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    izayoi601

    @izayoi601

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    izayoi601

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    公式さんのエイプリルフールから妄想して勢いで書いた、まんちょうどのが開発したARデバイスを付けるほせどのの現パロ超法小話
    二直とまんちょうどのは同じ工科大に通っている設定です…試作品で色々振り回されてほしい
    まんちょうどの久々に書いたので温かい目で見てやってください
    ちなみにじょしょどのはばたいどのの姿が見えた途端名前を呼びながら抱き締めました

    #超法
    superLaw

    映るのは「……と言う訳で、早速着けてみてくれるかな」
     その訳を説明されても、俺に着ける義理は無いのだが。高校を卒業して工科大生活が始まってからというもの、徐庶と学部が同じことで出会った一癖ある彼の行動には呆れさせられた。流石教授から、創学以来の変わり者と言われるだけはある。大学部まである筈の名門鳳凰学院から、自由に発明へ没頭したいだけで此方を選んだという経緯だけでも納得したが。
    ゼミ棟の一室に篭っていたかと思えば、今も翡翠に光るサングラスの様な電子機器を否応無しに持たされてしまった。
    「ですから、何で俺まで」
    「ははっ、何事もデータは多いに越したことないじゃないか」
    要は趣味で作った発明品の実験台だろ。無邪気に至極当然という表情で答えられ、溜息を吐く。
    「……報恩はたっぷり貰います」
    「新たな着想の為なら、幾らでも……先ずは世界の拷問器具の本、なんてどうかな」
    「……まぁ、悪くないですね」
    この人が持って来る本、尖って面白いので余計悔しい。即答されれば、試してみるしか無い。やや重い掛け心地から覗く景色は、未だ笑顔の満寵殿だった。
    「それで……どうすれば良いんです」
    「右横のスイッチを押して貰えれば、解析が始まるようになっているんだ……終われば自然と映る筈さ」
    以前、派手に部屋の窓ガラスを吹っ飛ばしたこともあるからな。無事に終わることを祈りながら、半信半疑でスイッチへ指先を伸ばした。多少の機械音がするだけで、何事も無い。そもそも俺は、心底では求めていなかったのでは。不意に瞳を閉じ、睫毛を瞬かせた瞬間。
    心音が、大きく高鳴った。
    説明を聞いた時は正直、現れるのは祖父だと思っていたのに。俺はやはり、全てを変えられたと芯から理解させられた。
    窓辺から差し込む陽に揺れる金髪、同じ色で真っ直ぐに射抜く強い眼差し。鍛えられ隆々とした身体に、釘付けになる。手を伸ばせば、触れられそうで。
    『脳内の記憶を信号化して、精巧に構築するんだ……一番印象に残っている、大切な存在が映る筈だよ』
    ARデバイスとは、罪深い道具だ。幾ら何でも、鮮明過ぎますよ。そこには、確かに。
    「馬超殿……」
    バイクレースの為就職して、今は遠方に居るのは解っているのに。つい名を浮かべてしまう程に求めて、体温も思い出せてしまう。暫く離れていてもそこまで執拗に、脳裏へこびり付くとは。
    思わず、口元が緩んでしまった。やはりあの頃と変わらず、貴方が大嫌いです。
    「うん……見えたみたいだね、馬超殿」
    言葉で我に返り、デバイスを外した。口に出していたのか。羞恥も混ざり睨み付けた視線を送ったが、ものともされず瞳を子供の様に輝かせ顔を覗き込まれる。
    「成程……馬超殿というのは、法正殿にとってどの様な人なのかな」
    早速核心を突かれ、言葉を探す。俺が視線を外してしまう程怯むとは、本当に変わった感覚の持ち主だ。
    「……高校の、同級生です」
    当たり障りの無い事実だけ述べたが、満寵殿の探究心は止まりそうにない。
    「そうか……うーん……ただそれだけでは、この再現率にはならない筈だけれど……余程仲が良いか、もっと深い仲だったりするのかな?他に考えられる可能性は……」
    「も、もう良いでしょう……それより、開発は進みそうなんですか」
    画面と俺を見比べ、更に追い撃ちを仕掛けてくるので話題を変える。満寵殿は満足そうな笑みを浮かべ、食い入る様に画面を見つめ呟いた。
    「お陰様で、また一つ興味深い成果を得られたよ……遠く離れても、すぐに出会えるなんて楽しみじゃないか」
    貴方は興味の延長かもしれないが、確かに道具一つで鼓動が昂ったのは認めざるを得ない。ある意味こういう人間が、世界を変えてしまうのだろうか。末恐ろしいが、見てみたくもある。
    「ふむ……だとすると、どの程度感情が揺れ動くかで記憶が鮮明になるのか気になるな……私はそういった種類の感情に疎いからね……そうだ!今度馬超殿と会う際は教えてくれないか、法正殿に是非実験して欲しい機器が」
    「絶対に、嫌です」
    無邪気に手を取り、次から次へ土足で入り込むのは勘弁して欲しい。ただ胸が熱くなり満たされる経験を与えられた恩だけは、今度返しても良いかと口元を緩めた。
    「……そういえば昨日、徐庶殿にも試して貰ったのだけれど……馬岱殿、っていう人は知り合いなのかな?」
    あいつの反応に想像が付いてしまったので、一応口は噤んでやろう。
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    izayoi601

    DONE桜の季節の話が久々に書きたくて、かくわい先生としょうかいくんがただ話してる学パロになりました
    この二人の親子みたいな関係性が好きで…ずっと温かい関係で居て欲しい
    青春しているしょうかいくんが先生には素直に本音を話せるところを書きたかっただけですがもし宜しければ
    ぶんおうくんは出てきませんがほんのり鴦鍾です
    私の先生「何なんだ、あの女……」
     今日は進路相談の筈だろう。天命館学園では二年生の春に行われる、担任からの個別面談。一年から引き続いての辛憲英先生と向かい合い、肝心の進路の話はほんの数分。まぁ私程優秀ならば口を挟まれる様なことも無いのだが、切り替わった話題が実に下らない。
    『文鴦君とは、その後如何ですか?』
    やれ『仲良くなられたのでしょう?』だの『ご友人との旨は胸を張って話すべきですわ』だの、駄洒落混じりに満面の笑みを浮かべながら根掘り葉掘り。ここ最近では最も疲弊した、もう何も話したく無い。
    「……それで、此方に居らしたのですね」
    気が付くと化学準備室の方向へ足を進め、まだ旧式とあいつが揃っていないことを見計らい扉を開ける。ローテーブルに緑茶を置かれ、少しずつ啜れば動かしたくなかった口でも言葉が奥底から湧き出て来た。
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    izayoi601

    DONE公式さんのエイプリルフールから妄想して勢いで書いた、まんちょうどのが開発したARデバイスを付けるほせどのの現パロ超法小話
    二直とまんちょうどのは同じ工科大に通っている設定です…試作品で色々振り回されてほしい
    まんちょうどの久々に書いたので温かい目で見てやってください
    ちなみにじょしょどのはばたいどのの姿が見えた途端名前を呼びながら抱き締めました
    映るのは「……と言う訳で、早速着けてみてくれるかな」
     その訳を説明されても、俺に着ける義理は無いのだが。高校を卒業して工科大生活が始まってからというもの、徐庶と学部が同じことで出会った一癖ある彼の行動には呆れさせられた。流石教授から、創学以来の変わり者と言われるだけはある。大学部まである筈の名門鳳凰学院から、自由に発明へ没頭したいだけで此方を選んだという経緯だけでも納得したが。
    ゼミ棟の一室に篭っていたかと思えば、今も翡翠に光るサングラスの様な電子機器を否応無しに持たされてしまった。
    「ですから、何で俺まで」
    「ははっ、何事もデータは多いに越したことないじゃないか」
    要は趣味で作った発明品の実験台だろ。無邪気に至極当然という表情で答えられ、溜息を吐く。
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    izayoi601

    MOURNING二年前に書いた艾淮本の番外編。
    現パロで定軍山の関係性を書いてみたくて、棋士淮殿の好敵手ならほせかなと試し書きしたものです。いざ書いたら艾淮が少なく、はまったばかりの超法を入れ込み過ぎ誰得なのか解らない話になってしまった…と仕舞っていましたが折角書いていたので此処にあげておきます。書いた私だけが楽しかった話(大体そう)ですがもしご興味ありましたらお暇な時にでも。
    忘れ難い好敵手「…おや、大分上手になりましたね…鄧艾殿」
    「いえ、当然ですが…やはり、郭淮殿はお強い」
    共に過ごせる時、リビングに将棋盤を置いて愉しむのも一興。貴方と向き合うのは、人生を将棋に捧げてきた私にとり大切なものだった。勝敗はどうより、貴方のことが手に取る様に解るから。
    「ふふ、けっほ…貴方の盤石に固めた差し方をするところ…とても、好きですよ」
    「はは…どうも、無作為に飛び出す勇気は無く…見事に隙を突かれてしまいます」
    「将棋は、性格が現れますからね」
    盤の上を眺め、相手がどの様な考えかを読み解き降すのが棋士。重厚な守備と揺るぎない実直さを感じ、何時までも差して居たかった。
    「今更ですが、郭淮殿は棋士として様々な方と差しておられますよね…何方か、印象深い方はいらっしゃいますか?」
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    Haruto9000

    DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。
    ※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。

    【あらすじ】
    スカサハのもとで成長したクー・フーリンは、敵国女王オイフェとの一騎打ちで勝利した。
    だが、喜びも束の間、彼女の活躍をよく思わない弟子仲間たちに薬を盛られ、暴行を受けてしまう。
    ひどい精神的ショックを受けた彼女を救いたいと思うフェルディアだったが…。
    ミラーリング #9(影の国編:中編)暗雲
     キィ、ときしんだ音を立てて扉が開く。フェルディアは顔をあげた。
     暗い顔で出てきたウアタハは、フェルディアの姿を見て驚いたように目を丸くする。
    「ずっと待ってたの?」
    「ああ。──あいつは?」
    「眠ってる。……でも」
     ウアタハは痛ましげに眉をひそめた。フェルディアは再びうつむいた。


     クー・フーリンが気を失った後、フェルディアとスカサハはもたもたしてはいなかった。
     フェルディアがマントで包んだクー・フーリンを抱き上げると、スカサハは「ウアタハの元へ行け」とだけ告げた。
     スカサハの双眸は冷え切っていたが、奥底に溶岩のように滾りたつものを感じ、一番弟子は久しく見なかった師の怒りに足が震えた。
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