FineRisoluto
REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。
ある「元」光の戦士の6.01その7「うま……」
フィーネはマーモットステーキにかぶりつき、ミントラッシーをのどに流し込む。つけあわせのキノコのソテーも平らげて、ふーっ、とひと息ついて食べ終える。
「こんなにたくさん食べたのはひさびさだよ」
「相変わらずいい食べっぷりだね。でも、昔の君は倍は食べていたように思うけれど」
カーラインカフェのミューヌが食後のお茶を出してくれる。程よい温かさとすっきりした香りが心地よい。
「これってイシュガルドティー?良いの、こんな高級なものを」
ミューヌも自分の分のお茶をテーブルの上に置き、向かいの席に腰掛ける。
「そこまで高級なものではないよ。イシュガルドからは来客も多いし、手に入れる機会が多いんだ」
ふーん、とうなずきつつ再びお茶をすする。
1565フィーネはマーモットステーキにかぶりつき、ミントラッシーをのどに流し込む。つけあわせのキノコのソテーも平らげて、ふーっ、とひと息ついて食べ終える。
「こんなにたくさん食べたのはひさびさだよ」
「相変わらずいい食べっぷりだね。でも、昔の君は倍は食べていたように思うけれど」
カーラインカフェのミューヌが食後のお茶を出してくれる。程よい温かさとすっきりした香りが心地よい。
「これってイシュガルドティー?良いの、こんな高級なものを」
ミューヌも自分の分のお茶をテーブルの上に置き、向かいの席に腰掛ける。
「そこまで高級なものではないよ。イシュガルドからは来客も多いし、手に入れる機会が多いんだ」
ふーん、とうなずきつつ再びお茶をすする。
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その6クルザス中央高地から黒衣森に入ってすぐ、フロランテル監視哨にて焚き火にあたる。
「助かります」
フィーネは相棒のチョコボと共に暖を取る。
「リゾルート大牙士のお役に立てて、光栄ですよ」
「あ、私の階級まだ生きてるんだ」
「当然ですあなたは我が双蛇党全員の目標のような存在ですから」
双蛇党に所属してから私、何かしましたっけ。とは言わないでおいた。
「この間も、ものすごい活躍をされたとか。ぜひ、その時のご活躍の話を……」
雲行きが怪しくなってきた。今、長話をするのはちとしんどい。
「ごめんなさい、先を急がないと」
フィーネは立ち上がってぱん、ぱんとお尻についた土を払い、鱗に少し挟まった土もつまんで取り除く。
770「助かります」
フィーネは相棒のチョコボと共に暖を取る。
「リゾルート大牙士のお役に立てて、光栄ですよ」
「あ、私の階級まだ生きてるんだ」
「当然ですあなたは我が双蛇党全員の目標のような存在ですから」
双蛇党に所属してから私、何かしましたっけ。とは言わないでおいた。
「この間も、ものすごい活躍をされたとか。ぜひ、その時のご活躍の話を……」
雲行きが怪しくなってきた。今、長話をするのはちとしんどい。
「ごめんなさい、先を急がないと」
フィーネは立ち上がってぱん、ぱんとお尻についた土を払い、鱗に少し挟まった土もつまんで取り除く。
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その5「ふぅ」
白い吐息が口から漏れる。
チョコボに乗って走っているせいもあるが、クルザスは年中寒い。
モードゥナを出て、一旦クルザス中央高地へ。その後、すぐに黒衣森北部へ。そのわずかな時間でも、雪の積もったこの土地はどうしても寒い。
そういえばこのあたりが雪国になったのは第七霊災以降ではなかったか。
ともすれば、このあたりもダラガブの影響でエーテルが凝固しているんだろうか。
モードゥナが雷、クルザスでは氷のエーテルが噴き出していると考えるとなかなか忙しい土地だ。
鼻先が冷たくなってくる。寒いのはあまり得意ではない。次からはもっと着込んでこよう……。
ぱしゃり、と水音を立てて、チョコボが川を横切った。
611白い吐息が口から漏れる。
チョコボに乗って走っているせいもあるが、クルザスは年中寒い。
モードゥナを出て、一旦クルザス中央高地へ。その後、すぐに黒衣森北部へ。そのわずかな時間でも、雪の積もったこの土地はどうしても寒い。
そういえばこのあたりが雪国になったのは第七霊災以降ではなかったか。
ともすれば、このあたりもダラガブの影響でエーテルが凝固しているんだろうか。
モードゥナが雷、クルザスでは氷のエーテルが噴き出していると考えるとなかなか忙しい土地だ。
鼻先が冷たくなってくる。寒いのはあまり得意ではない。次からはもっと着込んでこよう……。
ぱしゃり、と水音を立てて、チョコボが川を横切った。
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大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その4「まさかタタルさんにホルムギャングの素養があったなんて」
「暴れるヤクを生捕りにするのに便利なのでっす」
「オーバースペックだよ」
「放射状なのが当てづらいのでっす」
「それはオーバーパワーだよ」
タタル、戦士にでもなるのだろうか。
「フィーネさん元気がありませんねえ」
「タタルさんのせいだよ」
縛り上げて石の家まで連行されてきた。その直後に元気が出るものか。
やれやれ、と肩を落とすフィーネの全身を、タタルの視線が上から下まで何度も往復する。
「少し痩せまっしたか……?それに、なぜ弓を持っているのでっす?」
「不健康なわけじゃないよ。今はのんびりしているし、冒険していた頃より食べる量が減ったかな」
タタルの指摘はもっともで、フィーネは暁の血盟と行動を共にしていた頃から痩せている。とはいえ、あの頃は毎日野を駆け、魔物と戦い、帝国と戦い、蛮神を討滅し、夜には疲れたと叫びながら大量の食事を摂って風呂に入りすぐに熟睡していた。
2325「暴れるヤクを生捕りにするのに便利なのでっす」
「オーバースペックだよ」
「放射状なのが当てづらいのでっす」
「それはオーバーパワーだよ」
タタル、戦士にでもなるのだろうか。
「フィーネさん元気がありませんねえ」
「タタルさんのせいだよ」
縛り上げて石の家まで連行されてきた。その直後に元気が出るものか。
やれやれ、と肩を落とすフィーネの全身を、タタルの視線が上から下まで何度も往復する。
「少し痩せまっしたか……?それに、なぜ弓を持っているのでっす?」
「不健康なわけじゃないよ。今はのんびりしているし、冒険していた頃より食べる量が減ったかな」
タタルの指摘はもっともで、フィーネは暁の血盟と行動を共にしていた頃から痩せている。とはいえ、あの頃は毎日野を駆け、魔物と戦い、帝国と戦い、蛮神を討滅し、夜には疲れたと叫びながら大量の食事を摂って風呂に入りすぐに熟睡していた。
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REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その3フェオは激怒した。
必ず、『かわいい若木』の心を覗かねばならぬと決意した。
フェオには人間の心がわからぬ。
フェオはイル・メグのピクシーである。
魔法を操り、人間と遊んで暮らしてきた。
けれども『かわいい若木』の気まぐれには人一倍に鈍感であった。
今日未明フィーネはクリスタリウムを出発し、世界を越え山越え、十里はなれたここモードゥナの市にやって来た。
――探さないでください――
そんなありきたりの書き置きを残して。
それがどれほど『美しい枝』の機嫌を損ね厄介なことになるかとも知らずに。
「モードゥナって食べ物売ってないの?」
市に並ぶのは採集を行う者、製作を行う者向けの品ばかりだが、道具や装備に限っていて、料理の素材になりそうなものは何ひとつない。
967必ず、『かわいい若木』の心を覗かねばならぬと決意した。
フェオには人間の心がわからぬ。
フェオはイル・メグのピクシーである。
魔法を操り、人間と遊んで暮らしてきた。
けれども『かわいい若木』の気まぐれには人一倍に鈍感であった。
今日未明フィーネはクリスタリウムを出発し、世界を越え山越え、十里はなれたここモードゥナの市にやって来た。
――探さないでください――
そんなありきたりの書き置きを残して。
それがどれほど『美しい枝』の機嫌を損ね厄介なことになるかとも知らずに。
「モードゥナって食べ物売ってないの?」
市に並ぶのは採集を行う者、製作を行う者向けの品ばかりだが、道具や装備に限っていて、料理の素材になりそうなものは何ひとつない。
FineRisoluto
REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その2「はぁ」
彷徨う階段亭で、頬杖をついて思わずため息が出る。
今朝、食事を求めてクリスタリウムを回ってみたものの、どの店も物価が高い。
リムサ・ロミンサの10倍近い料理すらある。
罪喰いの脅威が去ったといえど、まだまだ食料調達には危険が伴うのだろうか。
一念発起して、レイクランドの植物や魚を自分で調達することにしたのだが……。
「フラントーヨ」
オリーブの果実。オリーブオイルにはなるが、これだけで食べられるものではない。
「ハードキャンディ」
藻の味しかしない。どの店に聞いても積極的に食べる者はいないようだ。
「ラクサンインクホーン」
体液が天然の染料になる巻き貝。そもそも食用ではない。
「キサントバス」
色素異常で黄色くなったバス。光の氾濫で色素異常を起こしていると言われているらしい。
2171彷徨う階段亭で、頬杖をついて思わずため息が出る。
今朝、食事を求めてクリスタリウムを回ってみたものの、どの店も物価が高い。
リムサ・ロミンサの10倍近い料理すらある。
罪喰いの脅威が去ったといえど、まだまだ食料調達には危険が伴うのだろうか。
一念発起して、レイクランドの植物や魚を自分で調達することにしたのだが……。
「フラントーヨ」
オリーブの果実。オリーブオイルにはなるが、これだけで食べられるものではない。
「ハードキャンディ」
藻の味しかしない。どの店に聞いても積極的に食べる者はいないようだ。
「ラクサンインクホーン」
体液が天然の染料になる巻き貝。そもそも食用ではない。
「キサントバス」
色素異常で黄色くなったバス。光の氾濫で色素異常を起こしていると言われているらしい。
FineRisoluto
REHABILI!FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
ある「元」光の戦士の6.01その1雨音で目が覚める。
窓から見えるクリスタルタワーはこんな朝でも壮観だ。
あくびをかみ殺しながら、布団から這い出る。
いや、やっぱり二度寝しようか……。
……いつも後悔するんだよな……。
ただ、もう少しだけ。
そう思って布団の中に戻ろうとした瞬間、部屋全体が眩く照らされた。直後、轟く雷鳴に、少しだけ眉毛が吊り上がる。
ラムウの雷撃の方がよほど凄まじかった。
しかし二度寝しようかという迷いを吹き飛ばすには十分だった。
ーー仕方ない。
くぁ、と今度は思いっきりあくびをして、「元」光の戦士ーーフィーネはようやくベッドから抜け出したのだった。
顔を洗い、銀の髪を後ろでひとつにまとめる。
冒険していたころは毎朝編み込んで凝った髪型にしていたのだか、今ではそんな気も起きず。
1400窓から見えるクリスタルタワーはこんな朝でも壮観だ。
あくびをかみ殺しながら、布団から這い出る。
いや、やっぱり二度寝しようか……。
……いつも後悔するんだよな……。
ただ、もう少しだけ。
そう思って布団の中に戻ろうとした瞬間、部屋全体が眩く照らされた。直後、轟く雷鳴に、少しだけ眉毛が吊り上がる。
ラムウの雷撃の方がよほど凄まじかった。
しかし二度寝しようかという迷いを吹き飛ばすには十分だった。
ーー仕方ない。
くぁ、と今度は思いっきりあくびをして、「元」光の戦士ーーフィーネはようやくベッドから抜け出したのだった。
顔を洗い、銀の髪を後ろでひとつにまとめる。
冒険していたころは毎朝編み込んで凝った髪型にしていたのだか、今ではそんな気も起きず。