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    #サンプル

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    yurieanime

    MENU8/31 オクバデプチ
    『追憶の場で星々の祝福を』
    にて頒布します、オクバデ短編集 サンプル1
    逃亡if『足音が揃う』
    オクジーくんが審問官を制圧、バデーニさんが手紙を届けたあと合流した逃亡if。
    オク+バデです
    ※初参加のため最小部数で頒布します。お取り置きご希望の方はどなたでもご連絡ください
    足音が揃うびゅう、と風が吹き抜けると、その冷たさに思わず自分を抱き寄せた。

     異端審問官から逃げ仰せて、自由を求める希望の旅……いや、いつ野垂れ死ぬかも分からない地獄の逃亡生活が始まったのは、夏も終わりの頃だった。
     
     
    「バデーニさん」
     耳に染み付いた彼――オクジーくんの声に顔を上げた。
    「大丈夫ですか。どこか痛い?」
    「平気だ。少し疲れただけ」
    「今日はかなり歩きましたからね……。周り見てきました。大丈夫そうです。今日はここで休みましょう」
    「ああ」
     カサカサと枯葉集め、ぱきりと枝を折り、そしてカチカチと火打石を打ち付ける。しばらくするとパチッパチッと乾いた空気が弾ける音、そしてふわりと煙の燻った匂いが漂う。音と匂いで彼が火を起こしているのが分かった。片目を焼かれてから、音や匂いに敏感になったと感じる。この生活になってそれが役立つことも何度かあった。しかし……
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    koyakoya_yy

    MAIKING真武の同人誌のサンプルになります。後日通販を行いますので、その際はX(Twitter)及びPixivにて告知いたします。
    子どもの真一郎君の下に武道君がタイムリープしてくる話。ハピエンです。
    【真武】ヒーロー、君を守るよ【サンプル】ヒーロー、君を守るよ


    履きなれた運動靴で地面を蹴る度、背中のランドセルがカタコトと音を立てる。中に放り込んだ筆箱の中身が暴れているようだったが、真一郎は耳に届く音を気にしてはいなかった。
    はっはっ、と息を切らせて神社までの小道を走る。頭上から照り付ける日差しは九月に入って穏やかなものに変わってきていて、背中をぐっしょりと汗で濡らすようなことはなかった。それでも小学校から立ち止まることなく走り続ければ疲れは出てくる。真一郎はようやく神社の前までたどり着いたところで深呼吸した。荒くなっていた息を整え、ふぅぅっと大きく息を吐く。
    住宅街の中にある神社は他の場所を知らない真一郎にはよくわからなかったが、大きい部類に入るらしい。真一郎の背の何倍もある鳥居がずんっと入り口に立っていて、そこから奥へと続く石畳の参道も幅が広い。数人なら並んで歩けそうな程だったが、平日の昼過ぎである今の時間に神社の中を歩いている人影はなかった。
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