(土井先生の今の生活に踏み込みすぎてはならない)
互いを大切に想う気持ちが形を変えたことを確かめ合ったが、暇ができ会いに行こうと思ってもそのような考えがよぎってしまう。
(恋仲になる前の方が気軽に会いに行けていた)
思わずため息が口をついて出る。
そもそも頻繁に会えるほど互いに時間は取れないし、生徒たち…なによりもきり丸との時間を大切にしてほしい。
血は繋がらずともあの2人は紛うことなき家族だ。
自身が寂しい思いをした経験をした分、余計にそう思う。
ただ今日は父である伝蔵の洗濯物を渡す用事があるのでタイミングが合えば会えはするだろう。
密かに心躍らせながら忍術学園へと向かった。
「あれ利吉さんじゃないすか」
忍術学園に入ると早速馴染みのある声に呼び止められる。
4781