kisaragi_555
DONE素敵なアオカブ企画様に参加させて頂いた作品です。pシオからそれぞれの地方に戻った後にちょっとしたすれ違いをするけれど仲直りする二人のお話です。
※本家とpkms時系が混ざった特殊時空です。
※名前だけですがpオニーさんが出てきます。pオニーさんはpkms未実装ですが、いずれ実装されそうだなと思いこの小説では既にpシオ入りしています。 4738
@きのみ
DOODLE焼きおにぎりの醤油・海苔事情を考える回。小物も上手に使う焼きとベーシックシンプルかつ最低限のおにぎり。
シャツイン勢はボール投げても大丈夫なように絶対シャツガーターしてるって赤本にも書いてありました。 3
1ko1nozikann
DONE※少し暗い、妄想の塊です。※🍙さんと🔥さんは一緒に暮らしています。
アオカブという奇跡のcpと出会えて、久々に「何か!創作を!したい!!」という思いが溢れて止まりませんでした。pkmsさん、ありがとう…ありがとう…🙏
書くというのは久々だったのですが、なんだか少し暗い雰囲気になってしまいました。機会があれば、和気藹々とした二人のお話を書きたいです。 1561
@きのみ
DOODLEずっとかわいいで済んでた焼きおにぎりがとうとう焼けてしまった…かわいいおじさんは、かわいい。かわいいかわいい言いながら、メンヘラオタクだから全方位に向けて「🔥さんに触るな」と思ったりするので心が5億個ある。難儀。 4
shakota_sangatu
DONEアオカブオメガバースその10 これでおしまい!Two of us10
パシオの大通りを、若いトレーナーが楽しそうに走っている。
小さなパートナーを連れて、楽しそうに走る彼らの中には、その首にオメガの証であるチョーカーを身に着けている者もいた。
少し前までは、勇気が出ずに首元を隠す服装を身に纏っていたその子が、周囲の目を気にせず楽し気にしていることには理由がある。
背中を、押してもらったから。
パシオで、──、それだけではない。パルデアで、ガラルで、その他の地方で。世界中のオメガを勇気づける、ある配信が行われたことは記憶に新しい。
【バース性で苦しまない世界を目指して】
このタイトルで投稿された動画に登場するのは、ベータであったはずの一人のベテラントレーナーだ。
6877パシオの大通りを、若いトレーナーが楽しそうに走っている。
小さなパートナーを連れて、楽しそうに走る彼らの中には、その首にオメガの証であるチョーカーを身に着けている者もいた。
少し前までは、勇気が出ずに首元を隠す服装を身に纏っていたその子が、周囲の目を気にせず楽し気にしていることには理由がある。
背中を、押してもらったから。
パシオで、──、それだけではない。パルデアで、ガラルで、その他の地方で。世界中のオメガを勇気づける、ある配信が行われたことは記憶に新しい。
【バース性で苦しまない世界を目指して】
このタイトルで投稿された動画に登場するのは、ベータであったはずの一人のベテラントレーナーだ。
shakota_sangatu
DONEアオカブオメガバースその8 次回はエロです。Two of us8
ガラルのダンデは、平凡を愛する自分とは真逆の、アルファらしい男だった。
『例のカブさんのスポンサーから、丁重に話を聞いてきたぜ』
どの口が、とアオキは思った。丁重にと言いながら、その目の光は苛烈さを増すばかりである。けれど、流調にそんなことを言う時間はない、何故ならアオキの目の前で大切なヒトが奪われて危険に曝されているのだから。
『優生サロン』
遠く落ちた稲妻が空を照らす大雨の中、その声はするりとアオキの耳に届く。
「なんです、それ、」
『ガラルにある、団体の名前だ。そちらの理事長からカブさんの転化の話を聞いたらしい、ひどく思想の偏った団体だが詳しいことなんて聞かなくていい、それより』
「はい、」
『カブさんを頼む』
6179ガラルのダンデは、平凡を愛する自分とは真逆の、アルファらしい男だった。
『例のカブさんのスポンサーから、丁重に話を聞いてきたぜ』
どの口が、とアオキは思った。丁重にと言いながら、その目の光は苛烈さを増すばかりである。けれど、流調にそんなことを言う時間はない、何故ならアオキの目の前で大切なヒトが奪われて危険に曝されているのだから。
『優生サロン』
遠く落ちた稲妻が空を照らす大雨の中、その声はするりとアオキの耳に届く。
「なんです、それ、」
『ガラルにある、団体の名前だ。そちらの理事長からカブさんの転化の話を聞いたらしい、ひどく思想の偏った団体だが詳しいことなんて聞かなくていい、それより』
「はい、」
『カブさんを頼む』
shakota_sangatu
DONEアオカブオメガバース進捗7 モブのターン!!!Two of us7
発光を纏った、一匹のオーベムが居た。暗くなった空と、光る身体のコントラストは人の心を不安にさせる。そう、オーベムが、居たのだ。
ワイルドエリアで時折姿を現す飛翔体、近づけば逃げていくその姿を可愛いと思ったことはあれ、不気味だと感じたことは一度もないのに。
ただ、このオーベムと目を合わせた時……。得体の知れない、妙な落ち着かなさを感じたのはどうしてだろうか。野生のポケモンに、臆したことなど一度もないのに。
このオーベムは、何かをし慣れている気がする……。例えるならば、思想を拗らせた人間の研究者から向けられる視線のような……。
【テレポート】
そうやって、意識の片隅で考えている間に。カブの身体は光に包まれ、オーベムと共に別の場所へと転送された。白く飛んだ視界が、まったく別の空間へと移り変わる。
8612発光を纏った、一匹のオーベムが居た。暗くなった空と、光る身体のコントラストは人の心を不安にさせる。そう、オーベムが、居たのだ。
ワイルドエリアで時折姿を現す飛翔体、近づけば逃げていくその姿を可愛いと思ったことはあれ、不気味だと感じたことは一度もないのに。
ただ、このオーベムと目を合わせた時……。得体の知れない、妙な落ち着かなさを感じたのはどうしてだろうか。野生のポケモンに、臆したことなど一度もないのに。
このオーベムは、何かをし慣れている気がする……。例えるならば、思想を拗らせた人間の研究者から向けられる視線のような……。
【テレポート】
そうやって、意識の片隅で考えている間に。カブの身体は光に包まれ、オーベムと共に別の場所へと転送された。白く飛んだ視界が、まったく別の空間へと移り変わる。
shakota_sangatu
DONEアオカブオメガバその6Two of us6
積み上げてきた一つ一つの出来事が、日常という名の歯車となって回り続ける……。
ときどき体調を崩しはしたものの、カブの日常は平穏に紡がれていく。
カブの朝は早く、そして日常の中でポケモンたちのケアは欠かさない。いつものように手持ちたちのために切った野菜や果物の残りでサラダを作り、ヨーグルトと、マルヤクデの頭でこんがりと焼いたパンと共に食べる。そのまま洗い物をし、ポケモンたちを庭で遊ばせながら簡単に部屋の掃除を行う。ウィンディやキュウコンの換毛期であれば大変な掃除も、すっかり夏毛に変わった今はさほど毛が落ちることもない。とはいえ、二匹へのブラッシングは、欠かすことの出来ない毎日のイベントなのだが。
10993積み上げてきた一つ一つの出来事が、日常という名の歯車となって回り続ける……。
ときどき体調を崩しはしたものの、カブの日常は平穏に紡がれていく。
カブの朝は早く、そして日常の中でポケモンたちのケアは欠かさない。いつものように手持ちたちのために切った野菜や果物の残りでサラダを作り、ヨーグルトと、マルヤクデの頭でこんがりと焼いたパンと共に食べる。そのまま洗い物をし、ポケモンたちを庭で遊ばせながら簡単に部屋の掃除を行う。ウィンディやキュウコンの換毛期であれば大変な掃除も、すっかり夏毛に変わった今はさほど毛が落ちることもない。とはいえ、二匹へのブラッシングは、欠かすことの出来ない毎日のイベントなのだが。
shakota_sangatu
DONEオメガバアオカブのその5 地獄Two of us5
ねぇ、アオキくん、此処から出たいよ……。
涙に濡れたその声が、今も耳の奥で木霊する。あんな哀願を聞いてしまえば、部屋に満ちる芳しい香りも、それに耐えるためにいくつも飲み込んだ薬の気持ち悪さもすべてがどうでもいい。
この人を助けたい、という想いは心の底から湧き上がるもので。そこにあったのは、ベータであるカブに抱いていた恋しさと同等の庇護欲……、この人を護りたいという渇望であった。
分かっていたはずだ。シンクに吐き出した汚濁と共に、想像はしていたはずだ。本当に傷ついているのは、アルファとオメガの呪いに巻き込まれた、目の前のこの人であることを……。
泣いている、あのカブが……、ぽろぽろと涙を零している。まるであの日のように、絶えぬ涙を流していたあの時のように……。
9773ねぇ、アオキくん、此処から出たいよ……。
涙に濡れたその声が、今も耳の奥で木霊する。あんな哀願を聞いてしまえば、部屋に満ちる芳しい香りも、それに耐えるためにいくつも飲み込んだ薬の気持ち悪さもすべてがどうでもいい。
この人を助けたい、という想いは心の底から湧き上がるもので。そこにあったのは、ベータであるカブに抱いていた恋しさと同等の庇護欲……、この人を護りたいという渇望であった。
分かっていたはずだ。シンクに吐き出した汚濁と共に、想像はしていたはずだ。本当に傷ついているのは、アルファとオメガの呪いに巻き込まれた、目の前のこの人であることを……。
泣いている、あのカブが……、ぽろぽろと涙を零している。まるであの日のように、絶えぬ涙を流していたあの時のように……。
shakota_sangatu
DONEオメガバ進捗その4 タイトルが決まりました。Two of us4
まるで、夢から醒めたような感覚だった。
水道の水をなみなみとコップに注ぎ、固い錠剤をいくつも喉の奥に流し込む。脳はまだ夢を見ているようで、けれども噛み砕いた薬の苦さと、包帯が巻かれた手の甲に走る鈍い痛みがここが現実なのだとそう訴える。
鞄に忍ばせていた常備薬を全て使い切って、込みあげる吐き気ごと残滓まで飲み込んだ。久々のオーバードーズは気分が悪い、きっと明日は使い物にならないだろう。──、それでも、今この瞬間の理性を繋ぎ留めたい。
夢であればよかった、夢であってほしかった。
我が身をさいなむ動悸が、目覚めを惜しむようなとびきりの吉夢の余韻であったのならばよかった。……、いいや、それでも良くない。あれは悪夢であるべきだ、あんな、自分を見失うような経験は……。
8521まるで、夢から醒めたような感覚だった。
水道の水をなみなみとコップに注ぎ、固い錠剤をいくつも喉の奥に流し込む。脳はまだ夢を見ているようで、けれども噛み砕いた薬の苦さと、包帯が巻かれた手の甲に走る鈍い痛みがここが現実なのだとそう訴える。
鞄に忍ばせていた常備薬を全て使い切って、込みあげる吐き気ごと残滓まで飲み込んだ。久々のオーバードーズは気分が悪い、きっと明日は使い物にならないだろう。──、それでも、今この瞬間の理性を繋ぎ留めたい。
夢であればよかった、夢であってほしかった。
我が身をさいなむ動悸が、目覚めを惜しむようなとびきりの吉夢の余韻であったのならばよかった。……、いいや、それでも良くない。あれは悪夢であるべきだ、あんな、自分を見失うような経験は……。
shakota_sangatu
DONEアオカブオメガバのその3タイトル未定3
突然、手術室を襲った音の衝撃に、怒号を上げていた執刀医達が一斉にその元凶へ振り返った。
手術室と隣り合わせの処置室、その強化ガラスに広がった、細かな放射状の亀裂。ひび割れが光の複雑な屈折を生んで、すっかりと透明さを失った分厚い板は、その特性上、普通のガラスと違ってすぐさま崩れ落ちることは無い。
手術室の方に向かい、飴細工かなにかのように、ぐにゃりとたわんだ白い罅割れ。滑らかな凹凸の先端にだけ穴が開いているのは、その部分に最も大きい負荷が加えられた証。
想定外の衝撃を受けて、手術室の方に向けてたわんだ硝子の造形。強化ガラスだったものに空いた、先ほどまで存在していなかった歪な空虚は、まるで魔物の目玉かなにかのように人の恐怖を引き立てる。
8340突然、手術室を襲った音の衝撃に、怒号を上げていた執刀医達が一斉にその元凶へ振り返った。
手術室と隣り合わせの処置室、その強化ガラスに広がった、細かな放射状の亀裂。ひび割れが光の複雑な屈折を生んで、すっかりと透明さを失った分厚い板は、その特性上、普通のガラスと違ってすぐさま崩れ落ちることは無い。
手術室の方に向かい、飴細工かなにかのように、ぐにゃりとたわんだ白い罅割れ。滑らかな凹凸の先端にだけ穴が開いているのは、その部分に最も大きい負荷が加えられた証。
想定外の衝撃を受けて、手術室の方に向けてたわんだ硝子の造形。強化ガラスだったものに空いた、先ほどまで存在していなかった歪な空虚は、まるで魔物の目玉かなにかのように人の恐怖を引き立てる。
taros_
DOODLE映画館デート※アオカブアオ→カブくらい。
かなり捏造。
「映画、見ませんか?」
「おや珍しい」
アオキがそうやって2枚のチケットを見せると、
カブは眉を下げて笑った。
「取引先でチケットをもらいまして」
「誘ってくれてありがとう。映画なんて何年ぶりだろ…。
あ、ここフードメニューも力を入れてるみたいだね」
「ホットドッグとチュロスとポップコーンはミックスで飲み物どうしますか?」
「僕アイスティーで、ありがと」
いつもは真っ赤なユニフォームとくたびれたスーツ姿の二人が
今日は私服で雑踏に紛れている。
「もうすぐ上映時間だね」
「トイレに行ってきます」
「じゃあ僕ここで荷物見てるから」
「お願いします」
カブはアオキの後ろ姿を見送って、
もしゃっと一つポップコーンをつまんだ。
それにしてもアオキ君はどうして僕を誘ったんだろう。
1928「おや珍しい」
アオキがそうやって2枚のチケットを見せると、
カブは眉を下げて笑った。
「取引先でチケットをもらいまして」
「誘ってくれてありがとう。映画なんて何年ぶりだろ…。
あ、ここフードメニューも力を入れてるみたいだね」
「ホットドッグとチュロスとポップコーンはミックスで飲み物どうしますか?」
「僕アイスティーで、ありがと」
いつもは真っ赤なユニフォームとくたびれたスーツ姿の二人が
今日は私服で雑踏に紛れている。
「もうすぐ上映時間だね」
「トイレに行ってきます」
「じゃあ僕ここで荷物見てるから」
「お願いします」
カブはアオキの後ろ姿を見送って、
もしゃっと一つポップコーンをつまんだ。
それにしてもアオキ君はどうして僕を誘ったんだろう。
taros_
DOODLEアオキさん🍙スパイパロ某スレを過剰に摂取してしまった
何か始まりそうで盛大に何も始まらない
アオカブです※要素かなり薄め
「面倒なことにスパイも兼任なんです」
気づいた時には後頭部に銃口が押し付けられていた。
覇気のない声に、耐えきれないほどのプレッシャーを感じる。
身動き一つとれない。
真後ろに来るその瞬間まで気づかなかった。
資料集めに没頭していたからか。
否、気配すらしなかった。
ゴーストのような正体不明のその男は
どんな目でこちらを見ているのだろうか。
つっと冷汗が流れる。
男はしゃがんだ体勢で腰のベルトに手を伸ばす。
そこにはモンスターボールがあった。
ガツン。
その瞬間目の前が真っ暗になった。
「あとは頼みます」
気絶し床に転がる男を一瞥し、
アオキは暗闇に声をかけた。
しばらくすると自分と同じような背広姿の男たちが
倒れた男を縛り上げ、運んでいく。
1646気づいた時には後頭部に銃口が押し付けられていた。
覇気のない声に、耐えきれないほどのプレッシャーを感じる。
身動き一つとれない。
真後ろに来るその瞬間まで気づかなかった。
資料集めに没頭していたからか。
否、気配すらしなかった。
ゴーストのような正体不明のその男は
どんな目でこちらを見ているのだろうか。
つっと冷汗が流れる。
男はしゃがんだ体勢で腰のベルトに手を伸ばす。
そこにはモンスターボールがあった。
ガツン。
その瞬間目の前が真っ暗になった。
「あとは頼みます」
気絶し床に転がる男を一瞥し、
アオキは暗闇に声をかけた。
しばらくすると自分と同じような背広姿の男たちが
倒れた男を縛り上げ、運んでいく。
shakota_sangatu
DONEオメガバアオカブのその2タイトル未定 アルファであることを、一度も誇ったことはない。
普通、平凡、中庸……。ノーマルであることを好むアオキにとって、己がアルファであるという事実はこの世に生まれ出でた時に与えられた呪いともいえる忌まわしいモノであった。
ポケットモンスター、縮めてポケモン。この星で共存する人ならざる彼らをパートナーとして生活する人間たちには、男や女である以前に、第二性と呼ばれる性別が存在している。何時の頃からか、アルファ、ベータ、オメガと名付けられ、世界共通語となった特殊な性。これらは、人類とポケモンがより深く通じ合っていた頃の名残であるとも言われている。
この世に生まれた人間に存在する第二性、アオキに与えられたのは支配者階級とされるアルファの性だった。
7952普通、平凡、中庸……。ノーマルであることを好むアオキにとって、己がアルファであるという事実はこの世に生まれ出でた時に与えられた呪いともいえる忌まわしいモノであった。
ポケットモンスター、縮めてポケモン。この星で共存する人ならざる彼らをパートナーとして生活する人間たちには、男や女である以前に、第二性と呼ばれる性別が存在している。何時の頃からか、アルファ、ベータ、オメガと名付けられ、世界共通語となった特殊な性。これらは、人類とポケモンがより深く通じ合っていた頃の名残であるとも言われている。
この世に生まれた人間に存在する第二性、アオキに与えられたのは支配者階級とされるアルファの性だった。
shakota_sangatu
DONEベータ→オメガにカブさんが転化するタイプのアオカブオメガバが書きてぇ無題 ねぇ、貴方かわいそうにね。
ずっとずっと昔、今よりもずっと髪の色が黒かったころ。村に住んでいた年上の少女から、急にそんなことを言われたことを覚えている。
貴方はベータだから、運命がいないのよ。
そう言って、冷めた顔で笑う。彼女のことが、自分は少し怖かった。その頃の自分はいまよりも幼くて、覚えたてのポケモンバトルに熱中してのめり込んでいた。あと少しで、冒険に出ることが赦される。そんな年に、出会ったのが彼女だった気がする。───、今思えば分かる、あれは生まれて初めて人から向けられた羨望だったのだ。人口の少ない村では、根も葉もないうわさがいつも飛び交っていて。その話題の一つには、周囲から腫れもの扱いされていた彼女がいた。
7860ずっとずっと昔、今よりもずっと髪の色が黒かったころ。村に住んでいた年上の少女から、急にそんなことを言われたことを覚えている。
貴方はベータだから、運命がいないのよ。
そう言って、冷めた顔で笑う。彼女のことが、自分は少し怖かった。その頃の自分はいまよりも幼くて、覚えたてのポケモンバトルに熱中してのめり込んでいた。あと少しで、冒険に出ることが赦される。そんな年に、出会ったのが彼女だった気がする。───、今思えば分かる、あれは生まれて初めて人から向けられた羨望だったのだ。人口の少ない村では、根も葉もないうわさがいつも飛び交っていて。その話題の一つには、周囲から腫れもの扱いされていた彼女がいた。