このあと滅茶苦茶シた 目が覚めた。まだ夜で起きるには早すぎる時間だった。寝る前は暖かったはずの室内はとっくに冷え切っていて布団の隙間から入り込んでくる冷気に身体を震わせた。目の前のフェイスよりも背は高いはずなのにどこか小さく見えるグレイの身体を後ろから抱きしめる。寝ているせいかいつもは体温の低い彼の身体は暖かい。首筋に顔を寄せると石鹸とグレイの匂いが混ざった柔らかい香りが鼻を擽った。
ふと、悪戯心が沸き上がった。長くて癖の強い髪をかき上げてうなじを露出させる。触れた白い首筋は乾燥してしまっていて、また手入れをしてあげなくちゃな、と心のメモ帳に記入する。髪をかき上げたまま唇を寄せる。味わうように軽く口づけ、吸い上げる。綺麗についた赤い花に満足そうに笑う。グレイの髪の長さなら突風が吹かないかぎりバレはしないだろう。目ざとい悪友なら気づくかもしれないが、からかいの矛先は自分に向くから無視すればさほど問題ない。いくつらか口づけを落とす。そのたびに赤い花が増えて満たされる心地がする。
グレイは起きる様子もなく、スヤスヤと眠っている。その姿を見てまた悪戯心が刺激された。無防備な裾からそぉっと手を侵入させる。眠っているグレイはその不埒な手に気付けない。
「ンっ……」
冷えた手が素肌に当たったからか小さく声が漏れた。けれど、起きるそぶりはない。すっと腹から胸を撫でる。くすぐったいのかよじって逃げようとする痩躯を押さえつける。寒さか、快楽か勃ち上がる突起を軽くはじくと、喘ぐような声が上がった。素直な反応に気をよくしたフェイスはクスクス笑った。触ってくれと懇願するように熱く勃ち上がった突起を可愛がるようにつまみ上げる。ふにふにと柔らかかった乳首が少しづつ硬くなっていくさまがなんだかおもしろくて夢中に刺激する。グレイの口からは譫言のような嬌声がひっきりなしにあがっていた。快楽に耐えるように丸まる背を逃がすまいと抱き寄せて、首筋にキスを落とす。ふいに腕が止められた。
「や、め……て」
「アハ。おはよう、グレイ」
振り向いたグレイの瞳は涙で潤んでいて頬もリンゴのように赤かった。そんな目で講義するように睨みつけられても煽られるだけだ。
「きもちよく、なっちゃうから、やめて……!!」
「気持ちよくなっちゃっていいだよ?」
寝起きだからか、快楽のせいか舌ったらずな口調に欲望に油が注がれたような気がする。そもそものフェイスの悪戯が発端なのだからグレイからすれば知らないだろうが。欲望を押し付けるとグレイはビクっと身体を震わせる。
「ね、ダメ?」
明日はそろってオフなのだから問題は無いのはわかっていた。
静かに頷かれたのを確認してグレイを仰向けにさせてのしかかる。夜はまだ明けないのだから。