サトウ
DONE12/12のテーマは『オーナメント』寮のみんなとツリーの飾り付けをしている兄弟と、兄弟の過去の思い出話
対の獅子 小麦の毛並みに鼻を埋め、太陽の香りを肺に入れる。重なり合うように兄さんと団子になりながら毛繕いをするのは、子ライオンたる僕らの日常だった。
顔の毛並みを整えているときにクルクルと心地よさそうに鳴く兄さんが大好きで、僕はつい何回も何回も、丁寧に兄さんの顔の毛を整えてあげるのだ。
――この、例えようのない温かな夢が僕のお気に入り。この夢を見られた日には良いことがあると、子供ながらによく考えていた。
△▼△▼△▼△▼
その日のジェターク寮のラウンジには、巨大なツリーが聳えていた。そのツリーを設置しようと操る作業員の手によってモミの枝が揺れる度、あちらこちらで歓声が上がる。
「ずいぶん立派なものが来たな」
6689顔の毛並みを整えているときにクルクルと心地よさそうに鳴く兄さんが大好きで、僕はつい何回も何回も、丁寧に兄さんの顔の毛を整えてあげるのだ。
――この、例えようのない温かな夢が僕のお気に入り。この夢を見られた日には良いことがあると、子供ながらによく考えていた。
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その日のジェターク寮のラウンジには、巨大なツリーが聳えていた。そのツリーを設置しようと操る作業員の手によってモミの枝が揺れる度、あちらこちらで歓声が上がる。
「ずいぶん立派なものが来たな」
ktkr45_great12
MOURNINGラウグエアドベントカレンダー企画のワンドロに間に合わなかった物。テーマ「サンタへの手紙」。ちょっと致してる描写があるのでワンクッションします。
兄が弟大好きです。大大大好きです。 2042
gw_morina
DOODLEラウグエアドベント企画で書いたものです。12/7担当分。ラウグエアドベント『ごちそう』「じゃあラウダってクリスマス、祝ったこと無いんだ」
「うん。お寺が経営してる児童養護施設だったからね」
軽く照明を絞った部屋の中、テレビの僅かな光に照らされた顔がこくりと頷く。
家庭教師のバイトが急遽休みになったラウダと、いつもだったら夜中まで勉強するけど冬期休暇のせいで大学図書館から閉め出されたグエル、暇をしていた俺、の三人で、集まってだらだらとホラーを見ている。
画面の向こうでは主人公の幼なじみでありすべての黒幕だったサイコパスが血みどろになって斧を振り回していた。いわゆるクライマックスというやつなんだけど、俺とラウダの会話を聞いたグエルは何の未練も見せずにくるりとこちらを振り返り、尋ねた。
「でも『前世』では? 俺たち一緒に暮らしてたんだろ?」
2678「うん。お寺が経営してる児童養護施設だったからね」
軽く照明を絞った部屋の中、テレビの僅かな光に照らされた顔がこくりと頷く。
家庭教師のバイトが急遽休みになったラウダと、いつもだったら夜中まで勉強するけど冬期休暇のせいで大学図書館から閉め出されたグエル、暇をしていた俺、の三人で、集まってだらだらとホラーを見ている。
画面の向こうでは主人公の幼なじみでありすべての黒幕だったサイコパスが血みどろになって斧を振り回していた。いわゆるクライマックスというやつなんだけど、俺とラウダの会話を聞いたグエルは何の未練も見せずにくるりとこちらを振り返り、尋ねた。
「でも『前世』では? 俺たち一緒に暮らしてたんだろ?」
サトウ
DONEアドベント企画の開催おめでとうございます。12/3のテーマは『リース』
幼い兄弟でクリスマスリースを買いに行く話になります。
円環で象る永遠の 季節は冬。フロント管理局によって定められた肌寒さをコートとマフラーで誤魔化しながら、ジェターク家の兄弟はフロントで一番のモールへと向かっていた。
循環風が頬を霞めるのに首をすくめながら、落ち葉の絨毯を歩むグエルは今日の予定を確認するように声を出す。
「今日はこの道の先にあるモールへ行って、クリスマスリースを買うぞ。ラウダはうちに来て初めてのクリスマスだろ?だから、俺が我が家流のクリスマスを教えてやるよ」
「うん、兄さん」
鼻を赤らめながら頷く弟は、前方で落ち葉を踏みしめる兄の背中を眺めていた。
軽やかな音を立てながら潰れるカエデの葉は、兄の革靴によってクラッカーのようにパラパラとした欠片に変わっていく。時折存在する落ち葉の薄い場所ではヒールが石畳を叩く音が響き、葉の割れる音と交差するように華麗なアンダンテを刻んでいた。
7609循環風が頬を霞めるのに首をすくめながら、落ち葉の絨毯を歩むグエルは今日の予定を確認するように声を出す。
「今日はこの道の先にあるモールへ行って、クリスマスリースを買うぞ。ラウダはうちに来て初めてのクリスマスだろ?だから、俺が我が家流のクリスマスを教えてやるよ」
「うん、兄さん」
鼻を赤らめながら頷く弟は、前方で落ち葉を踏みしめる兄の背中を眺めていた。
軽やかな音を立てながら潰れるカエデの葉は、兄の革靴によってクラッカーのようにパラパラとした欠片に変わっていく。時折存在する落ち葉の薄い場所ではヒールが石畳を叩く音が響き、葉の割れる音と交差するように華麗なアンダンテを刻んでいた。
380silvia611
PROGRESSめるきゃん開催おめでとうございます!1/7冬インテで出す予定のラウグエの冒頭を先行公開いたします。
半分ほどネーム状態ですがイベント中も出来次第順次差し替えてまいりますので変化をお楽しみください笑
パスワードはピクスク・もしくはピクリエのスペースに掲示しております。ぜひ遊びに来てください!
追記:あとから見返してめっちゃ暗い漫画でビビりました。超ハッピープロポーズ本です() 15
gw_morina
DOODLEラウグエSS221017 WINNER グエル・ジェターク
電脳掲示板の表示に、群衆のどよめきが渦のように響き渡る。
「すげえ!予選突破できちゃったじゃん!! グエル、プレイしたことも無いって言ってたのに!」
醒めない興奮にまかせて巨体で押しつぶすようなハグをしてくる友人に(一瞬潰されるかと身構えたけど、VRのプロフィール設定を軽くしてあるのか重さはなかった)、あはは、なんでだろと返す。
何でなのか。自分はあのゲームについて、よく知っていた。相手の動き、計器の表示にしたがって、頭の中の、いままで使われないまま眠りこけていた部分が目覚めていく。気がついたら対戦相手の操作するロボが膝をついていた。コロシアムの片隅には折れたブレードアンテナが転がっている。
1259電脳掲示板の表示に、群衆のどよめきが渦のように響き渡る。
「すげえ!予選突破できちゃったじゃん!! グエル、プレイしたことも無いって言ってたのに!」
醒めない興奮にまかせて巨体で押しつぶすようなハグをしてくる友人に(一瞬潰されるかと身構えたけど、VRのプロフィール設定を軽くしてあるのか重さはなかった)、あはは、なんでだろと返す。
何でなのか。自分はあのゲームについて、よく知っていた。相手の動き、計器の表示にしたがって、頭の中の、いままで使われないまま眠りこけていた部分が目覚めていく。気がついたら対戦相手の操作するロボが膝をついていた。コロシアムの片隅には折れたブレードアンテナが転がっている。
ぷらぐ
PAST5月と夏コミで配布させていただいた無配です。シャディグエ本「名称未確定」ラウグエ本「いじわるスイッチ」を
見ていただかないと、諸々分かりづらいかもしれません…(見ていただいても分からないかも🤣)
通販で買ってくださった方にも見ていただきたいなと思ったので掲載しました☺️ 4