おもち
TRAININGPsyBorg。服屋の店員うきとバーテンふちゃ。いつも同じものしか書かない😅夕陽を反射して眩しいショーウィンドーに並ぶのは馴染みのない洒落た服を着たマネキンで、それらが俺には一生買うことのないような信じられない金額の服であることは想像に容易い。いつものようにチラとそれを見るだけで通り過ぎようとした俺は、目の前のガラス扉が開いて金持ちそうな女性が出てきたのを慌てて避けて「すみません」と声を上げた。驚いて立ち止まったその女性の後ろから出てこようとした人が「わっ」と小さく叫んで、自分の声を恥じるように口元を押さえて「ごめんなさい……」と謝る。
「すみません、大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫。ごめんなさいね浮奇くん、急に立ち止まってしまって驚いたでしょう」
「いえ、ごめんなさい大きい声を出しちゃって……ふふ、びっくりしたぁ。お兄さんもすみません、わざわざありがとうございます」
2148「すみません、大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫。ごめんなさいね浮奇くん、急に立ち止まってしまって驚いたでしょう」
「いえ、ごめんなさい大きい声を出しちゃって……ふふ、びっくりしたぁ。お兄さんもすみません、わざわざありがとうございます」
おもち
TRAININGPsyBorg。お姫様&王子様呼びし合ってるのでそういうの大丈夫な方だけどうぞ。アラームより先に目覚めて体を起こそうとした俺は、腰に巻き付く腕に動きを遮られて持ち上げた頭を再び枕に落とした。
「……うき」
起こす気の全くない小さな声で恋人の名前を呼ぶ。すやすやと穏やかな寝顔を見せる浮奇に無意識のうちに笑みを浮かべそっとその頬を撫でた。
手入れの行き届いたきめ細やかな肌はいつまでも触れていたいほどに柔らかく気持ちいい。ふにっと頬をつまんで、「うきき」ともう一度名前を呼んだ。
ほら、今日は起きなきゃいけない日だろう。そのために昨日はいつもより早くベッドに入って眠ったんじゃなかったか?
早起きが苦手で寝起きの悪い恋人を起こすのは俺の大好きな任務だった。顔を近づけて、香水なんてついていないはずなのに甘くおいしそうな浮奇の匂いを吸い込む。
1969「……うき」
起こす気の全くない小さな声で恋人の名前を呼ぶ。すやすやと穏やかな寝顔を見せる浮奇に無意識のうちに笑みを浮かべそっとその頬を撫でた。
手入れの行き届いたきめ細やかな肌はいつまでも触れていたいほどに柔らかく気持ちいい。ふにっと頬をつまんで、「うきき」ともう一度名前を呼んだ。
ほら、今日は起きなきゃいけない日だろう。そのために昨日はいつもより早くベッドに入って眠ったんじゃなかったか?
早起きが苦手で寝起きの悪い恋人を起こすのは俺の大好きな任務だった。顔を近づけて、香水なんてついていないはずなのに甘くおいしそうな浮奇の匂いを吸い込む。
おもち
TRAININGPsyBorg。スパイスのためモブ♀が出てきますがただのモブです。待ち合わせの駅を出るとぱらぱらと雨が降っていた。天気予報は晴れのはずだったからにわか雨だろう。傘なんて持ってきていなかった俺は近くの店の軒下に駆け込んで、濡れた髪を手で軽く押さえつけた。
「駅ついたよ。雨大丈夫?」と待ち合わせ相手にメッセージを送って、そのままそこで待つことにした。驚くくらい周りをよく見ているくせに自分のことには少し無頓着な人だから、この程度の雨なら全然気にしてないかも。
でも俺が雨に濡れないように、一緒にいる時は少しの雨でも傘をさしてくれるんだ。彼のさす傘の中でくっついて歩くのが好きだった。外ではいつも触れないような距離を保ってるけど、雨だから仕方ないって言い訳ができる。
相合傘をした時のことを思い出してにやけちゃいそうだったから、俺は両手で顔のマッサージをするフリでほっぺを隠して、違うことに意識を向けるために視線を遠くに向けた。
3605「駅ついたよ。雨大丈夫?」と待ち合わせ相手にメッセージを送って、そのままそこで待つことにした。驚くくらい周りをよく見ているくせに自分のことには少し無頓着な人だから、この程度の雨なら全然気にしてないかも。
でも俺が雨に濡れないように、一緒にいる時は少しの雨でも傘をさしてくれるんだ。彼のさす傘の中でくっついて歩くのが好きだった。外ではいつも触れないような距離を保ってるけど、雨だから仕方ないって言い訳ができる。
相合傘をした時のことを思い出してにやけちゃいそうだったから、俺は両手で顔のマッサージをするフリでほっぺを隠して、違うことに意識を向けるために視線を遠くに向けた。
𝓪𝓶𝓾
DONE肩が触れ合う距離で:🐑🔮学パロです。
カバンの中にメイク道具しか入ってないゥと、ぱんっぱんに教科書を詰めて帰るふふちゃの対比最高じゃないです?←
梅雨…相合傘をしやすい季節……最高です。 2717
おもち
TRAININGPsyBorg。家庭教師🐏と高校生🔮勉強なんて嫌いだったのに、最近はきちんと教科書をカバンに入れてたり授業中にノートを広げてみたりする。今まで勉強してこなかったせいで先生の話は分からないことが多いし眠さに負けることもあるけれど、サボることなく授業を受けていた。クラスが同じ友達たちに揶揄われて、先生たちに「最近頑張ってるな」なんてうざったい声掛けをされて、ほんとちょっと頑張るのやめようかなって思ったけど。
それでもマジメに頑張ったのは、俺だけの先生に、家庭教師をしてくれているふーふーちゃんに、褒めてほしかったから。
学校が終わってから、いつもは寄り道をたっぷりして時間をかけて帰るところを、近道を使って足早に家に帰った。バタバタと自分の部屋に駆け込んで朝寝坊したせいでめちゃくちゃになってる部屋の中をテキパキと片付ける。ベッドの布団を綺麗に整えてヨシ!と大きく息を吐いたタイミングでピンポーンとインターホンが鳴った。慌ててスマホを見るともう約束の時間になっていた。
2063それでもマジメに頑張ったのは、俺だけの先生に、家庭教師をしてくれているふーふーちゃんに、褒めてほしかったから。
学校が終わってから、いつもは寄り道をたっぷりして時間をかけて帰るところを、近道を使って足早に家に帰った。バタバタと自分の部屋に駆け込んで朝寝坊したせいでめちゃくちゃになってる部屋の中をテキパキと片付ける。ベッドの布団を綺麗に整えてヨシ!と大きく息を吐いたタイミングでピンポーンとインターホンが鳴った。慌ててスマホを見るともう約束の時間になっていた。
途綺*
DONE🐑🔮//綺羅星の微睡み甘やかされてふわふわしてぼんやり眠くなる話。※実際にある睡眠導入法を軽くアレンジしています。
「ふーふーちゃんのばか」
足を抱えて小さく丸まった浮奇の声は、深く潜り込んだベッドの中でくぐもって響いた。ファルガーがドッゴの夜の散歩から帰ってきた直後という、浮奇にとっては有り得ないほど早い時間にベッドへ入っているのは低気圧に負けて痛みを訴える頭のせいだった。
外の雨が強くなるにつれて突き刺すような痛みが徐々に強くなってきたこめかみをさすりながら眉根を寄せていた浮奇は、見兼ねたファルガーに鎮痛薬を飲むよう促された。当然の対応だとは分かっていたが昼前から痛んでいた頭は疲れ切って正常な思考を保てず、浮奇は鎮痛薬を差し出すファルガーの手を拒否した。ふーふーちゃんが抱きしめてくれれば治るだとか、脳みそを取り出して壁に投げたいだとか、キスして甘やかしてよだとか。とにかく悪態をついた覚えはあるが何を口走ったのか記憶にない。ただ、話を受け流しつつ浮奇の手を引いてキッチンへと向かったファルガーが唐突に顎を掴んできて、優しく重なる唇に安心したのと同時にぬるい水と薬が口内へ流れ込んできたことで浮奇はようやく正気を取り戻した。
4137足を抱えて小さく丸まった浮奇の声は、深く潜り込んだベッドの中でくぐもって響いた。ファルガーがドッゴの夜の散歩から帰ってきた直後という、浮奇にとっては有り得ないほど早い時間にベッドへ入っているのは低気圧に負けて痛みを訴える頭のせいだった。
外の雨が強くなるにつれて突き刺すような痛みが徐々に強くなってきたこめかみをさすりながら眉根を寄せていた浮奇は、見兼ねたファルガーに鎮痛薬を飲むよう促された。当然の対応だとは分かっていたが昼前から痛んでいた頭は疲れ切って正常な思考を保てず、浮奇は鎮痛薬を差し出すファルガーの手を拒否した。ふーふーちゃんが抱きしめてくれれば治るだとか、脳みそを取り出して壁に投げたいだとか、キスして甘やかしてよだとか。とにかく悪態をついた覚えはあるが何を口走ったのか記憶にない。ただ、話を受け流しつつ浮奇の手を引いてキッチンへと向かったファルガーが唐突に顎を掴んできて、優しく重なる唇に安心したのと同時にぬるい水と薬が口内へ流れ込んできたことで浮奇はようやく正気を取り戻した。
おもち
TRAININGPsyBorg。SS。俺は今とても疲れが溜まっていて、しっかり休むべきだった。それなのにベッドに入ることもせずリビングのソファーにだらしなく座って酒を飲んでいるのだから、自己管理がカケラもできていないことは自覚していた。酔いが回るとともにどんどんと体がだるくなっていくのを感じながら、あとすこし、もうすこし、と酒を注いでいく。
どうしてここから動きたくないんだろうと自問自答していた問いは、「ただいま」の声が聞こえてようやく答えに辿り着いた。
「あれ、ここにいたんだね。ただいまふーふーちゃん」
「……」
「ふーふーちゃん? ……どうしたのベイビィ」
帰ってきてリビングを覗いた浮奇はそこに俺がいるのにいつものようにおかえりと返さないことに首を傾げ、すぐに俺の隣に座って頬に触れた。やわらかく温かい手に擦り寄ると心が和らぐ。ほっと息を吐くと浮奇は心配を滲ませた瞳で俺の顔を覗き込んだ。
1056どうしてここから動きたくないんだろうと自問自答していた問いは、「ただいま」の声が聞こえてようやく答えに辿り着いた。
「あれ、ここにいたんだね。ただいまふーふーちゃん」
「……」
「ふーふーちゃん? ……どうしたのベイビィ」
帰ってきてリビングを覗いた浮奇はそこに俺がいるのにいつものようにおかえりと返さないことに首を傾げ、すぐに俺の隣に座って頬に触れた。やわらかく温かい手に擦り寄ると心が和らぐ。ほっと息を吐くと浮奇は心配を滲ませた瞳で俺の顔を覗き込んだ。
おもち
TRAININGPsyBorg。星空の下でいちゃついてる話。お店で見つけた瞬間衝動買いしちゃったけど使い所がなくてずっと使えずにいた可愛いレジャーシートは荷物を置いて二人で座るには少し小さくて、俺は仕方ないよねって言い訳をしてふーふーちゃんの隣にくっついていた。ふーふーちゃんはちょっと呆れた顔をしたけれど、でも実際離れて座る余裕がないことを理解して小言を言うこともなく肩をすくめただけ。これが昼間で人の多い公園だったら彼はこんな簡単に諦めてくれなかっただろうけど、今は夜中で街から離れた人気のない広場だ。俺たちの周りは芝生が広がっているだけで見える範囲に人はいない。広い星空は、俺たちだけのもの。
「寝っ転がりたいなぁ。やっぱりもうちょっと大きいレジャーシートにすればよかった。同じ柄でサイズ違いがあればよかったのに」
1624「寝っ転がりたいなぁ。やっぱりもうちょっと大きいレジャーシートにすればよかった。同じ柄でサイズ違いがあればよかったのに」
途綺*
DONE🐑🔮//ディナーはハグの後で夕暮れの床に🔮が落ちてる話。
浮奇が床に落ちている。
どうしても仕上げなければいけない作業を終えてやけに静かな階下に降りたファルガーが見つけたのは、すっかりと傾きかけている陽が当たるカーペットの上で猫さながらに身体を丸めて眠る浮奇だった。すぐそこに使い慣れたソファがあるのに昼寝をするには妙な場所で丸くなる姿は、眠っているというより「落ちている」と言った方が正しいような光景だった。
近寄ってみれば浮奇へ身を寄せたKatとCatがこちらを見詰めてくる。まだファルガーに慣れないらしい彼女たちが普段なら一目散に逃げ出しそうな距離なのに、視線を向けるだけで動かずにいるのは浮奇が傍にいるからだろうか。まるで母猫に寄り添う子猫のように見えて、お互い親と離れた身であることを思い出して胸の奥が切なくなる。だが、本人が気に留めていないことを他者がつつくことでもないとすぐに頭を振った。
2062どうしても仕上げなければいけない作業を終えてやけに静かな階下に降りたファルガーが見つけたのは、すっかりと傾きかけている陽が当たるカーペットの上で猫さながらに身体を丸めて眠る浮奇だった。すぐそこに使い慣れたソファがあるのに昼寝をするには妙な場所で丸くなる姿は、眠っているというより「落ちている」と言った方が正しいような光景だった。
近寄ってみれば浮奇へ身を寄せたKatとCatがこちらを見詰めてくる。まだファルガーに慣れないらしい彼女たちが普段なら一目散に逃げ出しそうな距離なのに、視線を向けるだけで動かずにいるのは浮奇が傍にいるからだろうか。まるで母猫に寄り添う子猫のように見えて、お互い親と離れた身であることを思い出して胸の奥が切なくなる。だが、本人が気に留めていないことを他者がつつくことでもないとすぐに頭を振った。
おもち
TRAININGPsyBorg。ワードパレットの「箒星」約束、胸の痛み、苦手、がお題でした。流星群を見に行く約束はまだ有効だろうか。俺はリビングにあるカレンダーに浮奇の字で書き込まれた「デート」の文字を指先でなぞった。これが書かれた時にはこんなことになっているとは予想もしていなかった。
いつも浮奇がクッションを抱き抱えて座るソファーに一人で腰掛けて背中を丸める。スマホを手に取り連絡先の中から浮奇を表示させたけれど、電話をかけることもメッセージを送ることもできずにただ画面を見つめ続け、そうしているうちにディスプレイが暗くなり情けない顔をした男が映った。
ここ数ヶ月、浮奇はほとんど自分の家に帰らず俺の家に泊まってばかりいた。一人暮らしには慣れていたのに、今はどこもかしこも浮奇の気配が残っていて一人きりなのが辛い。いつもはいい子にしていろと言っても戯れてくる愛犬たちはこんな時に限って家のどこかでお昼寝中のようだった。物音ひとつしない家の中で俺のため息だけが空気を揺らす。
4081いつも浮奇がクッションを抱き抱えて座るソファーに一人で腰掛けて背中を丸める。スマホを手に取り連絡先の中から浮奇を表示させたけれど、電話をかけることもメッセージを送ることもできずにただ画面を見つめ続け、そうしているうちにディスプレイが暗くなり情けない顔をした男が映った。
ここ数ヶ月、浮奇はほとんど自分の家に帰らず俺の家に泊まってばかりいた。一人暮らしには慣れていたのに、今はどこもかしこも浮奇の気配が残っていて一人きりなのが辛い。いつもはいい子にしていろと言っても戯れてくる愛犬たちはこんな時に限って家のどこかでお昼寝中のようだった。物音ひとつしない家の中で俺のため息だけが空気を揺らす。
おもち
TRAININGPsyBorg。🧜♀️うきと人間ふちゃの話。前までのやつ読んでからのほうが良いかと。夜が明ける前の暗く底の見えない海から、人魚を抱き上げ砂浜に足跡をつけていく。
いつも一緒の愛犬は今日は家で留守番をしてもらっていた。両手が塞がってしまうことが分かっていたし、無駄吠えはしない子だけれどもし何かの拍子に鳴いて人の注意を引いてしまうことがないようにしたかったから。
海岸から離れ波の音が遠ざかると彼は俺の首に回した腕にキュッと力を入れた。俺は振り返ることなくただ真っ直ぐに、海に背を向けて歩き続けた。日が昇る前に終わらせなければならない。立ち止まる暇はなかった。
人気のないまだ仄暗い道を行き、少し歩けば住み慣れた家が見えてくる。無事誰にも見られることなくガレージから家に入った俺は真っ直ぐバスルームに向かった。予め水を張っておいたバスタブの中に、鱗の乾き始めていた人魚をゆっくり沈める。
1982いつも一緒の愛犬は今日は家で留守番をしてもらっていた。両手が塞がってしまうことが分かっていたし、無駄吠えはしない子だけれどもし何かの拍子に鳴いて人の注意を引いてしまうことがないようにしたかったから。
海岸から離れ波の音が遠ざかると彼は俺の首に回した腕にキュッと力を入れた。俺は振り返ることなくただ真っ直ぐに、海に背を向けて歩き続けた。日が昇る前に終わらせなければならない。立ち止まる暇はなかった。
人気のないまだ仄暗い道を行き、少し歩けば住み慣れた家が見えてくる。無事誰にも見られることなくガレージから家に入った俺は真っ直ぐバスルームに向かった。予め水を張っておいたバスタブの中に、鱗の乾き始めていた人魚をゆっくり沈める。
おもち
TRAININGPsyBorg。泣きそうな横顔。二人でベッドに入って過ごした後、寝落ちた浮奇に布団をかけて俺はバスルームに向かった。サッとシャワーを浴びて水を飲み、物音を聞いて起きてきた愛犬におやすみを言って寝室に戻る。
髪を濡れたままにすると怒ってくれる恋人はもう夢の中だし気がつかれないだろうと、そう思ってベッドに近づいたのに、壁の方を向いて眠っていたはずの浮奇は予想外に目を開けていてその瞳に涙を浮かべていた。
今にも泣き出しそうなその横顔を見てギョッとし、俺は何も考えずに「浮奇」と声をかけた。ぱちっと瞬きをしても涙は溢れずに浮奇は潤んだ瞳のまま俺を見上げる。
「ん……あ、おかえり」
「ただいま……どうかしたか? 腹が痛いとか?」
「ううん、ちがう、ごめんね」
2404髪を濡れたままにすると怒ってくれる恋人はもう夢の中だし気がつかれないだろうと、そう思ってベッドに近づいたのに、壁の方を向いて眠っていたはずの浮奇は予想外に目を開けていてその瞳に涙を浮かべていた。
今にも泣き出しそうなその横顔を見てギョッとし、俺は何も考えずに「浮奇」と声をかけた。ぱちっと瞬きをしても涙は溢れずに浮奇は潤んだ瞳のまま俺を見上げる。
「ん……あ、おかえり」
「ただいま……どうかしたか? 腹が痛いとか?」
「ううん、ちがう、ごめんね」
おもち
TRAININGPsyBorg。深夜一時のフレンチトースト。リビングのソファーに横になってスマホをいじっていたらいつのまにか日付を超えていた。かと言って今すぐ起き上がってシャワーを浴びベッドに向かうほどのやる気と眠気は持ち合わせていない。朝早くに起きなくちゃいけない用事もないし、まあ、いいか。何の役にも立たない夜中のネットサーフィンは、他人から見たら時間の無駄かもしれないけれど、その無駄な時間を過ごすのが好きだから。
ほんの少し体勢を変えて、でもソファーから起き上がることはせずそのままスマホを見つめていた。ゲームアプリを開いて溜まっている体力を消費するため画面を数回タップする。惰性で操作して体力を使い切り、アプリを閉じてSNSをチェックする。一通り見終わると、更新しても新しい投稿はなかなか出てこなくなった。みんな寝ちゃったかな。
1981ほんの少し体勢を変えて、でもソファーから起き上がることはせずそのままスマホを見つめていた。ゲームアプリを開いて溜まっている体力を消費するため画面を数回タップする。惰性で操作して体力を使い切り、アプリを閉じてSNSをチェックする。一通り見終わると、更新しても新しい投稿はなかなか出てこなくなった。みんな寝ちゃったかな。
途綺*
DONE🔮🐑//君色の指先甘えたり、寄り添ったり、振り回したりする話。
「浮奇、髪を…」
風呂から上がって雑にタオルドライした髪先からポタポタと雫を落としながらリビングへと向かったファルガーは、先に風呂を上がってソファに座っている浮奇に声を掛けようとして途中で言葉を止めた。熱心に手元を見つめる浮奇の前には、黒いネイルの瓶が置いてある。静かに近寄れば足音に気付いた浮奇が顔を上げた。
「ふーふーちゃん、上がったの?おかえり。」
「あぁ、ただいま。ネイルしてるのか?」
「ううん、これから。ちゃんと髪拭いてきた?」
母親のような口調で問いかける浮奇に、頷くことで返事をする。そのまま浮奇の隣へと腰掛ければ、動いたことで髪先から落ちた雫がソファに染みを作った。
「うそつき。」
「…拭いた、軽く。」
2200風呂から上がって雑にタオルドライした髪先からポタポタと雫を落としながらリビングへと向かったファルガーは、先に風呂を上がってソファに座っている浮奇に声を掛けようとして途中で言葉を止めた。熱心に手元を見つめる浮奇の前には、黒いネイルの瓶が置いてある。静かに近寄れば足音に気付いた浮奇が顔を上げた。
「ふーふーちゃん、上がったの?おかえり。」
「あぁ、ただいま。ネイルしてるのか?」
「ううん、これから。ちゃんと髪拭いてきた?」
母親のような口調で問いかける浮奇に、頷くことで返事をする。そのまま浮奇の隣へと腰掛ければ、動いたことで髪先から落ちた雫がソファに染みを作った。
「うそつき。」
「…拭いた、軽く。」
しろ🐾
DONE🐑🔮「これを読んでいる頃には、俺はもういません」・全然シリアスじゃ無い
・ほぼ🐑ちゃんの独り言
・一緒に暮らしている設定
突発ワンライ企画参加させていただきました
テーマ「泣きそうな横顔」
ツイッターに上げたものを加筆修正
愛するきみへ 7:20
朝身体を起こすと、深酒をしたわけでもないのに随分と頭が痛かった。バスルームで用を足し、鏡に映ったふて腐れた顔を横目に洗面台から鎮痛剤の入れ物を掴む。キッチンに行くと、カウンターに折りたたまれた手紙が置いてあった。
二つ折りになった紙の真ん中に良く知った筆跡で自分の名前が、右下には彼のサインがしてある。
ことりと薬の容器をカウンターに置いて、代わりに重ねて折られた紙を開く。
『ふぅふぅちゃんへ
この手紙を読む頃には、俺はもういません』
息を大きく吸って胸に溜めてから、長く吐く。頭痛が酷くなった気がした。
8:00
薄い塩味のビスケットを二枚食べてからオレンジジュースをグラスに半分だけ飲む。グラスを空にしてから水を一杯までいれて、痛み止めを二錠口の中に放り込む。舌に乗った苦みを水で流し込みながら、手紙の続きを読んだ。
3220朝身体を起こすと、深酒をしたわけでもないのに随分と頭が痛かった。バスルームで用を足し、鏡に映ったふて腐れた顔を横目に洗面台から鎮痛剤の入れ物を掴む。キッチンに行くと、カウンターに折りたたまれた手紙が置いてあった。
二つ折りになった紙の真ん中に良く知った筆跡で自分の名前が、右下には彼のサインがしてある。
ことりと薬の容器をカウンターに置いて、代わりに重ねて折られた紙を開く。
『ふぅふぅちゃんへ
この手紙を読む頃には、俺はもういません』
息を大きく吸って胸に溜めてから、長く吐く。頭痛が酷くなった気がした。
8:00
薄い塩味のビスケットを二枚食べてからオレンジジュースをグラスに半分だけ飲む。グラスを空にしてから水を一杯までいれて、痛み止めを二錠口の中に放り込む。舌に乗った苦みを水で流し込みながら、手紙の続きを読んだ。
ketaketa_kkk
DOODLE※まiほiやiくパロ東iのi国で出会うふたりの話。さまざまな捏造があります。なんでも許せる方向け。まだ付き合ってない 続くかも
#PsyBorg #CyChic 🔴🟣 7787
𝓪𝓶𝓾
DONE突発ワンライ企画!テーマ「泣きそうな横顔」🐑🔮です。
不安な🔮の感情表出どんなかなって思って書きました。
手をつないで:🐑🔮「ふぅふぅちゃん」
甘えたような声で俺を呼ぶのは、教室の後ろの引き戸にもたれかかった浮奇だった。もう夏も目前で特別気温が低いわけでもないのに、ジャケットの下にパーカーを着ていた。体調でも悪いのかと心配になるが、近づいてみてもそこまで顔色は悪くなさそうだ。
「どうした、浮奇。寒いのか?」
「んん……、ちょっとね。今日って放課後空いてる?」
「今日は委員会もないし、予定もないから空いてるぞ?」
「OK、じゃあ今日は放課後デートね。じゃあ」
用は済んだと足早にその場を離れようとする浮奇を呼び止めて、急ぎ足で自分の机まで戻り、偶然にも持ってきていたカーディガンを手に、浮奇の元へと戻る。
「寒いなら、これも」
差し出したカーディガンを受け取った浮奇は、両手に抱えてにっこりと笑い、
1807甘えたような声で俺を呼ぶのは、教室の後ろの引き戸にもたれかかった浮奇だった。もう夏も目前で特別気温が低いわけでもないのに、ジャケットの下にパーカーを着ていた。体調でも悪いのかと心配になるが、近づいてみてもそこまで顔色は悪くなさそうだ。
「どうした、浮奇。寒いのか?」
「んん……、ちょっとね。今日って放課後空いてる?」
「今日は委員会もないし、予定もないから空いてるぞ?」
「OK、じゃあ今日は放課後デートね。じゃあ」
用は済んだと足早にその場を離れようとする浮奇を呼び止めて、急ぎ足で自分の机まで戻り、偶然にも持ってきていたカーディガンを手に、浮奇の元へと戻る。
「寒いなら、これも」
差し出したカーディガンを受け取った浮奇は、両手に抱えてにっこりと笑い、
途綺*
DONE🔮🐑//君の愛に溺れる静かに追い詰められている話。彼は一体何をやらかしたんでしょうね?
ファルガーがソファに座っていると、手に持っているのが本でもスマホでも構わず浮奇はいつも膝に乗りたがる。時に正面だったり後ろ向きだったり気分によって変わるそれは、猫が自分の心を許した存在に寄り添うのと良く似ていて、少し擽ったい愛おしさに心を解されるようなファルガーの好きな瞬間だった。サイボーグであるため浮奇の体重が何の問題にもならないことを伝えてからは遠慮なく距離を詰めてくるようになったことだって、ファルガーにとってこの上なく嬉しいことだった。
だが長所と短所は紙一重とはよく言うもので、ファルガーは嬉しそうな顔で近づいてきた十数分前の浮奇を膝に乗せたことを酷く後悔していた。
「ふーふーちゃん、聞いてる?」
2079だが長所と短所は紙一重とはよく言うもので、ファルガーは嬉しそうな顔で近づいてきた十数分前の浮奇を膝に乗せたことを酷く後悔していた。
「ふーふーちゃん、聞いてる?」
しろ🐾
DONE🐏🔮🐏 「🐏ちゃんに入れたい」「はい?!」・首にキスしてたら予定外のことになった話
・お腹にキスする話の続き
・単体でも読めます
・R18じゃないです
日頃、思っていたよりは俺とのスキンシップに時間を割いてくれる君のことは大好きだし、愛しているし、可能な限り応えたいとは思っている。
思っているんだけどさ。
最近、君への応え方がちょっとよくわからない。
「……お腹揉んだら蹴り飛ばすから」
「んー」
わかってるんだかわかってないんだか、よくわからない返事が、首とうなじの境目で聞こえてくる。
夜のスキンケアを終えて、小腹が空いたからチーズを食べて、もう寝ようか、もう少し起きていようかとスマホを見ながら迷っていると、彼に捕まった。
今日は後ろから抱き込まれて首やうなじに顔をくっつけられている。くすぐったいし、お腹に手が当たっているから居心地は悪い。でも、身じろぐと、「どこに行くんだ」って言うみたいに腕に力を入れられて、抱え込まれる。
2293思っているんだけどさ。
最近、君への応え方がちょっとよくわからない。
「……お腹揉んだら蹴り飛ばすから」
「んー」
わかってるんだかわかってないんだか、よくわからない返事が、首とうなじの境目で聞こえてくる。
夜のスキンケアを終えて、小腹が空いたからチーズを食べて、もう寝ようか、もう少し起きていようかとスマホを見ながら迷っていると、彼に捕まった。
今日は後ろから抱き込まれて首やうなじに顔をくっつけられている。くすぐったいし、お腹に手が当たっているから居心地は悪い。でも、身じろぐと、「どこに行くんだ」って言うみたいに腕に力を入れられて、抱え込まれる。
どこかのこびと
DONE「待ってる。」※注意
フィクションです。
左右固定もなく、腐要素もほぼないです。
お休みしている🐏を待ってるよ、と言う気持ちで書きました。
「おはよう、ふーふーちゃん。」
「今日は凄く良い天気だよ。1日中快晴なんだって。」
「家で日向ぼっこしようか、それとも出かけてみようか迷っちゃうね。」
「そういえば育ててたお花がようやく咲いたんだ。明日飾るね。」
サラサラと指先で髪を梳き、囁くような声で浮奇は話しかける。穏やかな顔で目を瞑り横たわるファルガーからの反応は無い。頬に手を添え眠り続けるファルガーの顔を見つめた。
“スリープ”。稼働していた機械部分に負荷がかかりすぎたため正常に戻るまでの待機状態。肉体は最低限の生命活動だけに留めてファルガーは眠り続けていた。
「みんな待ってるよ。サニーも、アルバーンも。ミリーもエナーも、ヴォックスもシュウも、コンフィダンツも、そして俺も。みんなね。」
834「今日は凄く良い天気だよ。1日中快晴なんだって。」
「家で日向ぼっこしようか、それとも出かけてみようか迷っちゃうね。」
「そういえば育ててたお花がようやく咲いたんだ。明日飾るね。」
サラサラと指先で髪を梳き、囁くような声で浮奇は話しかける。穏やかな顔で目を瞑り横たわるファルガーからの反応は無い。頬に手を添え眠り続けるファルガーの顔を見つめた。
“スリープ”。稼働していた機械部分に負荷がかかりすぎたため正常に戻るまでの待機状態。肉体は最低限の生命活動だけに留めてファルガーは眠り続けていた。
「みんな待ってるよ。サニーも、アルバーンも。ミリーもエナーも、ヴォックスもシュウも、コンフィダンツも、そして俺も。みんなね。」
おもち
TRAININGPsyBorg。料理人パロ5つ目。とりあえずこれで終わり〜!最後にちょろっと料理させられたけどほとんど料理人感ゼロでした。楽しかったから良し。ひとつめ→https://poipiku.com/5487879/8623090.html
郊外の一軒家は隣の家から距離があり、しんと静かに佇んでいた。
鍵を開けたふーちゃんの後について中に入って、電気が付いていない薄暗い玄関で躓き彼に手を伸ばす。しっかりと抱き止めてくれた彼が俺の顔を覗き込んで「大丈夫か?」と聞いた。
ここに来るまでに少し酔いが覚めた気がしたのに、俺は欲望のままにその唇にキスをした。一度触れてしまえばそれまで我慢していた分止まれずに何度も繰り返し重ねて、食んで、そうしているうちに彼もわずかに口を開いたから心臓が震えるのを感じながら舌を伸ばした。熱い口内で、舌と舌が触れ合う。泣いちゃいそうなくらい気持ちいいのは、酔ってるからかな。
「んっ……、うき、浮奇、ストップ、っは」
「ぁ、んん……。……う、ごめん、なんかもう、……だって、ずっと、さわりたたくて」
4985鍵を開けたふーちゃんの後について中に入って、電気が付いていない薄暗い玄関で躓き彼に手を伸ばす。しっかりと抱き止めてくれた彼が俺の顔を覗き込んで「大丈夫か?」と聞いた。
ここに来るまでに少し酔いが覚めた気がしたのに、俺は欲望のままにその唇にキスをした。一度触れてしまえばそれまで我慢していた分止まれずに何度も繰り返し重ねて、食んで、そうしているうちに彼もわずかに口を開いたから心臓が震えるのを感じながら舌を伸ばした。熱い口内で、舌と舌が触れ合う。泣いちゃいそうなくらい気持ちいいのは、酔ってるからかな。
「んっ……、うき、浮奇、ストップ、っは」
「ぁ、んん……。……う、ごめん、なんかもう、……だって、ずっと、さわりたたくて」
おもち
TRAININGPsyBorg。うきがふちゃの家の猫ちゃんたちと初めて会う話。好き勝手書いてます。インターホンを押して家の前で待っていた俺は、いつもより時間がかかって開いた扉の向こうから現れたふーふーちゃんを見て言葉をなくした。正確には、ふーふーちゃんが両脇に抱える猫を見て。
「いらっしゃい浮奇。待たせて悪かった」
「……えっと、……」
「……とりあえず入るか?」
一歩後ろに下がって場所を開けてくれたふーふーちゃんに曖昧にお礼を言って、俺は家の中に入り玄関の扉を閉めた。
ふーふーちゃんはホッとした表情で両手を下げ二匹の猫を床に下ろす。途端、その子たちは弾丸のようなスピードでリビングの方に向かって駆けて行った。
「……猫、飼ってたっけ?」
「先週末に迎えたんだ。驚かせようと思ってナイショにしていた」
「あぁ……驚いたよ……めちゃくちゃ驚いた……。だってふーふーちゃん、犬派じゃん」
4163「いらっしゃい浮奇。待たせて悪かった」
「……えっと、……」
「……とりあえず入るか?」
一歩後ろに下がって場所を開けてくれたふーふーちゃんに曖昧にお礼を言って、俺は家の中に入り玄関の扉を閉めた。
ふーふーちゃんはホッとした表情で両手を下げ二匹の猫を床に下ろす。途端、その子たちは弾丸のようなスピードでリビングの方に向かって駆けて行った。
「……猫、飼ってたっけ?」
「先週末に迎えたんだ。驚かせようと思ってナイショにしていた」
「あぁ……驚いたよ……めちゃくちゃ驚いた……。だってふーふーちゃん、犬派じゃん」
途綺*
DONE🐑🔮//スターチスを迎えに知らない人から贈り物を貰う話。傷つくのは怖いから遠回しにしか伝えられない、ちょっとずるい大人の恋愛。スターチスの花言葉は「変わらぬ心」
インターホンの鳴る音に、浮奇は作業をしていた手を止める。窓から見えたのは運送業者の車だが、ルームメイトに受け取りを頼まれた覚えはなかった。とはいえ頼んでいたこと自体を忘れることはお互いに多々あるため、待たせるわけにもいかず足早に玄関へと向かう。
「はーい!」
「浮奇・ヴィオレタさん、お荷物が届いてます。」
この地域を担当するいつもの配達員が笑顔でダンボールを渡してくる。浮奇より同じかやや歳下であろう彼は、イケメンな上に配達業をやっているだけあって適度に筋肉もついている浮奇の推しである。丁寧にお礼を言って受け取った浮奇は、帽子をとって挨拶する彼が背中を向けたのを確認してからドアを閉めた。
ちなみに引っ越してから初めて受け取りに出た時の話をルームメイトにした際に、自分が出る時に気まずいから電話番号を渡すなと強めに言われたのも今となっては笑い話だ。浮奇だって誰彼構わずアプローチを掛けている訳でなはいのに。
3834「はーい!」
「浮奇・ヴィオレタさん、お荷物が届いてます。」
この地域を担当するいつもの配達員が笑顔でダンボールを渡してくる。浮奇より同じかやや歳下であろう彼は、イケメンな上に配達業をやっているだけあって適度に筋肉もついている浮奇の推しである。丁寧にお礼を言って受け取った浮奇は、帽子をとって挨拶する彼が背中を向けたのを確認してからドアを閉めた。
ちなみに引っ越してから初めて受け取りに出た時の話をルームメイトにした際に、自分が出る時に気まずいから電話番号を渡すなと強めに言われたのも今となっては笑い話だ。浮奇だって誰彼構わずアプローチを掛けている訳でなはいのに。
honamin106
DONE🐑🔮身体の一部に花が咲く奇病に罹った二人の話
⚠️明るくて暗い。奇病自体は重くないです安心してください✋
ふぉろわっちの誕生花がテーマだったのですがとてもお祝い事の話じゃなくなったので供養( ˆ̑‵̮ˆ̑ )(全6ページ) 7
ketaketa_kkk
DOODLE以前べったーにあげていたものを移動しました。珍しく弱る🟣と助ける🔴、に見せかけた話
※能力捏造などあり 何でも許せる方だけ読んでください
※のく同居設定
#PsyBorg #CyChic 🔴🟣 4009
おもち
TRAININGPsyBorg。構われたがりのいい子が一人と一匹。愛犬と散歩をした帰り、ふと思いついた俺は玄関から上がらずに家の裏に回り庭に面する大きな窓からリビングを覗き込んだ。この時間ならもう起きてきているはず、という予想通り、家の中にはマグカップ片手にソファーでくつろぐ浮奇がいる。まだぼんやりしているからきっと起きたばかりなのだろう。
驚かせて目を覚まさせてやろうと、浮奇に怒られることは覚悟の上でむくむくと湧いたイタズラ心に笑みを浮かべた。おすわりをしていい子に待っている相棒にシィーっと指を立て、音を立てないようにそっと窓を開ける。と、窓から入り込んだ風がふわっとレースのカーテンを揺らしてしまった。
「……ふーふーちゃん?」
寝起きの声で小さく問いかけられ、身を固まらせていた俺はイタズラ失敗にため息を吐いてカーテンをめくった。少し驚いたふうな浮奇に曖昧な笑みを浮かべて見せる。
2929驚かせて目を覚まさせてやろうと、浮奇に怒られることは覚悟の上でむくむくと湧いたイタズラ心に笑みを浮かべた。おすわりをしていい子に待っている相棒にシィーっと指を立て、音を立てないようにそっと窓を開ける。と、窓から入り込んだ風がふわっとレースのカーテンを揺らしてしまった。
「……ふーふーちゃん?」
寝起きの声で小さく問いかけられ、身を固まらせていた俺はイタズラ失敗にため息を吐いてカーテンをめくった。少し驚いたふうな浮奇に曖昧な笑みを浮かべて見せる。