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    summeralley

    @summeralley

    夏路です。
    飯Pなど書き散らかしてます。

    ひとまずここに上げて、修正など加えたら/パロは程よい文章量になったら最終的に支部に移すつもり。

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    summeralley

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    #飯P版深夜の真剣お絵描き字書き60分一本勝負
    お題【ドライブ・私服】

    日本のドライブのことしか知らんので日本のドライブのようになってます。

    #飯P
    #二次創作BL
    secondaryCreationBl
    #腐女子向け

    【飯P】サービスエリアで起こして 免許を取って最初の遠出に、ピッコロさんを乗せて海まで走った。車に乗り慣れていないピッコロさんははじめ渋ったが、修業の成果を見て下さい、の一言で首を縦に振ってくれた。
     今さら海など珍しくもないが、僕の運転する車に二人で、と思うと改まった景色に思えた。海水の冷たさ、焼けた砂の匂い、きらきらと眩しい波、遠い水平線……。
     行きの道中は、あまり覚えていない。ピッコロさんが助手席にいるというだけで、やけに緊張してしまった。日も暮れかけ、まっすぐに帰る今は、気持に多少の余裕がある。
     「……もっとひどく揺さぶられると思った」
    「運転、下手ではないでしょう、上手くもないけど」
    「自分で何もしていないのに景色が後ろへ流れていくのは、良いな」
     素直に話してくれるピッコロさんに嬉しくなり、しかし僕は欠伸を噛み殺した。真夏の日射しに、想像以上に体力を奪われたようだ。
     高速道路は眠くなると誰もが言うが、全くその通りだ。あまりにスムーズに進めてしまうから、脳の奥が緩み、そこに睡魔が忍び込む。
     折よくサービスエリアが近付き、僕はハンドルを切った。
     「ちょっとだけ寄りますね」
     停まっている車は、そう多くない。夜の色を帯びはじめた夏空に、売店とガソリンスタンドの照明がひときわ眩しかった。
     「コーヒー買ってきます。窮屈だったら、出て脚伸ばしてて」
     停めた車で眠っている運転手が、何人も見えた。日が暮れて薄暗いのにしつこく鳴き続ける蝉の声は、暑さに追い討ちをかけて来る。
     売店で買い物を済ませ、再び駐車場を横切る。車へ戻って、ピッコロさんへ水のボトルを渡した。
     「疲れているな」
    「海で燥ぎすぎたかな。疲れたっていうか、少しだけ眠くて」
     冷たいコーヒーが喉を滑り落ちる。何気なく選んだ甘い味がやけに美味しく感じられるのは、やはり疲れているからだろう。暗い車内で、ピッコロさんが気遣わしげにこちらを見ているのが分かった。
     「眠ったらどうだ」
    「明日の朝が早いので、帰りが遅くなるのは……大丈夫です。コーヒーでちょっと、目が覚めました。眠そうだなって思ったら、起こしてください」
     言いながら、言葉とは裏腹に語尾に欠伸が混じってしまう。きまり悪く肩を竦めると、ピッコロさんは何も言わず小さく息をついた。水のボトルの蓋を閉めながら、売店とスタンドの灯りへ視線を投げているようだったが……不意に、こちらを向いて身を寄せた。
     頬に触れる手のひらに驚く間もなく、唇が塞がれる。
     淡く短いキスは、ほんの少しだけ角度を変えてもう一度落とされた。掠めるように過っただけで、やわらかさも体温も、感じる前に離れてしまう。
     「……目が覚めたか?」
     悪戯っぽい響きで、低く落とされた声が、耳の奥に焼きつく。
     僕は言葉を返さず、狭い車内でピッコロさんに迫って、首筋に腕を回した。思いがけない反撃だったのだろう、逃げ場のない助手席で、それでも身体を引こうとしている。
     「眠そうだったから、起こしてくれたんですね?」
     何か言おうと迷っている唇を、こちらから塞いだ。今度は、ゆっくり深く。少し肩を押されでもしたら、すぐやめるつもりだったが、ピッコロさんは抵抗しなかった。代わりに、苦しげに継ぐ吐息が感じられる。
     言葉も灯りもない、自由に動けない車内で、熱だけが無闇と高まる。
     ピッコロさんの手が、おずおずと僕の背に回された。ひどく慎重で優しく、僕は浮き足立つ気持を抑えられない。かすかに立てられた指先はくすぐったくて、先を促されているようだ。
     漸くのことで唇を離した時、暗闇の中なのに、奇妙な程はっきりと視線が交わった。切れ長の瞳の奥に、動揺も昂りも口付けの余韻もみな、濡れたまま残っている。
     「……目が覚めすぎちゃったので」
     ピッコロさんの胸元に手のひらを当てながら、なるべく平静を装う。
     「高速下りたら、寄り道しませんか?」
     ピッコロさんは呆気にとられたように、じっと僕を見つめる。それから胸元に置かれた僕の手を見下ろし、引き剥がし、前を向いて座り直しながら……再度こちらへ、視線だけを寄越した。
     「明日の朝が早いと、言わなかったか」
    「さぁ……そんなこと言いました?」
     嘯いて、僕はエンジンをかける。
     「夜のドライブも、気持いいですよ」
     はじめに仕掛けたのは自分だからなのか、ピッコロさんはそれ以上、何も言わなかった。サービスエリアを出て高速の流れに乗りながら、僕はことさらに安全運転を心がけ、ハンドルを握り直した。
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    summeralley

    DONEネイPのみの番外、🍚ちゃんと出会う何年も前。

    完結済みの、マスター💅と客🍚がバーテンダー🅿️を取り合う連載。ンデちゃん含む全員の番外あるのでぼちぼち載せます。
    これは🅿️がバーテンダーなりたてで、カクテル練習する話。真面目だからバーテンダー修業も頑張ったはず🥹
    【飯PネイP】煙るバーカウンターにて/サイドカー 元々あまり酒を飲まないから、カクテルというものにこんなにも種類があることに驚いた。ネイルは「覚える必要はない、レシピを確認して作っても構わない」と言うが、よく出るカクテルは嫌でもレシピを覚えてしまう。サイドカーも、そうだ。
     ネイルの店へ立つようになって、四ヶ月経った。あいつは元々、この街へ出てきた時からずっとバーテンダーをやっていたが、おれはまったくの初心者だ。それでも、開店前にあれやこれやと教わって、一通りのことは出来るようになったつもりでいた。実際、これまで客から褒められこそすれ、苦言を呈されたことなどなかった。
     「このサイドカー……なんとなく、味が尖ってる気がする」
     そう言われたのは半月前だ。甘い、苦い、ぬるいなら分かるものの……尖っている? そもそもこの客が、ただの感想を言っているのか、文句のつもりで言っているのか、判別できなかった。なんと答えていいか分からないところに、ネイルが横合いから口を出す。
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