Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    kikhimeqmoq

    @kikhimeqmoq

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 16

    kikhimeqmoq

    ☆quiet follow

    2021/01/31 ワンライお題 大人/秘密/夢(の中) 670字。 小三の恵。モブ視点。五条出てこない。短いしただのネタです…。

    #伏五
    volt5

    「大人になったら何になりたいか、自分の夢を書きましょう」
    黒板の前でニコニコと笑う先生が言うと、クラス中がざわざわと落ち着きなく喋りはじめた。
    まだ三年生の私たちが、黙ったまま夢を紙に書くなんてできやしない。「どうする?」「俺、なんもねえわ」「テレビ出たい」「やだーなれるわけないじゃん」。
    騒がしい教室で、隣の彼を覗いてみると、黙って何か書いていた。伏黒くんは口数が少なく、ノリもあんまりいい方じゃない。落ち着いた大人っぽい雰囲気が格好いいと密かに女子には人気があったが、ウチらを馬鹿にしていると怒る子も多かった。授業中は寝てるんじゃないかな、と思うぐらい静かな時が多い。そして自分のことをあまり教えてくれない。秘密主義だ。
    今日はでも、いつも通り無口ではあったけど、紙に何か一生懸命書いている。秘密の多い伏黒くんが、何と書いているのか凄くすごく気になって、彼の手元を覗いてしまう。

    「ちょ、おまえ見るなよ」
    「なにそれ?」
    「うるせえ」

    伏黒くんが書いた紙を見たくて堪らない私は、乗り出しすぎたみたいで、彼は私が覗いていることにすぐに気がついた。そして書いていた文字を消しゴムで力一杯消してしまった。
    あまりに力強く消しゴムをかけるから破れてしまったその紙には、「最強」と濃く汚く書いてあったはずだ。
    最強になりたいだなんて、大人っぽい伏黒くんでも言うんだな、と嬉しくなった。可愛いところあるんだな。

    結局、白紙で提出した伏黒くんは、先生にすごく怒られていたけれど。ごめんね。今度、どんな最強になりたいか、いつかコッソリ教えてね。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺💘💘💘💓😭😭😭🙏🙏🙏💯💯💯🐕🐘🐇🐸🐍🐤😍😍🙏😭😭😭😭😭💗💗💗💗💗💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    kikhimeqmoq

    DOODLE伏五の五条が直哉と話しているだけの落書き。たぶんなんか、あんまり良いネタじゃない。恵が高一の五月くらい。誤字脱字衍字および重複は見直してないです。「君さあ、なんでずっとムカついた顔してんの?」
    久しぶりに御三家の会合があった。うちの当主は二日酔いで欠席するとだらなことを言い出し、次期当主である自分に名代を務めるよう言いつけてた。それはいい。それはいいが、なんでこいつと控え室が一緒やねん。俺、ほんま嫌いやねんけどら
    「悟くんはなんで似合わへん東京弁を使ってるの?」
    「似合ってるでしょ。君の金髪よりはずっと似合ってるし。直哉って昔は可愛い顔してたのに、いつのまにか場末のヤンキーみたいな金髪ピアスになったのは社会人デビューなの?」
    ハハッと乾いた笑いを付け加えた男といえば白髪が光っていた。銀髪というほど透けていないが、真珠みたいに淡く柔らかく発光している。下ろした前髪から覗く青い目はこれまた美しく輝いていたが、柔らかさなんて一欠片もなく世界を圧倒する力を放っている。それは自分が呪術者だから感じる力であって、その辺の猿どもが見たってガラス玉みたいに綺麗だと褒めそやすだけなんだろうが、こいつの真価はそんな見た目で測れるものじゃない。まあ、えげつない美しさっちゅうのは事実やけど。
    「もうすぐ禪院の当主になるっていうもんが、いつまでも五条家に 3020

    related works

    recommended works

    kikhimeqmoq

    DONE2020/12/31 伏五が出会った年の年越しです。「僕さぁ、紅白見んのって初めてなんだよね」
    自分だって初めてだ。
    こんな暖かい部屋で、炬燵の上いっぱいにお菓子を広げ、大人しくテレビを見る大晦日なんてそうそう無い。
    津美紀の母親はスナックで働いていて、クリスマスや大晦日のイベント日は子供達を置いて出勤していた。子供二人だけで見るテレビなんて大して面白いこともなく、冷えた晩飯を食べて早々に寝た。初詣もない。そういやサンタだって来なかった。
    でも今日は大人が、悟がいるから大晦日に夜更かしをしている。だからテレビの内容はどうでもいい。紅白ってすげえ人がいるんだな。
    「津美紀ちゃんは?」
    津美紀は悟に聞かれた質問を笑って誤魔化した。
    津美紀から返事をもらえなかった悟は、炬燵のミニ羊羹をほいほいと口に突っ込む。ついでに残った羊羹で積み木を始めた。明らかにテレビに飽きているのに帰らないのはなんでだろう。夕方突然やってきてから、かれこれ三時間以上は炬燵に入っている。テレビを見る以外は、お菓子を食べるか、津美紀にお茶が欲しいと我儘を言うか、俺を揶揄うくらいで他のことは何もしていない。大人が酒も飲まずにこんなにも何もしないのを初めて見た。
    確かにここは 4110

    kikhimeqmoq

    DONE2020/01/21 慶長禪五(伏五)。ご先祖の御前試合の話。あまり伏五関係ないです。タグつけてすみません。禪院が年上で26歳、五条が年下で13歳。生きる方の話です。全速力で宙を駆け、後ろから大股で近づいてくる魔虚羅を引き付ける。
    巨体の向こうでは大勢の者が慌てふためき、恐れ、怒り、逃げ惑っていた。
    喚き叫ぶ声の中から、ひときわ大きな力強い声で「主上をお守りせよ」と命じる声が聞こえた。あの側近は仕事ができる。帝は無事だろう。

    「もうやるか?」

    やかましい風の音に混ざり、背後から緊張した五条の声が聞こえた。

    「まだだ。もっと山までおびき寄せてから」

    急く若者を制しながら鵺を呼び出した。速やかに現れ、主を待つためゆるく飛ぶ式神の背に向け、先に五条を投げた。ばふんと勢いのある音がしたが、回転して受け身をとった五条は背中の中央に膝立ちになっている。それを確認した禪院は、すぐに自分も飛び乗った。

    「このまま山の頂上まで飛ぶ。五条、そこでおまえが一気に片付けろ」

    いいか、魔虚羅に同じ攻撃はできん。一度きりだ。頼んだぞ。

    背を叩くとバシンと中身の詰まった音がした。叩いた指が痛い。このところ手合わせするたびに大きくなっていると感じていたが、ここまでとは。
    禪院が頼むまでもなく、六眼と五条家相伝の術式を得たこいつは、神を落とそうとしたとて仕損じることは 3800

    uncimorimori12

    PAST夏五の匂わせしかねえ伏五
    無名のファイル「恵ってサッパリした食べ物好きって言ってたよね」
     扉を開けると、そこには日常生活ではそうそう拝まない白金に光り輝く頭髪を靡かせた男がいた。睫毛の奥まで純白をたもつ男は、ビニール袋を伏黒に差し出すと我もの顔で靴を脱ぎ捨て家へと上がる。押しつけられた袋の中身を確認すれば、小分けにされた生蕎麦がいくつか入っていた。つゆやネギなども同封されたその袋は、どうやら茹でて皿に盛れば完成という代物のようだ。
    「おそばですか」
    「うん、三人で一緒に食べようー。って、津美紀は?」
    「ちょうど買い物に出ています。さっき出たばかりです」
    「そっか、入れ違っちゃったなあ」
     五条はそういうと座布団を枕にし畳の上にゴロリと寝転がる。以前はなかったえんじ色の座布団は、津美紀が「五条さんが来るから」と言って買い揃えたものである。それまでは来客はおろか姉弟ふたりのみしか存在することの無かった六畳一間は、五条が訪ねるようになってから少々物が増えた。食器類は三人分揃えるようになったし、客用の布団なんてものも用意されている。べつに五条はそんな頻繁に来るわけでもなく、よくて月に二回顔をみせる程度なのだが、窮屈になったアパートは以前より風通しがよくなったように感じる。
    2035