erieru48
PROGRESS2/10-11晶ちゃんオンリー4用展示③前にupした酔っ払い晶ちゃんがオーエンに絡んでたマンガもどきの続きを描いてるんですという進捗報告?あとちょっとなんですけどね...
sonidori777
DONE魔法のカバン厄災による任務も、魔法使いたちの喧嘩もない穏やかな昼下がり。魔法舎をのんびりと歩いていた晶は、談話室から聞こえてくる騒がしい声に気が付いて、顔を出してみることにした。談話室にはカイン、クロエ、オーエンがいて、喧嘩というほどではないけれど何か揉めているようで、晶は少しだけ不安になる。
「あの、どうしたんでしょうか?」
「その声は晶か?」
カインが朗らかに晶に向けて手を掲げるので、晶は少しほっとしてその手に触れる。晶が見えるようになったカインは、半月型の小さなカバンを見せてくれた。色とりどりのビーズが取り付けられていて、日に当たるとキラキラ光る。生地に刺繍されている独特な模様とそのビーズが良く似合っていた。
2692「あの、どうしたんでしょうか?」
「その声は晶か?」
カインが朗らかに晶に向けて手を掲げるので、晶は少しほっとしてその手に触れる。晶が見えるようになったカインは、半月型の小さなカバンを見せてくれた。色とりどりのビーズが取り付けられていて、日に当たるとキラキラ光る。生地に刺繍されている独特な模様とそのビーズが良く似合っていた。
sonidori777
DONEクロエとオーエン手向ける花はない魔法舎の食堂でネロを脅して作らせた甘ったるいクリームでできたケーキをぐちゃぐちゃにして平らげた後、オーエンは別の甘い匂いを嗅ぎつけてふらりと外に出た。ネロが「そっちは行かないほうが」とか言っていたけれど、お菓子を持っていないネロのいうことを聞く義理はない。よく知った魔法使いの気配がするのも、オーエンの好奇心をくすぐった。
リケ、ミチル、といったいじめがいのある年端も行かない魔法使いたち、そして、誰もが恐れる北の魔法使いに無邪気に接してくる西の魔法使いのクロエ。この三人が甘い匂いをさせて何をしているんだろう、美味しそうなものを持っていたら奪ってやろう、とオーエンはお菓子を奪われた三人が自分におびえた顔を見せるのを想像する。
2989リケ、ミチル、といったいじめがいのある年端も行かない魔法使いたち、そして、誰もが恐れる北の魔法使いに無邪気に接してくる西の魔法使いのクロエ。この三人が甘い匂いをさせて何をしているんだろう、美味しそうなものを持っていたら奪ってやろう、とオーエンはお菓子を奪われた三人が自分におびえた顔を見せるのを想像する。
sonidori777
DONE晶とオーエンとクロエの話猫亀事件晶は自分の目を疑って、二、三回瞬きをしたあと、深呼吸をしてもう一度、中庭の噴水を注視した。何度見ても、晶の目にうつるものは変わらない。噴水にたまった水から三毛模様の猫のしっぽが伸びていて、それが繋がっている先はどうみても亀の盛り上がった大きな甲羅だった。魔法生物かもしれない、と頭によぎる。
晶は今まで見てきた魔法生物を思い浮かべるけれど、かれらと目の前にいる生き物はどうも雰囲気が違っているようにも思える。亀のような甲羅と猫のしっぽという見慣れたものを持つ生物ということもあるだろうが、なんとなく、今まで出会ったどの魔法生物よりも親しみやすい雰囲気があるのだった。
ちゃぷんと音がして水面を見ると、猫亀が水面から顔を出していた。その顔は晶の大好きな猫そのもので、声を出しそうになるのを我慢する。かれは亀に猫のしっぽがついた生き物ではなくて、亀の甲羅を背負った猫なのだった。
2570晶は今まで見てきた魔法生物を思い浮かべるけれど、かれらと目の前にいる生き物はどうも雰囲気が違っているようにも思える。亀のような甲羅と猫のしっぽという見慣れたものを持つ生物ということもあるだろうが、なんとなく、今まで出会ったどの魔法生物よりも親しみやすい雰囲気があるのだった。
ちゃぷんと音がして水面を見ると、猫亀が水面から顔を出していた。その顔は晶の大好きな猫そのもので、声を出しそうになるのを我慢する。かれは亀に猫のしっぽがついた生き物ではなくて、亀の甲羅を背負った猫なのだった。
柚月@ydk452
DONEオー晶♂SSひとひら散りゆく「ふふ、痛い?賢者様。」
オーエンの軽やかな問い掛けに、返す声はなかった。代わりに、静寂に響くのは浅い呼吸だけ。窓がないため外の景色は分からないけれど、此処に連れて来られるまでに見た降り積もる雪は、きっと晶の声すら閉じ込めてしまうだろう。
北の国の、とある小さな隠れ家にて。
晶は自由の効かない身体を横たえて、オーエンを見上げていた。色彩の異なる瞳は、晶の一挙手一投足を逃さぬかのように観察している。人形めいた美貌は常と変わらぬ表情なのに、それを取り巻く環境が異質だ。ベッドとテーブルと、椅子が一つずつ。無機質な壁はやや燻んでいて、頼りなさそうな灯りが揺らめいている。暖炉もあるが、オーエンがそれに火を付ける様子はない。背中から伝わる冷気にふるりと身を震わせると、部屋にまた哄笑が響いた。
5375オーエンの軽やかな問い掛けに、返す声はなかった。代わりに、静寂に響くのは浅い呼吸だけ。窓がないため外の景色は分からないけれど、此処に連れて来られるまでに見た降り積もる雪は、きっと晶の声すら閉じ込めてしまうだろう。
北の国の、とある小さな隠れ家にて。
晶は自由の効かない身体を横たえて、オーエンを見上げていた。色彩の異なる瞳は、晶の一挙手一投足を逃さぬかのように観察している。人形めいた美貌は常と変わらぬ表情なのに、それを取り巻く環境が異質だ。ベッドとテーブルと、椅子が一つずつ。無機質な壁はやや燻んでいて、頼りなさそうな灯りが揺らめいている。暖炉もあるが、オーエンがそれに火を付ける様子はない。背中から伝わる冷気にふるりと身を震わせると、部屋にまた哄笑が響いた。
柚月@ydk452
DONE魔法舎ドタバタ事件簿シリーズ。Case1,マジカル⭐︎バナナ「ああ、ちょうど良いところに。暇ですよね?」
「げっ。」
「うわ…最悪…。」
魔法舎の談話室で、ミスラに声を掛けられたブラッドリーとオーエンは揃ってげんなりとした。夕食も済み、各々が好き勝手過ごしている自由な時間。ブラッドリーもオーエンも同じ空間に居たとは言え、二人で何かをしていた訳ではない。隙あればもちろん殺し合いをするが、今は奇跡的に殺伐とした空気は影を潜めていた。
ワイングラスを片手に晩酌をしていたブラッドリーは、チッと盛大に舌打ちする。
「暇じゃねぇよ、他を当たれ。」
「大好きな賢者様のところに、早く行ってよ。」
「今あの人、風呂に入ってるんですよね。」
二人の抵抗を他所に、ミスラはソファにどさりと身を投げた。そしてテーブル上にあったつまみを、当然のようにして口に入れる。
5501「げっ。」
「うわ…最悪…。」
魔法舎の談話室で、ミスラに声を掛けられたブラッドリーとオーエンは揃ってげんなりとした。夕食も済み、各々が好き勝手過ごしている自由な時間。ブラッドリーもオーエンも同じ空間に居たとは言え、二人で何かをしていた訳ではない。隙あればもちろん殺し合いをするが、今は奇跡的に殺伐とした空気は影を潜めていた。
ワイングラスを片手に晩酌をしていたブラッドリーは、チッと盛大に舌打ちする。
「暇じゃねぇよ、他を当たれ。」
「大好きな賢者様のところに、早く行ってよ。」
「今あの人、風呂に入ってるんですよね。」
二人の抵抗を他所に、ミスラはソファにどさりと身を投げた。そしてテーブル上にあったつまみを、当然のようにして口に入れる。
うさひな
DONE【フィガロ(→←)オーエン】昔みたいに戻りたいふたりの話
過去捏造
賢者が来てすぐの頃から始まります
昔も、今も、きっと石になるまで【フィガオエ】昔みたいに戻りたいかい?
そんなことを聞いたら、
彼はきっと最高に美しく、最高に軽蔑した笑顔を見せるのだと思っていた。
「おまえなんか嫌いだよ」
北の大地のような鋭さを纏って、きっとそう言うのだ。
「フィガロは、北の魔法使い達のことを昔から知っているんですよね?」
この世界に来たばかりの賢者様は、ペンを握りながら俺にそう問いかける。
北の魔法使いとはまだ全然話せていないから、彼らのことを教えて欲しい。
そう頼み込んできた、フィガロからすれば赤ん坊のような賢者の瞳を、無下にすることはできなかった。
それはあまりに、フィガロがこれまで切り捨ててきたものと似ていたのだ。
フィガロとあまく呼ぶ、彼の瞳を思い出してしまう。
「まあね。彼らは若い頃から北の国で有名だったしやんちゃだったから、スノウ様やホワイト様に言われてお仕置きしたこともあったよ」
5407そんなことを聞いたら、
彼はきっと最高に美しく、最高に軽蔑した笑顔を見せるのだと思っていた。
「おまえなんか嫌いだよ」
北の大地のような鋭さを纏って、きっとそう言うのだ。
「フィガロは、北の魔法使い達のことを昔から知っているんですよね?」
この世界に来たばかりの賢者様は、ペンを握りながら俺にそう問いかける。
北の魔法使いとはまだ全然話せていないから、彼らのことを教えて欲しい。
そう頼み込んできた、フィガロからすれば赤ん坊のような賢者の瞳を、無下にすることはできなかった。
それはあまりに、フィガロがこれまで切り捨ててきたものと似ていたのだ。
フィガロとあまく呼ぶ、彼の瞳を思い出してしまう。
「まあね。彼らは若い頃から北の国で有名だったしやんちゃだったから、スノウ様やホワイト様に言われてお仕置きしたこともあったよ」
うさひな
DONE【カイ→←オエ】オーエンを好きな理由をヒスシノに吐露するカイン
少し重め
オーエン出てきません
【カイオエ】おまえを好きな理由「俺たち、付き合うことになったんだ」
久し振りに全員が揃った夕食の席でそう告げた時の、魔法使い達の反応は様々だった。
「おめでとう、カイン
少し驚いたけれど、おまえが幸せなら私は嬉しいよ」
アクアマリンの瞳を細めて微笑む主君に、無意識に強ばっていたカインの頬が少し緩んだ。
因縁の相手とも称される相手との交際。
後悔はないし、もちろん愛している。
それでも迷いがないかと言われると、心がざわついてしまう。
驚かれ…はするだろうけど、否定されたりしないだろうか。
心を操られていると疑われ…はしているようだ。
フィガロとファウストから、なにか見透かそうとしているような視線を感じて、2人の姿を視界から外す。
だって、自分でも信じられないと思ってしまうことがある。
2641久し振りに全員が揃った夕食の席でそう告げた時の、魔法使い達の反応は様々だった。
「おめでとう、カイン
少し驚いたけれど、おまえが幸せなら私は嬉しいよ」
アクアマリンの瞳を細めて微笑む主君に、無意識に強ばっていたカインの頬が少し緩んだ。
因縁の相手とも称される相手との交際。
後悔はないし、もちろん愛している。
それでも迷いがないかと言われると、心がざわついてしまう。
驚かれ…はするだろうけど、否定されたりしないだろうか。
心を操られていると疑われ…はしているようだ。
フィガロとファウストから、なにか見透かそうとしているような視線を感じて、2人の姿を視界から外す。
だって、自分でも信じられないと思ってしまうことがある。
hacca_ss
DOODLE2022.06.18にUPしたものを再掲()初出:WEBオンリー「謎めく厄災のミステリオ」オーエンの死因当てゲームに興じるカインとフィガロ。死体役のオーエンはほぼ喋りません。「泡沫の夜の魔法にかけられて」直後の設定。死体描写(若干グロ)があります。カイオエのつもりで書いてたけどロマラブ感は皆無。
誰があの子を殺したの1. 事件
《ワルプルギスの夜》から数日が経ったある日の午後、談話室のソファでオーエンが死んでいた。
第一発見者は南の魔法使いミチルだ。心根の優しい素直な少年は、ソファに転がった死体に慌てふためいて、医者である師を呼びに行った。相手が常日頃から毛嫌いしている北の魔法使いであることはすっかり失念してしまったらしい。何を考えているのかわからない、不気味でおそろしい魔法使い――《ワルプルギスの夜》を共に過ごしても、その印象はさほど改善されなかったようだが、青褪めた顔をして倒れている仲間を見過ごすには彼は優しすぎたのだろう。
一方、カインが入れ違いで談話室を訪れたのは単なる偶然である。元々は昼過ぎに魔法舎を出て王都へ向かう予定だったのだが、先方の都合で急遽日程が変更となった。おかげで午後の予定がまるっとなくなってしまったというわけだ。
12493《ワルプルギスの夜》から数日が経ったある日の午後、談話室のソファでオーエンが死んでいた。
第一発見者は南の魔法使いミチルだ。心根の優しい素直な少年は、ソファに転がった死体に慌てふためいて、医者である師を呼びに行った。相手が常日頃から毛嫌いしている北の魔法使いであることはすっかり失念してしまったらしい。何を考えているのかわからない、不気味でおそろしい魔法使い――《ワルプルギスの夜》を共に過ごしても、その印象はさほど改善されなかったようだが、青褪めた顔をして倒れている仲間を見過ごすには彼は優しすぎたのだろう。
一方、カインが入れ違いで談話室を訪れたのは単なる偶然である。元々は昼過ぎに魔法舎を出て王都へ向かう予定だったのだが、先方の都合で急遽日程が変更となった。おかげで午後の予定がまるっとなくなってしまったというわけだ。
3_kana_7mic
DOODLEオーエン視点のフォル学話。オーエンがネロとカインをかつあげしてたりするだけ。
なにもかも不定。
2時間くらいドロ。
あんまり校正とか推敲できてません…😇
フォル学(オーエン)「ずいぶん仲良しなんだね、引きこもりの元生徒会長様と」
僕がそう言ったときのネロの顔ったらなかった。
屋上に行こうと思ったら、その階段から降りてくるネロとばったり会ったのだ。焦っている顔があまりにも愉快だったので追い打ちもかけてみる。
「今日も空き教室で密会なの?」
「そんなあやしいのじゃねぇって!その……ただ勉強教えてもらうだけで……」
「へえ?」
ネロは低くなった僕の声を正しく受け取って(つまり、ミスラとブラッドリーに告げ口するよ?その新しいお友達にもついでにお礼参り行こうかなというような意味合いである)動揺のあまり一冊教科書を落としたのを拾い上げながらよろよろと言い訳をする。
階段の窓から差し込む夕日が、あの糖蜜色の瞳より少し濃い琥珀色のネロの瞳に差し込んで、狼みたいに瞳がきゅうと鋭くなる。僕はちょっとだけそれに見とれた。ブラッドリーはこれが好きなのかな。
3095僕がそう言ったときのネロの顔ったらなかった。
屋上に行こうと思ったら、その階段から降りてくるネロとばったり会ったのだ。焦っている顔があまりにも愉快だったので追い打ちもかけてみる。
「今日も空き教室で密会なの?」
「そんなあやしいのじゃねぇって!その……ただ勉強教えてもらうだけで……」
「へえ?」
ネロは低くなった僕の声を正しく受け取って(つまり、ミスラとブラッドリーに告げ口するよ?その新しいお友達にもついでにお礼参り行こうかなというような意味合いである)動揺のあまり一冊教科書を落としたのを拾い上げながらよろよろと言い訳をする。
階段の窓から差し込む夕日が、あの糖蜜色の瞳より少し濃い琥珀色のネロの瞳に差し込んで、狼みたいに瞳がきゅうと鋭くなる。僕はちょっとだけそれに見とれた。ブラッドリーはこれが好きなのかな。