔しながらキッチンで水を一杯飲んで戻ると、すっかり目が冴えてしまっていた。
さっきまで寝ていた場所に手のひらを当てると、じっとりと湿っている。とてもこのまま眠れたものではない。替えのシーツくらいはあるけれど、天気予報では明日から台風直撃の予定だった。
nekoruru_haya
DONE現パロ、ナチュラルに同棲。細かい事は気にしない方へ。ちょっとだけ血が出ます。「僕に洗わせてくれないかな!」
真っ新な碧空みたいにキラキラした目でそう言われたら、断る事なんて出来ないよねえ。
事の発端は僕が右手に包帯をして帰ってきたところから。まあ、手のひらをざっくり切ってしまっただけなんだけれど。それを見た松井が何故か喜々として「お風呂はどうするんだい?」って訊くから、どうしようねえ、なんて悠長に返事をしてしまった訳だ。身体はともかく、頭を洗うのは片手では不便かもと一瞬でも浮かんでしまった自分を呪う。
その結果が冒頭の一言。
そして今、僕は非道い目に遭っていた。
先ずは冷水を頭から被せられた。初夏の気候とは言え冷たいには違いない。松井が温度の調節をする間中、冷水と熱湯を交互に掛けられてある意味健康になれそう。そう言う意味では健康だから必要ないんだけれども。
漸く頭を濡らし終わっていざシャンプーな訳だけど、ここでも一悶着。
「待って、松井。それ松井のシャンプーでしょ」
「そうだけど」
「僕ので洗ってよ」
「もう手に出してしまったし、これ髪がサラサラになって」
松井の髪ならサラサラになっても構わないし、むしろその方が良いんだけれど、僕の髪が 1626