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    akariya0309

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    #うるがと年齢操作SD企画 さまのやつです延長線してもこれなのかいというのはおいといてですね、肉体年齢が成人になったら、セ解禁です。さわりのあたりだけ間に合ったということでひとつ。

    #うるがと年齢操作SD企画
    #うるがと

    うるがと出られない部屋 「ちんこが若かった」
     牙頭のこの言葉を、漆原は一生忘れないだろう。

    ***

     牙頭が目覚めていちばんに感じたのは、身体の軽さだった。気のせいだろうかと思いながら近くにあるだろうスマホを探して腕を動かし、なんとなくリーチが短いようにも思う。腕だけではない。足もだ。今まで感じたことがない種類の気持ち悪さにようやく上半身を起こし、髪が短いことにも気がついた。普段の牙頭は刈り上げていない部分はそのまま伸ばし、それをポニーテールのようにしつつも境目より少し上の部分でお団子を作るような形でまとめている。前髪も作らず一緒に後ろに流しているが、今の牙頭の額には生え際から少しだけ伸びた髪が触れていた。昔は気にならなかったが、今の髪型に慣れているためこそばゆく感じる。
    「……昔?」
     結局、目視をしてもスマホは見つからない。薬のにおいが漂ってきそうなほど真っ白なベッドの上には牙頭しかいなかった。カーテンで仕切られているところも病院のようで気が滅入る。この向こうに鏡があれば頭に浮かんだ仮説の説明が可能だが、果たして。
     カーテンの境目に人差し指をそっと入れ、まずは覗いてみる。簡素な、というより夢やフォトスタジオ、コンセプトルームでしか見ないようなあらゆるものが真っ白な部屋がそこにあった。視界が届く範囲で周りを見ると、ノブつきの扉があった。手をかけてみなければわからないが、ダミーである可能性も頭に置いておく。
     なんにしろ、動かなければ事態は動かない。小さく深く息を吐き、カーテンにかける指を五本に増やすとそろそろ開けてゆく。カーテンの幅のぶんだけ司会が大きく開くと、保健室のようだなとも思えてきた。音がしないように一歩踏み出した時、急に人の気配を感じた。
    「アレ? ガッちゃんか?」
     ――十七年来の友人であり、最近は恋人にもなった男、漆原伊月が隣のベッドに腰掛けていた。なぜか出会った時の、制服まで着用した高校生の姿で。
    もしもの世界に行ける電話ボックスを使っただとか、平行世界に行っただとか、神様の気まぐれでどこかに召喚されただとか。年代によって想起するすこしふしぎな展開は異なるだろうが、共通しているのは有り得ないということだ。
     牙頭と漆原は努めて冷静に違いの頭の中を開示し、記憶や価値観、そして一番大事な恋人の存在など、あらゆる物事の擦り合わせを行った。職業上お互いが知り得ないことはあるが、それ以外については同じ記憶を有していた。高校生の時からの付き合いで、死人が出る賭場に出入りをしていて、自称神の神父と医者のタッグに負けたあと交際を始め、牙頭はようやく漆原の私服がダサいと言えたが改善はないまま。お互い、あそのあたりまでの記憶がある本人同士であるという確認がとれた。
     十七歳の姿になっているのは漆原だけでなく、牙頭もだった。だから刈り上げもなく、適度に伸ばしただけの髪なのだった。真っ白な部屋に隣接した風呂場にある鏡で一人ずつ自分の姿を確認するのはなんだかおかしくて、そしてどうしたらよいかわからないので笑うしかなかった。
    「中身はたしかに三十四歳らしいのに、またえらく懐かしい姿になったものだよね」
    「人生の半分若返ってっかんな……っていうか、そういうペナルティーって線はねえよな?」
    「あの銀行のペナルティーで老化はあっても若返りってあるかな。実験台として選ばれた可能性は否定できないけど」
     ふたつあるベッドのそれぞれに腰掛け、向かい合って今後について考える。今が何月何日の何時であるかもわからないため、考えてそれを共有することしかできない。ドアノブに手をかけてもみたが、鍵がかかっているようだった。その先に空間があるらしいのは朗報だが、どれだけ探しても部屋の中に鍵らしいものはない。となると電気で解除されるのかもしれないが、すなわち監視されていることを意味する。どんな人間が企てたか知らないが悪趣味にもほどがある。
     牙頭は次第に苛ついてきて、扉を蹴飛ばしてみたりドアノブを乱暴に回してみたりする。勿論なにも起こらなかった。五十回目の蹴りを入れるまでは。
    『すみません。いい加減うるさいのでやめてください』
    「……あ?」
     扉の上には不自然な切れ目があった。扉以外の何かがある空間であることはたしかだが、指をかけてもびくともしないので諦めていたのだ。今、その空間が開き、電車の扉にある。行き先を告げるだけの大きさほどのディスプレイが光っている。
    『ここはあることをしないと出られない部屋です』
    「は?」
    『お二人にはあることをしていただき、元の年齢まで戻っていただきます』
    「へえ、何をするのかな」
    「伊月、こっちに来るな。催涙ガスとか出てくるかもしんねえぞ」
    『時間がもったいないのでしません』
    「だってよガッちゃん」
    「チッ……で、なんなんだよ。そのあることってのは?」
     何をするにしろ若返らせた肉体年齢を元に戻すなんてことが容易なわけはない。実験隊となった二人のうち一人を犠牲にして血を飲まねばならないとかそういったシナリオのスナッフフィルムを撮ろうとしている可能性もある。牙頭も漆原も反吐が出るほど嫌いだが、そういうものが好きな人間というのは一定数存在するのだ。例えば、あの賭場で拷問ショーに金を落とす金持ちだとか。
    『射精をしてもらいます。一回達するごとに一歳。挿入を伴えば四歳ぶん成長できます』
    「死ね」
    「僕も今は鉛筆じゃなく六法全書が欲しい」
    『これは録画などをしておりません。あなたたち以外の人間の関与もありません』
    「人間の関与がない? なら神様でもいんのか?」
     ハーフライフにはいたけどな。二人してそう思いながら、牙頭はディスプレイに皮肉を投げる。すると、いままで文字のみを表示していたそれは二重丸とサムズアップの記号を並べてピンポンピンポンとやかましい正解音まで発したのである。
    『大正解~!!』
    「壊すか」
    「やろう。僕は今の姿の方が力あるみたいだからいけそう」
    『暴力は解決に繋がりません。まず風呂場と脱衣所を見なさい、そこにはゴムと潤滑油もあるから』
    「サイアクのマザー・テレサだ」
    「マザー・テレサに失礼だろ」
     とはいえ本当に暴力では進展しなかった。裸足だった足は無駄に痛くなっただけであるし、渋々確認しに向かう。先程は鏡を見ただけで調べていなかったが、ディスプレイの向こうの存在が言う通りにゴムと潤滑剤はあった。サイズに関しては普段使っているものより小さいのだが、肉体年齢に合わせられているのだろうか。牙頭も漆原も十代の頃は色々とそれどころではなく、使う経験がなかったのでわからない。
    「気持ち悪いなあ……」
    「マジでそれしかねえ。つうかガキに戻して戻るためにはセックスかコキあうか、まあ一人でやってもいいのか……いずれにしろ悪趣味だな。神ってのはそんなにオカズに飢えてんのか?」
    『あなたたちの失った青春を見た目だけでも取り戻してあげてんですよ』
    「え~……? まあ、この時代のガッちゃんに欲情したことはないから今見ると貴重だなと思うけどね」
    「たしかに、この頃の伊月は今とは違うかわいさもあるしなんか表情筋もゆるい気がする」
    「でもねえ……」
    「中身は三十四だからな、懐かしいとは思うけどそれ以上ねえな……。ま、とりあえず一発抜いてくるから伊月はちょっと待ってろよ」
    「え、それは見たい」
    「なんでだよ! おとなしくしてろ!」
    「わからないのか? 十代のガッちゃんに欲情はしなくても、一人でシてる時はどんな表情や反応だったのかは気になるんだぞ?」
    「なんもわかんねーよ」
     食い下がった漆原の言葉は、風呂場にかけられた鍵によってシャットアウトされたのだった。
     潤滑油を持って中に入った牙頭はどこをいじっているのだろうか。くぐもっているが構造上響く浴室からは時折嬌声や噛み殺すような悩ましい声、そして粘着質な水音が聞こえる。漆原の精神は牙頭とお付き合いをしている三十四歳のもの、肉体は元気すぎる十七歳のものであるため痛いほどに張り詰めた中心部については仕方ないと言える。大人とそう変わらない肉体を持てども三十四歳の自分たちよりは幼い姿に欲情したわけではない。そう言い聞かせながら、牙頭の帰りを待つ。この時間の方が余程拷問のようだった。
     ややあって、牙頭が浴室から出てくる。とりあえず一回しか達していないため見た目にさほど変化はないが、「シャツがちょっときつい」とのことで、なるほど確かに鍛え始めた頃だから買い換えの費用に苦労していた。
    「それより伊月、驚いたんだが」
    「うん?」
    「ちんこが若かった」
     牙頭はなぜか、わくわくする実験でも見たあとのようなテンションでそれを告げる。
    「……ちんこが」
    「若いとしか言いようがねえんだ。お前もやってみればわかるから、交代な」
    「えっ」
     漆原は牙頭に潤滑油を握らされ、先程まで牙頭がいた浴室に放り込まれた。換気もろくにしていない、牙頭のにおいが充満したそこへ。
     精液のにおいはあまり良い表現をされない。それも当たり前で、生活習慣で多少の差こそ出てくるものの、基本的には他人にとっても自分にとっても好ましいものとは言えない。だが、漆原は飢えていた。激務と賭博に追われていたここ数年を経てカップルになった今、お互い激務こそ変わらないが性生活への歩み寄りを進めている最中なのだ。牙頭も漆原もアナルセックスの経験はない。身体への負担と漆原の意志を尊重し、自分がネコになると申し出てくれた牙頭には感謝と欲情と僕のこと好きすぎるんじゃないかという自惚れと、要するに様々な感情がないまぜになったままゆっくりと身体をひらいている途中なのだ。なのに一人で使用したあとすぐの部屋を明け渡されて、漆原はどうにかなりそうだった。牙頭をこちら側に戻しておそってしまいたいとさえ思った。
    「でもはじめてはベッドがいいよな……」
     風呂場の床は固いし、滑りやすい。こんなところで安全なセックスなんかできるかと思いながら、いつもの牙頭や先程の嬌声を思い浮かべて竿をしごく。
    「……たしかにちんこが若いかも」
     回復の早いそれを見ながら、漆原の肉体年齢は二歳進んだのだった。
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    akariya0309

    DONEさめししワンドロ 20240207
    第29回 お題「笑顔」より
    さめししですが、同じ空間にいるのはさめとまふだけです。

    #smssonedrow
    #さめしし
    さめししワンドロ第29回題「笑顔」より 村雨礼二が笑っている。本人としては鼻歌が出そうなほど上機嫌なので笑みが収まらないだけなのだが、同じ空間にいる者にとってはいささか気まずい。笑っている顔が怖いのだ。仕事場の人間であれば避けるし、道を歩いていても避けられる。だが真経津には逃げ場がなかった。ここが自分の家だからだ。飽きたもので溢れる家に友人一人残して少し外に出る事に抵抗はないが、出会ったばかりの頃とは事情が異なる。
     仲が深まれば関係性も変わるというもの。それは真経津と担当行員の話でもあるし、友人たちとの話でもある。皆、真経津と会った時よりも数段面白い。それは喜ばしい。
     集まると決めたのは真経津だった。いつもの面子に声をかけ、集まれる者のみ集まる。叶黎明と天道弓彦の二名は仕事の都合で来られず、獅子神敬一からは一回渋ったものの了承の返事が来た。村雨は医者であるからして都合をつけるのが最も難しいのであるが、夜勤明けなので可とのことだった。獅子神がいるからこそ来ることを決めたのであろう。誰かの家に集まる時に獅子神の出席が確定するというのは、満足に足りる味と量の食事が約束されたに等しいからだ。
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