siiiiiiiiro
DOODLE両片思いに挟まれる祈瑠ストンピング「祈瑠くん~、前お願いしたスポドリこれじゃな~い」
「……」
「あれ? 耳ついてる?」
「あああやかましい!」
つん、と頬を突かれて、その正体を振り切る。時間の限られたレッスンルームで、本来なら休憩時間すら惜しい。それなのにミスの目立つところを修正して、一曲通しをしただけでへばってしまう男に付き合ってやってるのはこっちの方だ。
へらへら笑うひゅーいを睨みつけ、隣でその様子を見てるだけの男にも同じ目を向ける。だが、プリマジスタの状態と違い黒髪のままのそいつは申し訳なさそうに眉尻を下げるだけだった。
「俺はお前らの監督をしているのであって小間使いになった覚えはない」
「ボクらが更によいプリマジを出来るように祈瑠くんがいるんだよね? じゃあボクのために欲しい飲み物を差し入れするのも祈瑠くんの役目じゃない?」
1433「……」
「あれ? 耳ついてる?」
「あああやかましい!」
つん、と頬を突かれて、その正体を振り切る。時間の限られたレッスンルームで、本来なら休憩時間すら惜しい。それなのにミスの目立つところを修正して、一曲通しをしただけでへばってしまう男に付き合ってやってるのはこっちの方だ。
へらへら笑うひゅーいを睨みつけ、隣でその様子を見てるだけの男にも同じ目を向ける。だが、プリマジスタの状態と違い黒髪のままのそいつは申し訳なさそうに眉尻を下げるだけだった。
「俺はお前らの監督をしているのであって小間使いになった覚えはない」
「ボクらが更によいプリマジを出来るように祈瑠くんがいるんだよね? じゃあボクのために欲しい飲み物を差し入れするのも祈瑠くんの役目じゃない?」
siiiiiiiiro
DONE⚠️先天性女体化両片思い
ファーストフラッシュ「はいこれ! ひゅーいさんに!」
「お、おう」
まつりから受け取る紙袋は、手に持った瞬間ずしりと重みを感じた。店番をしている最中、奥から出てきたまつりにひゅーいの不在を告げると落ち込んだ様子だったが、どうやら贈り物を渡したかっただけらしい。代わりに渡しておくよと伝えると、想像よりも大きい紙袋を渡されたものだから困惑するのも当然だろう。
「みゃむと作りすぎちゃったの。でもひゅーいさんなら喜んでくれるかなーって!」
中身を覗くと、確かに個包装されたお菓子が見える。ラインナップを聞くと、その下にケーキも入っているらしかった。
重さの理由が分かって納得すると同時に、橙真の疑問は更に深まった。ひゅーいはまつりより少食で、甘い物は好きでもこんな量を食べきれるとは思えない。だからといって、橙真と二人で食べるにしても多いだろう。
2594「お、おう」
まつりから受け取る紙袋は、手に持った瞬間ずしりと重みを感じた。店番をしている最中、奥から出てきたまつりにひゅーいの不在を告げると落ち込んだ様子だったが、どうやら贈り物を渡したかっただけらしい。代わりに渡しておくよと伝えると、想像よりも大きい紙袋を渡されたものだから困惑するのも当然だろう。
「みゃむと作りすぎちゃったの。でもひゅーいさんなら喜んでくれるかなーって!」
中身を覗くと、確かに個包装されたお菓子が見える。ラインナップを聞くと、その下にケーキも入っているらしかった。
重さの理由が分かって納得すると同時に、橙真の疑問は更に深まった。ひゅーいはまつりより少食で、甘い物は好きでもこんな量を食べきれるとは思えない。だからといって、橙真と二人で食べるにしても多いだろう。
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PAST2年前のwebオンリー用で描いていたとうひゅの再録 アニメ本編後、まだ付き合ってない二人です ◇当時ネップリで印刷してイイカンジに折る()と小さい本になってました。当時は印刷用にフォント(字)を大きめに載せていましたが再録にあたりひとまわり小さくしてます 8siiiiiiiiro
DOODLE赤い糸を結ばないと死ぬマナマナの話⚠️まつりが留学してるのに祈瑠がマネをしているご都合謎軸です
9/12イントロのみ
→9/18完成
狼は愛の夢を見るか 運命の赤い糸というのは、言わば呪いだ。
幼い頃教えられた伝承は、「運命の人とずっと一緒に居られる」なんて可愛らしい御伽噺だった。でも成長するにつれ、マナマナの血を絶やさないよう子孫繁栄の為に作られた厄介な掟であることが、ありありと分かる。
ひとつ、一定の年齢に達したマナマナは、赤い糸を結ぶ相手を選べる。合意が得られて始めて、成立となる。
ひとつ、赤い糸を結んだ相手は一生添い遂げるパートナーとなり、他者へ好意が移らない。
ひとつ、赤い糸を一度結んでしまうと原則解消することが出来ない。解消する場合、相応の代償を負う。
ひとつ、適齢期を迎えても尚誰とも結べていないマナマナは、寿命が減っていく。
――これが呪いと言わずして、何と言うのか。プリマジが盛んになった影響か、恋愛よりもプリマジを見ている方がいい、なんてマナマナも出始めた昨今には到底合わない風習だ。それでも、この呪いが消えてなくなるわけじゃなかった。
10513幼い頃教えられた伝承は、「運命の人とずっと一緒に居られる」なんて可愛らしい御伽噺だった。でも成長するにつれ、マナマナの血を絶やさないよう子孫繁栄の為に作られた厄介な掟であることが、ありありと分かる。
ひとつ、一定の年齢に達したマナマナは、赤い糸を結ぶ相手を選べる。合意が得られて始めて、成立となる。
ひとつ、赤い糸を結んだ相手は一生添い遂げるパートナーとなり、他者へ好意が移らない。
ひとつ、赤い糸を一度結んでしまうと原則解消することが出来ない。解消する場合、相応の代償を負う。
ひとつ、適齢期を迎えても尚誰とも結べていないマナマナは、寿命が減っていく。
――これが呪いと言わずして、何と言うのか。プリマジが盛んになった影響か、恋愛よりもプリマジを見ている方がいい、なんてマナマナも出始めた昨今には到底合わない風習だ。それでも、この呪いが消えてなくなるわけじゃなかった。
siiiiiiiiro
DOODLE同棲してる二人の歩幅「……にがい」
「あー……あはは、やっぱり?」
眉間に皺を寄せた橙真の顔を一瞥して、ひゅーいは苦笑いを浮かべて焦げのついたフライパンをシンクに隠す。上手くいった試しのない料理は、やっぱり今回も失敗だった。明らかに黒くなってしまったそれを橙真に食べさせる気なんてなかったのに、フレンチトーストになる予定だったそれは隠蔽するより早く、横から伸びてきた手に連れ去られてしまった。
指についた粉砂糖を舌で舐め取る橙真から見えないようにカードを出して、小さい声でマナマナと呟く。パッとシンクの中のフライパンが黒から綺麗なシルバーに変わって安心していると、カードを持つ手を咎めるように掴まれた。
「あっこら、マナマナ使っただろ」
1776「あー……あはは、やっぱり?」
眉間に皺を寄せた橙真の顔を一瞥して、ひゅーいは苦笑いを浮かべて焦げのついたフライパンをシンクに隠す。上手くいった試しのない料理は、やっぱり今回も失敗だった。明らかに黒くなってしまったそれを橙真に食べさせる気なんてなかったのに、フレンチトーストになる予定だったそれは隠蔽するより早く、横から伸びてきた手に連れ去られてしまった。
指についた粉砂糖を舌で舐め取る橙真から見えないようにカードを出して、小さい声でマナマナと呟く。パッとシンクの中のフライパンが黒から綺麗なシルバーに変わって安心していると、カードを持つ手を咎めるように掴まれた。
「あっこら、マナマナ使っただろ」
siiiiiiiiro
DOODLE強制メロメロ攻撃「おい、待てって!」
あーあ、面倒くさい。橙真に掴まれてしまった腕を見おろして、笑顔を張り付けたまま俺は内心ため息をついた。
橙真の愚直で素直で頑固なところは大好きなのに、こういう時ばっかりは自分との相性の悪さが目立ってしまう。この世には首を突っ込まないほうがいいことなんて沢山あるのに。
「橙真、後で話すから。今は離して」
「そう言ってまた、有耶無耶にする気だろ」
多分、すごい怖い顔をしている。見なくなって分かる。腕を掴む力も、語気も、伝わってくるワッチャも、普段の優しい橙真と違う色だから。
「あの人、いつも俺達の楽屋に来る人だよな。スポンサーってオメガ抜きで俺達に会いに来るようなものなのか?」
2070あーあ、面倒くさい。橙真に掴まれてしまった腕を見おろして、笑顔を張り付けたまま俺は内心ため息をついた。
橙真の愚直で素直で頑固なところは大好きなのに、こういう時ばっかりは自分との相性の悪さが目立ってしまう。この世には首を突っ込まないほうがいいことなんて沢山あるのに。
「橙真、後で話すから。今は離して」
「そう言ってまた、有耶無耶にする気だろ」
多分、すごい怖い顔をしている。見なくなって分かる。腕を掴む力も、語気も、伝わってくるワッチャも、普段の優しい橙真と違う色だから。
「あの人、いつも俺達の楽屋に来る人だよな。スポンサーってオメガ抜きで俺達に会いに来るようなものなのか?」
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DOODLEとうひゅ恋愛ベタはどっち「俺が花だとしたら、どれだと思う?」
「……は?」
飴の修行が一段落して、やっとの休憩に小さく息を吐いたひゅーいに降りかかった質問は、あまりに唐突なものだった。
疲れたねぇ、とボヤいた声なんて橙真の耳に届いていなかったのだろう。じゃなければ、こんな脈絡もない質問が飛んでくるはずがない。
差し入れして貰ったジュースに伸びた手を引っ込めて、橙真が向けてくるスマホの画面いっぱいに映る四択を覗き込む。バラ、ガーネット、カーネーション、ユリ。正直、どれも橙真の印象からはほど遠い。
「う、うーん……強いて言うなら……ガーネットとか?」
「………………そうか」
「えーと、なに? これ」
橙真がこうして会話の流れを無視してくることは珍しくない。橙真は口数が多くない上にじっと考え込んでから言葉を発するから、畳み掛けるように喋るひゅーいとたまに会話が噛み合わなくなる。それでも、ひゅーいにとっては世界の誰より橙真の言葉が大事なのだけれど。
1523「……は?」
飴の修行が一段落して、やっとの休憩に小さく息を吐いたひゅーいに降りかかった質問は、あまりに唐突なものだった。
疲れたねぇ、とボヤいた声なんて橙真の耳に届いていなかったのだろう。じゃなければ、こんな脈絡もない質問が飛んでくるはずがない。
差し入れして貰ったジュースに伸びた手を引っ込めて、橙真が向けてくるスマホの画面いっぱいに映る四択を覗き込む。バラ、ガーネット、カーネーション、ユリ。正直、どれも橙真の印象からはほど遠い。
「う、うーん……強いて言うなら……ガーネットとか?」
「………………そうか」
「えーと、なに? これ」
橙真がこうして会話の流れを無視してくることは珍しくない。橙真は口数が多くない上にじっと考え込んでから言葉を発するから、畳み掛けるように喋るひゅーいとたまに会話が噛み合わなくなる。それでも、ひゅーいにとっては世界の誰より橙真の言葉が大事なのだけれど。
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