永劫ミカン
TRAININGちょぎくにワンドロ·ワンライ(@ chogikuniwa)様のお題『クソデカ感情or感情』より本丸の皆にそっと見守られている、ちょぎくに。長義視点。
伝わらないわけ その晩、山姥切長義はなかなか寝付かれないでいた。次の日は久々に"偽物くん"こと密かに愛してやまない自分の写し、山姥切国広との遠征の命が下ったからである。数時間とはいえ彼を独占出来る好機、これが平静でいられようか。
主は長義の秘めた(と本人だけがそう思っている)気持ちを知ってか知らずか、何かとこの本丸の初期刀と組ませる傾向があり日々感謝している。
ただし実際は……双方それぞれの問題により今日に至っても二振りの仲は決して芳しいとは言えない状態のままだった。
やはりここは本歌である自分から好転に向けての一歩を踏み出すしかない。
完全に寝不足だがそんな様子はおくびにも出さず、早起きして燭台切光忠を手伝いつつ何食わぬ顔で自分たちの分も含めて遠征部隊用の弁当を拵えて厨を後にする。本当は国広の分だけ作りたいだろうに、そこは露骨にしない辺りが律儀というか微笑ましいと思われているなど、当の本人は知る由もない。
740主は長義の秘めた(と本人だけがそう思っている)気持ちを知ってか知らずか、何かとこの本丸の初期刀と組ませる傾向があり日々感謝している。
ただし実際は……双方それぞれの問題により今日に至っても二振りの仲は決して芳しいとは言えない状態のままだった。
やはりここは本歌である自分から好転に向けての一歩を踏み出すしかない。
完全に寝不足だがそんな様子はおくびにも出さず、早起きして燭台切光忠を手伝いつつ何食わぬ顔で自分たちの分も含めて遠征部隊用の弁当を拵えて厨を後にする。本当は国広の分だけ作りたいだろうに、そこは露骨にしない辺りが律儀というか微笑ましいと思われているなど、当の本人は知る由もない。
永劫ミカン
TRAININGたぬんば(同田貫正国×山姥切国広♀)学パロ(高校生)/幼なじみ設定/⚠女体化
右んば版60分一本勝負様より
【第83回】お題:バレンタイン
復刻バレンタイン 吐く息が白く凍る寒さの夕暮れ。高校から帰宅の同田貫正国は自宅の門の前に佇む人影に気付いて足を止めた。随分と長いこと言葉を交わしていなかった、幼なじみの山姥切国広だった。
「……何でこんな所にいるんだよ」
正国は内心の動揺を気取られないよう、敢えてぶっきらぼうに聞いた。古傷の残る強面と筋肉質な体躯も相まって彼をよく知らない人は威圧感を覚える風体。しかし国広は全く臆することなく手にしていた包みを差し出した。
「これ。渡したかったから」
今日という日は所謂バレンタインデー。綺麗にラッピングされた小ぶりな箱の中身は言わずと知れたチョコレート。
「……は?」
「ずっと聞きたかった。小学校の時はこれが当たり前だったのに、どうして中学になってから急に避けられてたのか……」
1095「……何でこんな所にいるんだよ」
正国は内心の動揺を気取られないよう、敢えてぶっきらぼうに聞いた。古傷の残る強面と筋肉質な体躯も相まって彼をよく知らない人は威圧感を覚える風体。しかし国広は全く臆することなく手にしていた包みを差し出した。
「これ。渡したかったから」
今日という日は所謂バレンタインデー。綺麗にラッピングされた小ぶりな箱の中身は言わずと知れたチョコレート。
「……は?」
「ずっと聞きたかった。小学校の時はこれが当たり前だったのに、どうして中学になってから急に避けられてたのか……」
永劫ミカン
TRAININGくりんばワンドロワンライ一本勝負様よりお題をお借りしました第3回 お題【バレンタイン】
自本丸設定。大倶利伽羅がちょろすぎて心配(笑)
お題【バレンタイン】元来"なれつも"が信条の大倶利伽羅にとって今年の二月某日は非常に大きな意味があった。
例年この日と言えば、燭台切光忠をはじめ加州や短刀たちから寄越される"チョコレート"をウンザリしながらしぶしぶ受け取り一ヶ月後には素っ気なく返礼の菓子を渡し、その後数ヶ月かけてやっとの思いで大量過ぎるチョコをただ黙々と消費する、それだけのやっかいな催しだった。
だが今回は違う。密かに想いを抱いてきた相手との恋をついに実らせ付き合うに至った、そう山姥切国広がいる。
この日に彼の方からチョコレートを貰おうなどと浅はかな望みは毛頭なかった。自分から嬉々として贈り物をしてくる性格でないのは端から承知している。ただ、山姥切も大倶利伽羅同様貰ったチョコは無下にせずきちんと返しているのも知っていた。
2579例年この日と言えば、燭台切光忠をはじめ加州や短刀たちから寄越される"チョコレート"をウンザリしながらしぶしぶ受け取り一ヶ月後には素っ気なく返礼の菓子を渡し、その後数ヶ月かけてやっとの思いで大量過ぎるチョコをただ黙々と消費する、それだけのやっかいな催しだった。
だが今回は違う。密かに想いを抱いてきた相手との恋をついに実らせ付き合うに至った、そう山姥切国広がいる。
この日に彼の方からチョコレートを貰おうなどと浅はかな望みは毛頭なかった。自分から嬉々として贈り物をしてくる性格でないのは端から承知している。ただ、山姥切も大倶利伽羅同様貰ったチョコは無下にせずきちんと返しているのも知っていた。
永劫ミカン
TRAININGくりんばワンドロワンライ一本勝負(@krnb_1dr1wr)様よりお題をお借りしました第2回より『節分』『豆まき』
大倶利伽羅目線、モダモダとじれったいくりんば(笑)
【節分】 とある本丸。月が冴える如月の夜空を見上げる影が二つ。
今日は節分。昼間は本丸総出で豆まき大会、日が暮れてからは燭台切や歌仙の指揮の下、彩り良く仕上げられた太巻きと御神酒が供され、宴のただ中。一時の間抜け出してきた大倶利伽羅と山姥切国広だった。
特に言葉を交わさずとも、大倶利伽羅は傍らに国広の気配を感じながらの静寂を愉しんでいた。
その時予測だにしなかった事が起こった。
「…大倶利伽羅?」
おや?という様子で大倶利伽羅に視線を向けた国広がそっとうなじの辺りの髪、そう癖が強いその辺りに手を差し入れてきたのだ
ざわり
瞬間、大倶利伽羅は自分でも訳が分からないほどに込み上げてきた感覚に動揺し、身を固くした。それは国広にも伝わってしまい、
1418今日は節分。昼間は本丸総出で豆まき大会、日が暮れてからは燭台切や歌仙の指揮の下、彩り良く仕上げられた太巻きと御神酒が供され、宴のただ中。一時の間抜け出してきた大倶利伽羅と山姥切国広だった。
特に言葉を交わさずとも、大倶利伽羅は傍らに国広の気配を感じながらの静寂を愉しんでいた。
その時予測だにしなかった事が起こった。
「…大倶利伽羅?」
おや?という様子で大倶利伽羅に視線を向けた国広がそっとうなじの辺りの髪、そう癖が強いその辺りに手を差し入れてきたのだ
ざわり
瞬間、大倶利伽羅は自分でも訳が分からないほどに込み上げてきた感覚に動揺し、身を固くした。それは国広にも伝わってしまい、